36.実戦
「馬鹿やろぉ!だから言ったじゃねぇか!それ以上は言うなってぇ!」
「そんな事言われたって、そんなに早く回収しに来るとは思わないだろう!?」
「フラグはやばいんだってェェ!!」
全力で逃げる俺たち2人。だが足元はコケだらけで、そこまで気をつけて走らなきゃいけないから思ったより早く走れない。
「カラ、カラカラカラ……」
「ちょぉ!あいつ足はぇぇ!!」
「くそ、こうなったら闘うぞ空!」
「あぁん!?んなことできるか!って話聞いてる!?」
時既に遅し、もうアグネーゼは後ろを振り向き、剣を抜いて構えていた。
「カラカラカラ……」
「ふん、望むところだ屍よ、僕が貴様に安らかな眠りを与えてやる!」
「ああああ!!こうなったらヤケだ!」
俺も剣を抜いてスケルトン・ナイトの前に立つ。そして敵を見る、いや診る。
敵の情報、スケルトン・ナイト レベル385
いやいやいやいや!!!!
「無理だってアグネーゼぇ!あいつレベル385だって!勝てねぇよこれ!」
「ふっ、例え1人が385レベルだとしても僕達2人を足せばそれ以上になるだろう!僕のレベルは158、つまり空のレベルが227以上だったら五分!勝ち目はある!」
「いや、俺の負担でかくね!?」
なんで言い出しっぺの方が負担小せぇんだよ。
まぁそれ以前に悲しいことがあるんだけどな……
「……………あと、俺、1レベルぐらいだから、多分……」
「だろう!?勝ち目はあるに決まって────ふぁ!?」
いや、ごめんて。ちゃんとステータス確認してないけど多分俺のレベルそれくらいだって。
「………勝てないな」
「言ったよね!?俺さっき言ったよね!?」
「なんでそんなに低レベルなんだよ!君だって一応新米冒険者としての卒業試験にいたじゃないか!」
「卒業試験?何の話だよ!」
「はぁ!?一緒に素材集めに行っただろう!?時計台修理の!あれが卒業試験だろう?違うのか!?」
「え、そうだったの!?」
初めて聞いたし!
てか、その話が本当だとすると俺は冒険者としての卒業試験にほぼ無理矢理レベルでぶち込まれたわけか。なんつー事してくれてんだあのジジイ!!
じゃねぇ!マリーさんもなんも言ってくれなかったじゃねぇか!!
「カラカラカラ…」
俺とアグネーゼが口論してるのを見かねて、スケルトン・ナイトはこちらへ走ってきた。いや、説明聞いててくれてありがとねほんと。
いや、だからそうじゃなくて!!
「来たよ!?ねぇ、どうすればいいの!?」
「お前が逃げてればよかったんだろうに!」
といいながら、スケルトン・ナイトとアグネーゼの間に立ち塞がる。
「お、おい空!お前が勝てるわけないだろ!レベル1なんだから!」
「うるせぇ、女を盾にできるか!」
スケルトン・ナイトの上からの斬撃を俺は剣を横にして受け止める。
「ぐうっっ!!!?」「カラカラカラ……」
なんだこれ!?やべぇ、腕がもげる!
スケルトン・ナイトの方は右腕だけで振り下ろしてるはずなのに、両腕使ってる俺の方が押されてるーー!!?
「くそっ!」
ギリッギリギリと刃のぶつかり合う音がする。
「このままでは勝てない……」
そう判断した俺は右側に体勢を寄せるとそのまま剣を振り、相手の剣をいなした。
が、いなそうとした瞬間、相手は一旦剣を浮かせたかと思うと俺の剣の持ち手近くにそれを振り直した。
「なにっ!!!?」
当然、その力はとても強く、しかも俺は不安定な体勢をしていたため、簡単に体勢を崩された。
「カラカラカラ……!」「しまっ………!!」
俺には、スケルトン・ナイトが笑みを浮かべたように見えた。
古びて、錆びに錆びた剣が襲いかかる。
あ、これはやばい────────




