31.公式記録
「ところで、あの、坊主………なんかあそこに美幼女と美少女が戯れてる素晴らしい景色があるのだが…」
俺が真面目な決意をしている頃、フォードはアホみたいなことを言っていた。
「はぁ?お前なぁ、自分の嫁さんが……って、おおお……本当だな。神のごとく美幼女と美少女(外見のみ)が戯れてる…」
「おねーちゃん、あぐねーじぇってなまえなのー?」
「そうだぞ〜。僕の名前はアグネーゼだ。よろしくな、マシューちゃん!」
「よろちくなの!」
「くはっ!か、かわいすぎる……」
あれうちの子なんですよ!みなさんっ!俺の子供なんですよぉー!(忌み種の可能性微)
「あぐねーじぇおねぇちゃん、どこにしゅんでるの?」
「教えて欲しいか?そうかぁ〜!僕はな、グレン王国の上の方に住んでるんだぞ〜!」
「うえのほぅ……?あ、あれだ!おっきぃ〜いえだねぇ!まちゅーもすんでみたい!」
「くはっ!いいぞぉ!いつでも来い!いや、寧ろ今日から来るといい!」
「じゃあおねぇちゃんのいえにあそびにいく!」
「はぐぅっ!!ハァハァ、かわいぃん…」
……やべぇぞあのガキ。顔が軽く放送事故なんだけど。
まぁ、分かるよ?俺だってマシューと話す時はあんな感じになるし、愛でてるよ?
でもさ、お前接点ねぇよな?なに人の子違いますに手ぇ出してんだよ?許さねぇぞ。
「あれれー?アグネーゼちゃーん?俺と態度違いすぎませんかー?」
「なんだ黙れ下賎の者。マシューちゃんは僕の天使だ。文句あるのか?」
「お前は暴君ディオニスか。あと、マシューは俺の娘だ」
「ふんっ、嘘を吐くな!お前みたいなミジンコの細胞みたいなやつから、こんな神の子が生まれるわけないだろ!そんなこと、僕でも分かる!」
「1回しばくぞこら」
「まちゅーはぱぱのものだよ?」
「くはっ……ぱ、ぱぱのもの……」
「なんだよその目は。そんな目で俺を見るんじゃねぇ。何が言いたいんだ、この野郎」
「ふ、ふふ、幼気な少女の胸を汚しておいて、これ以上罪を増やすのか?貴様は」
「「「!!!!」」」
今の一言で、ギルド内にいた冒険者から一気に視線を集めたのだが、アグネーゼはそれにすら気付かないようだ……
ってか、やめろお前ら!そんな目で見るんじゃねぇ!その目はなんだこの野郎!
「あれは事故だ!そもそも、マシューの教育に良くないだろ!」
「事故って……15歳の少女の胸に触れるなど、最早犯罪だぞ!今からでも警察に突き出してやろうか!?そもそも貴様みたいな奴に教育なんて出来るわけないだろ!」
「ちゃんと教育してるわ!色んなこと教えてるわ!」
「そうだよ!さっきまちゅーにふくきせてくれたもん!はだかでさむかったけど、きてたまんとをぬいできせてくれたもん!」
「「「!!!!!!?」」」
「マシューさぁん!!!間違ってないけど!そうだけど誤解が生じるよねそれ!?」
ギルドの皆様ぁぁ!!やめてぇぇ!!そんな目で見ないでぇぇぇ!!!
それこそ事故なの!だって、竜から人になるとは思わないじゃんよっ!これ言えないけどさ!
「ぱぱも『なかだと(ふくの)あったかいな』っていってたもん!」
「膣だと温かい!!!!?」
「「「「「!!!!!!!!!」」」」」
「(まちゅーが)なかにいると、くちゅぐったいんだって!」
「神木そらぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!」
「「「死ねぇぇぇこのロリコン野郎っ!!!」」」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!マシュ、マ、マシュ……………マシュュュゥゥゥゥゥ!!!!」
「貴様、本当に警察に突き出すぞ!!」
「やめろっ!誤解だし!!何もしてねぇよ!警察だけはやめてくれっ!悪い思い出しかねぇよ!」
「悪い思い出って……貴様、まさか既に前科が…」
「ねぇよ!なんもねぇよ!前科もねぇし今も何もしてねぇ!」
「何を言う!僕の胸をさわっ……揉んだっ!」
「脚色を加えるんじゃねぇ!揉んでねぇだろ!」
「……すみません、警察ですか?…はい、事件です…」
「これは記事になるぞっ!メモメモ……」
「首だ!賞金首にかけろ!値段設定!?最高にしておけ!」
「ハッハッハ!すごいことになったじゃないか坊主!」
やめろ、電話するなメモするな俺を賞金首にすんな!!
つーか店出ようとしてる人がたくさんいるんですけど?どこに向かう気ですかっ!?
そしてアンタは笑ってないで助けろやぁぁ!!
「それはそれはいやらしい手つきで僕の胸を揉みしだいただろうっ!おまわりさぁん!」
「やめろぉぉぉ!!!周りの人動いてるから!『俺は警察に伝えてくる…』とか聞こえてきてるからっ!やめてくれっ!俺の人生が終わるから!社会的な意味でぇ!そもそも、揉みしだくほどない────────ごめん」
「全く、何を言い出すかと思えば……最初からお前の人生など始まっていないだろう!」
「怒ってもいいところノータッチな上にすっげぇ失礼な事言ってる自覚あるかっ!?」
「ノータッチではないだろ!バッチリタッチだろ!」
「な、なんのはなしちてるの?」
「「大人の話だからマシューは聞かなくていいんだよ!!」」
「な、なんか、2人とも……こわい…」
「だいたいな、今はシリアスムードだっただろうが!なんでそれをぶち壊してくるわけ!?今大変なんだよ!?マリーさん攫われてるんだよ!?」
「それよりも、僕の胸が優先だっ!!」
「こいつ言い切りやがった!!!」
周り見ても味方が1人もいないのでたすけてぇ、の意味を込めてフォードをチラッと見る。なんと、フォードはイライラを表に出すように足をパタパタさせていた。
そう、怒って────────
「いや、おかしくねぇ!?」
「うわっ!ついに変態が壊れた!!一人で話し始めた!?」
「なんでアンタがキレてるんだよ!元はといえばアンタがこっちを指差して『戯れじゃぁ』とか言ってたんだろうが!おかしいよなぁ!?」
「た、戯れ……僕を指して戯れとはなんだフォード!?」
……ふふ、孤立しない方法、それは共通の敵を作ることである。
って昔、俺のゲスイ友達が言ってた気がする。
「な、なんのことで!?い、いやぁ、とりあえず、マリーを助けに行かなきゃですなぁ!」
「そうなんだよ!こんなことしてる場合じゃねぇんだよ!」
「そうだよ、マリーさんが攫われてるじゃねぇか!!こんなロリコンに構ってられねぇよ!」
「行くぞてめぇら!マリーさんを助けて今度こそソープのサービスを追加さてもらうんだ!!」
遅ぇよ行動が!あとてめぇらは行動が不純すぎんだろ!なんだよソープサービスって!しかも今度こそって言ってたよな!?何回頼んでるんだよ!てかツッコミどころ多すぎだろ!!
「いや、実はな、かくかくしかじか前にもマリーが攫われたことがあってな…」
「これ初めてじゃないの!?」
「そりゃ、最初はビックリしましたけどね………
流石に3回目にもなると慣れが出てきまして……」
「マリーさん、不運体質なのかなっ!?」
なんだよ3回目って!?あの人すげぇな!眼鏡かけてる小学生探偵でも付いてきてるんじゃねぇの!?
「ま、まぁ、それでですね。そろそろ慌て始める時間でしてね…」
「なにそのゲームの仕様みたいなやつ。すごいメタいんだけど」
「「………………………」」
「────────やっべぇ!!!!マリー、攫われてるじゃねぇかぁぁぁ!!!??」
「お前、一回脳外科行ってこいよぉぉ!!!」
「ねぇ、どうしよう、マリー攫われてるよ?ねぇ、このままじゃ何も出来ないよぉぉ」
「何なのお前!?なんでそんなにキャラ変わるの!?離せっ!やだっ、ちょ、アグ、アグネェゼェ!!助けてくれぇ!」
「……いや、実は以前、僕もそれをやられたことがあって………1時間33分38.56秒の間ずっとそのままだったのを今でもはっきりと覚えているんだよ…」
「お前のカウントにも狂気じみたものを感じるんだが!?」
「とにかく、だから助けには行かない」
「この街って、普通の人は誰もいないのかよお!!」
シリアスって言葉お前ら知ってる!?
普通に考えたら、この状況はシリアスパート突入だよねぇ!?
なんで、この世界にはテンプレが通用しねぇんだよクソがァ!!
「早く離せや、この変態クソギルマスがぁぁ!!!」
……………1時間34分59.35秒。
俺はこの数字を一生忘れない。そして、次の被害者にこの事実を伝えるのさ……




