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竜騎士様のお通りだ!  作者: 闇砂糖
グレン王国編
20/41

20.ちゃんと話そう!?

「なるほどな……」


フォードの説明によると、現在、人間側と魔族側の間で争いが起きているとのことだ。


少し前までは戦闘回数がめっきり減り膠着状態だったらしいのだが、最近になって魔族の活動が盛んになり始めており、また以前のような状態に戻ることが懸念されているようだ。グレン王国の治安が悪くなっているというのもこれを聞けば頷ける。


偵察部隊からの情報によると、魔族を治めていた魔王、ディアボロスの死により魔族側に混乱が起きており、それに便乗した継戦派の魔族達が攻撃を仕掛けていること。また、魔族幹部達により"リバイブジュエル"が探し始められている為、相手にリバイブジュエルが渡らないように、こちらも探索を始めているらしい。


尚、リバイブジュエルというのは、所謂「生き返らせるアイテム」のようなものらしい。世界に一つのみ存在する超希少アイテムで、誰か1人だけではあるものの、その対象が例えどんな状態であったとしても効果は発揮されるらしい。

一度使用すると、ジュエルの持っている輝きが失われ、またジュエルも砕け散り、そして100年後に世界のどこかに現れるらしい。


ディアボロスというのは、魔族達をおよそ100年の間治めた魔王であるらしい。圧倒的な戦闘力と、そして最強の魔法「存在消去」を操り、民衆達の支持を集めまとめあげたという。

長い間人間と魔族で戦争が続いていたのだが、ディアボロスが魔族達を治めていたとされるその100年間、戦闘が殆ど起こらなかった為温厚な性格なのでは?と一部の者達が言っているそうだ。


それでも、そのディアボロスの生き返りを阻止するために人間側が動いているところを見ると、その意見は少数派であろうということが伺える。


糞天使は、力で支配したと言っていたが、果たしてどちらが本当なのかは、分からない。だってあいつくそだったし。


「………分かるか?坊主。冒険者の目的ってのは、時代によって様々だが、今の時代だとこの"リバイブジュエル"を探し出すこと、そして魔族との戦争にピリオドを打つことが最優先事項になっているのさ」


そして、コーヒーを1口含んだ後に、


「まぁ人によっても様々だから強制はしねーけどな。はっはっは!」


と続けた。


話を聞いているうちにいつの間にか俺の膝の上にちょこんと座っていたマシューをそっと抱きしめながら、俺は話を聞いた感想を口に出したのだった。




「なんで一番大事な部分が抜けてるんだよぉ!!」


「………え?」


フォードは俺の言っていることがわからずキョトンとしている。


「まぁまぁためになりましたよ?確かに俺はこの世界のこと知らなかったし、冒険者になるって言ったって何すればいいのかわからなかったし?それは助かったぜ?でもな、俺の一番聞きたいことが聞けてないんだよ……」


俺はコーヒーを一気に飲み干して言い放った!


「結局アンタの使った魔法は何だったんだよっ!!」

「……説明したろ?」

「『禁断魔法さ、はっはっは!』みたいな事しか言われてねぇよ多分っ!」

「そ、そうだったか?はっはっは!」


あれで全部説明した気でいたのかあんたっ!?


「いいから教えろよおっさん!そこが気になって気になって……」

「そうか、そんなに気になるのか。なら仕方ない。少しだけ教えてやろう」

「よっしゃ!一体どんな魔法なんだ?」


フォードは、一度大きく息を吸った後に真剣な顔で俺に話した。


「俺の魔法、存在幻影はな………坊主……」

「ご、ごくん……」



「幻を作れるんだ……」



「あぁ、なるほどな…」

「…………………」

「………………………それで?」

「え?いや、終わりだけど?」

「あ、あーはい。ありがとうございましたー」

「ありがとうございましたー」

「ってなるかいっ!!!」


思わず突っ込んでしまった。


「ど、どうした坊主。今説明しただろう?」

「今の説明の情報量よりも名前からの情報量の方が多い件についてっ!?」

「落ち着け、大体他人の魔法について詳しく知るのは良くないことだぞ」


フォードはまたコーヒーに口を付けて話す。

ていうか、まだコーヒー残ってんのかよ。飲むの遅いじゃねぇか、体の大きさの割に。


「本来、自分の使えない魔法の知識というのは知りすぎてはいけないんだ」

「え?なんで?」

「そうだな、理由はな、えーっとね、ちょっと待って今考える」

「今考えるって言わなかったか!?」

「他人の魔法について知った時、同じような魔法を自分が使おうとした時にその他人の魔法が頭に浮かんでしまったせいで上手く使えず、命を落とす例もあるんだ!」

「本当は?」

「話すのがめんどくさい」

「今すぐ話せクソジジィ!!」

「はっはっは!」


この後、俺は「おとなげないでちょ!」と、マシューに怒られてしまった。

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