16.テンプレ?
前回までのあらすじ
俺こと神木 空はギルドを訪れた。
そして、テンプレ街道を突っ走った!
以上です……
「おい、てめぇ。この俺様に喧嘩を売るってことがどういう事か分かってやってるのか?あぁん?」
「だーかーらー!なんで謝ってんのに喧嘩を売ってることになってるんだって言ってんだよこの脳筋野郎っ!」
「「「それが喧嘩売ってるとしか思えないだろうがっ!」」」
「正論ですねはい!」
綺麗に声をハモらせて俺に突っ込んでくる仲良しテンプレ冒険者トリオ。
こういうのって、主人公が簡単にボコしちゃって周りから注目集めるやつだよな。
……主人公。ぐへへ……
「悪い気しねぇなおい!」
いきなり叫んだ俺に対して、何言ってんだこいつ?みたいな目を向けるトリオ。
ごめん、いきなり叫んだのは謝るからそんな「なにこいつ?イタい子?」みたいな目で見つめないで。
「何言ってんだこいつ?ちょっと外でろコラ」
え?ちょ、おま、待てっておい、ちゃっかり心の声を漏らしながら外に連れてかないで!
てか力強くね?抵抗しても効果ないんだけど。
何なのお前?ゴーストタイプなの?俺の格闘が効果が無いようだなの?
そんな俺からの心の突っ込みをよそに、周りからはすごく縁起の悪い話が飛んでくる。
「おい、あいつら赤い三連星じゃないか?」
「嘘だろ?あのギルド破りで有名な?」
「もしかしたら、生でジェット・スクリーム・
アタックを、見れるかもしれないぞ!」
「あの普通より三倍早い技か!」
なんだそれは。なんでそんな入り乱れてんだよ。赤いのが好きな人とオッサン×3が混ざってるよ?だいたい技もなんだよスクリームって。そこは素直にスト○ームでいいだろうが。スプラッタなのか?そんなに威力高いのか?だったらなかなか上手いこと言ってるじゃねえか悔しいな!どうせここで何言ったってモザイク入るんだろうけどさ!突っ込ませてくれよおい!
「こいつら全部が半端じゃねえか……」
「んだとこら?誰が半端だ?」
「うるせえ!モブ!てめぇは大気圏で燃え尽きやがれ!」
「減速できません!……じゃねぇんだよなめてんのかクソがっ!」
「なんでそのネタ通じるんだよ!」
意外と世代の方かもしれない。何の世代とか言わないけどな。
と、突然真ん中になっていたリーダー格の男が腕をグルグル回しながら近付いてきた。
「もうこのままじゃ埒が開かねぇ。おい、ガキそこに立て。これから俺とタイマンだ。負けたら身ぐるみ俺によこせ。それじゃいくぞっ!」
「えっ、ちょおまっ!?」
なんか勝手に話して勝手に殴ってきたよこの人!?あぶねぇまじあぶねぇ。お前どこのRPGのイベントキャラだよ!
「なにが『それじゃいくぞっ!』だよ!それじゃってなんだよこらぁ!!」
「ぐだぐだ言ってんじゃねえ!」
「クワラバっ!」
思わずツッコミをいれてしまったせいで腹に1発痛いのを食らった。
「………いってぇ、地味にいてぇ」
「それもう1発っ!」
「うぐっ!」
「そしてオマケだァ!」
「ぐぁぁ!」
俺は地面に倒れ込む。いやまぁ、正直ゴブリンのやつより痛くないんだけど、それ言ったら殺されそうだから何も言わないことにした。まぁあの時は地面が土だったけど今回は石だから、その分のダメージはあるかも。
………あれ?フラグは?
初めてのギルドで喧嘩ふっかけてくる奴らって雑魚じゃないの?ねぇ。普通に強いよ?やっぱり主人公は強いから勝てるのかな?俺はどうせモブだよちきしょう!
「ふふふ、やっぱり雑魚じゃねえか。この俺様に喧嘩売ったことを後悔するんだな……さて、こいつの身ぐるみ剥がしてとっととずらかるぞてめぇら」
「わかったでやんす!」
「すたこらさっさい」
キャラ決めろや、とは突っ込む気力がなく、剥がされていく俺。
赤い三連星ことおっさんズを舐めていた俺が悪かったのだがな。
だが、俺はこの世界に来て、少ししか経っていないホントの新米冒険者。大したものなど持っているはずもなく、
「あれ?こいつ金目のモン持ってませんぜ?」
「ほんとだ。ホントに新人かよ!はっはっは!!」
装備剥かれた状態で笑われていた。
まぁパンツ一丁みたいなもんだからな。そりゃおかしな格好はしているでしょうね。
で、その変態お兄さんのところに駆けてくる女の子が約1人……
「おにいちゃん!?」
「え?」
「だいじょうぶ?すごくけがしてりゅの!」
「え、ああ。問題ないぞマシュー………余計な心配かけて悪かったな」
その女の子は勿論マシューだった。俺が拉致られた時はマリーさんと話していたから安心していたのだが騒ぎを聞きつけてしまったらしい。
マシューが本当に心配している表情でこちらを見下ろす。その気持ちはすごく嬉しい。
その、顔だけで「だいじょーぶ?」って言っていることが分かる顔ね、すごい可愛いです……
「なんだ?このガキは?」
「……え?」
マシューの困惑した声だけが俺の頭に響く。




