過去の自作品を振り返ってみて
ジャンル分けの再編成によって、自分の過去作品を読み返すことになったので、その所感をひとつ。
私は小説のほかに、詩を細々と、ごくたまに童話を書いているのですが、大ジャンルが「その他」になって、ちょっと寂しい思いをしています。
ほかのジャンルは大ジャンルにちゃんと名前がついているのに、詩も童話も「その他」に。
自分がいかに「小説家になろう」のメインジャンルじゃないかということが分かって、ちょっとヤサグレてしまったのは秘密です。
でも、それはそれで良いこともあって、詩も童話も、ほかの人があまり投稿しないジャンルということになるので、ジャンル別日間ランキングには載りやすいです。
感覚としては、一日に二人くらいのありがたい評価者さまがおられ、ふつうの点数(3点以上)を付けてくださったら、一気に順位に浮上します。
そう、評価が12点もあれば、ジャンル別日間ランキングという、人の目に付くところに出られるのです。
このジャンル再編成で、ランキングも、これからどうなっていくかは分かりませんが……。
まぁ、自分が楽しくて小説を書いている場合はアクセス数やランキングなんて知ったこっちゃないんですけど……。
されど、気になるのは人のサガ。
私も最初のころは、好き勝手にエッセイや詩や小説を乱造していましたが、アクセス数やら、点数やらお気に入りなどが増えていくと、なんでしょう、作品に対する礼儀みたいなものが嫌でも出てきました。
私の小説を読んで下さり、また、ずっとお付き合いしてくださっている読者の方に、自分ができるかぎりの、最高の小説を作りたくなってくるんです。
そうすると、シニカルなものよりもほのぼのとしたものを書きたいと思うように。
小説を書いたあとに、執筆中小説に置いて、頭を冷やしてから作品のチェックを丹念にするようになりました。そのため、短編小説や詩を書くと、自分の方向性というか、カラーのようなものが出てくるようになりました。
シニカルなストーリーも書いていて楽しかったのですが、やはりそれは、自己満足だったなぁと、過去作品を見ていて思います。
転機になったのは、ここで流行っている、異世界食べ物モノに挑戦してみたときでした。
この「小説家になろう」では、トップページの最上部に「短編」が表示され、投稿後、順次、最新作品の表示でトップから消えるまでにだいたい1時間くらいかかります。
私の今までの作品で、トップにある間に読んでくださる人数は、30~50人くらいでした。
それが、少ないか多いかは分かりません。ランキングに載るような、異世界転生/転移ものの有名な小説に比べたら、ほんとに微々たるものですが、名もない身としては、それでもかなり多く感じました。
ほかの小さな小説投稿サイトも利用していた身としては、この「小説家になろう」を利用する読者の方が、いかに多いかが分かりました。
「異世界ものが流行っているのかぁ」と学習した私は、軽いノリで、ひとつ、自分も異世界ものを書いてみようかという気楽な気持ちになり「たい焼きで異世界の国を救っちゃいました」を作りました。
連載小説は、更新してもトップページで表示されるところが下のほうであり、かつ、連載小説を書く人が多数更新するため、小説の更新をしても、5分ほどでトップページから流れてしまいます。
その中でアクセスしてくださる方は、偶然その時に居合わせた人ということになり、本当に貴重な読者さまです。
ブックマークやお気に入りユーザーからたどって来てくださる方もいらっしゃるので「活動報告」も地道に影響があると思いますが、あんまり活動報告をたくさんしてしまうと、お気に入りユーザーにしてくださっている方の、お気に入りユーザー活動報告のところを自分だけの情報で占領してしまうことになるのであまり乱発はできません。私は、本当にお知らせしたい小説しか、活動報告はしないようにしています。月に一度か二度書ければいいくらいです。
話を、戻しましょう。
私が書いたその異世界ものの小説は、いわゆる「完結ブースト」というものがかかりました。
完結させた小説は、トップページの真ん中に表示され、かつ、完結した作品しか載らないので、かなりの長い間トップページに作品が載ります。
そうすると読者数が跳ね上がることを、この作品で実感することになりました。
異世界ものが、なぜそんなに人気なのか。それは、現実世界に疲れてしまった人が娯楽を求めて、ストレスフリーな内容を好む傾向があるからだと推測します。
私にとっての初めての異世界もの小説は、こうして「多くのひとに読んでもらえる喜び」というものを私に教えてくれました。
ただ、困ったことも出てきました。
小説を書くときに、自分が書く喜びよりも、書いたあとのアクセス数や評価ポイントが気になってしまうのです。
最初は、誰にも読んでもらえなくても、自分が書きたいものを書くことに重点がありました。
そのため、どんな小説でも書けました。
今は、自分が面白く、かつ読者の方にも面白いと思ってもらえる小説とは何なのかを考えて書く自分がいます。
その思いが強くなり、私は実生活で、身の回りにいる友人・知人にも作品を読んでもらうようになりました。
しかし、身内だとあまりに気ごころが知れすぎていて、辛辣すぎる意見をされて凹んでしまうこともあります。
この「小説家になろう」で感想や活動報告で知り合った、同じ物書きとしての共通点がある方々のほうが、よほど優しいです。
長くなりました。
ここ「小説家になろう」のジャンル再編成によって、過去の自分の作品を振り返り、今後の指針を出すきっかけができたことに、感謝致します。