鶏口牛後はやっぱりよくないと思う。
おはよう。
すがすがしい朝・・・などと、そうそう上手くは行かないか。
最近は雨の日が多いね。とうとう梅雨入りか・・・。
雨が降ると、気分が晴れない、という人もいるけど、私はどちらかというと雨の日は結構好きだったりする。
昼間晴れているときほど明るくはならないけど不思議と灰色でも明るい。
それが好きなのかもしれない。
当たり前だけど、雨の日に飛行機に乗ると、雲の上は晴れあがっているから中々不思議な気分だよ。
それじゃあ授業を始めようか。
前回、大学の利用法を伝えたところ、レスポンスペーパーに私の知らない利用法を載せてくれた人がいてね、非常に嬉しかった。
なんでも、食堂付近のコピー機は裏面が宣伝になっているから、利用代が無料だとか、大学内の環境サークルに空き缶や空き瓶を持っていくと、㎏単位で現金になるとか、文系学部講義棟では落し物の保管期限が一年を過ぎると、中身を必要な人が持って行っても良いってことになるんだとか。
まだまだ意外な利用法があると思うので、探し出して賢く大学を利用すると良い。
今日は、不本意入学者が陥りやすい考えについて講義を行いたいと思う。
君たちは、自分で「不本意入学者」だと分かってこの大学に入学してきたか、大学に入学してから「不本意だ」と気付いたかのどちらかだと思う。・・・勿論、単位修得のためにこの授業を取っている人も居れば、この授業を何となく受講してみて「不本意入学者」だと気が付いた、って人もいるかもしれないね。
最初から「不本意入学者」だと分かってきた場合、不本意の理由ははっきりしているはずだ。
本人の許可を取って話をしているが、以前、私のゼミに居た学生に、前期試験で別の大学に不合格になり、この大学に来た人がいた。
授業には真面目に出るし、成績評価も申し分ないものだった。
だが、その人は「大学が面白くない」のだと言った。
所謂「不本意入学者」だ。
志望していた学部学科は同じであったが、志望していた大学に不合格になったという「大学不本意」のパターンだ。
その人は、途中で編入試験を受けて志望していた大学の志望していた学部に編入していった。
その人が言うには、「大学の授業が簡単すぎる」のだそうだ。
自分が当初志望していた大学ならば、語学にしろ何にしろ、簡単すぎる課題や単位修得条件を出さないのではないか、と考えていたらしい。
それ故に、この学校内で優秀学生として表彰された時も、あまり嬉しそうでなかったのだそうだ、のちにその人の友人から聞いた話によると。
成績が足りずにこの大学に来ることになった諸君。そしてそれを不本意に思っている諸君。
「不本意」を語るだけの実力があるのかを考えてみた方が良い。高校までと比べると「実力」が見えにくくなっているかもしれないが・・・・・・いや、高校までも、「実力」が何か、など誰にもわかりやしないが。
大学が不本意である、学部が不本意である、環境が不本意であるという場合には。
まずは、その集団の中で頂点に立つぐらいの実力をつけることをお勧めする。但し、「その集団」で満足してはいけない。
もしも、成績が足りずに志望していた大学に不合格になっていた場合、実力がなければ再び返り討ちにあうこともあるし、大学内の成績を評価する大学・学部もある。仮面浪人する予定ならば尚更だ。
実力もないのに何かを語ることは出来ない。中途半端な実力では何かを変えるには足りない。
「鶏口牛後」という故事成語がある。
「寧ろ鶏口と為るも、牛後と為る勿れ」という文がもとにある。
しかし、それは正しくないのではないかと思う。
鶏口であることで天狗になり、井の中の蛙になり、驕りを招くことになりかねない。
牛後であることで、気後れし、強大なるものの影に怯え、実力を発揮する機会に恵まれないということになりかねない。
最善は「牛口」だと私は考えている。
君たちが何をどう目指して不本意から脱却するか、勉強するかはそれぞれの自由だが、勿論、大学に入ってからどう過ごすかだって君たちの自由だが、「鶏口牛後」は避けた方が良いと私は考える。
この授業で七回目になる。
・・・そろそろ折り返し地点といったところだ。
という訳で、課題を発表する。
最初の授業から今日の授業までの中から、自分の不本意入学のパターンを割り出し、「不本意」を打破するための方法を述べることと、今日の「鶏口牛後」について自分で考えたことをまとめ、論じること。手書きは不可で、パソコンを使うこと。
A4用紙1枚~2枚程度で「不本意入学打破計画」を、A4用紙2枚~3枚程度で「鶏口牛後」について書いてきてほしい。
提出は紙媒体でも、メール添付でも構わない。
提出期限は、3週間後だ。
君の計画と、考えを楽しみにしている。
今日の授業はここまで。
前に課題について書かれたプリントがあるので、学年、学部・学科、名前、学籍番号、今日の日付と共に感想や疑問点などをレスポンスペーパーに書いたら、提出したついでに持って帰ること。