大学が不本意な場所であることは、君が勉強をしないことの言い訳にはなり得ない。
みんな、おはよう。
先週は休講になってしまって申し訳ない。
その分しっかりと補講はする予定だから安心して欲しい。
・・・・・・補講なんか出たくないし面倒だって?
少なくとも、このセメスターが終わる頃にはそんな考えが浮かばないようになっているだろう。
先々週の授業のレスポンスペーパーを見て、君たちもいろいろ考えているということは分かった。
元々そんな方法は知っているという人は既に情報を集め始めていたという点が素晴らしいと思うし、この授業で初めて知ったという人も、焦ることなく自分に合った方法を見極めていけばいいと思う。
・・・そろそろ時間だし、始めようか。
先々週、いずれにせよ勉強は避けては通れないという話をした。
そんな訳で、最初の15分で、高校生までで身につけておくべき事柄についての簡単なテストをやってみようと思う。
今からプリントを配るので、手元に届いた人から順に始めていって欲しい。
・・・・・・どうだろうか。
一応この授業は一年生向けに開講しているから、一年生が多く、必然的に受験を数か月前に終えた人が殆どを占めることになる。
数学と英語をメインに漢字や化学式、遺伝子から世界史など色々な科目の問題を取り混ぜてみた。
高校で習った習っていないの違いはあれど、まあ力試し的なものなので細かい点はご容赦願いたい。
ただ、多くの場合、自分が受験生だったころ程は解けない、というのが現状であると思う。
別の授業で同じ問題を出したところ、殆どの学生が苦労していた。
不本意入学からの脱却を目指す君たちに勉強が如何に重要であるか、学んだことも忘れてしまうことがある、ということを端的に示すことになればいいと思う。
・・・特に「仮面浪人」を脱却の手段として選んだ人は要注意だ。・・・何せもう一度入学試験を受けるのだから。
勿論、今後このような問題が問われるとは必ずしも限らない。
きっと検索エンジンで調べればすぐに出てくる答えばかりだろう。
だが。
その知識が必要とされる場合にいつでも検索エンジンが使えるとは限らないし、流石に高校卒業程度の問題が解けないと、今後不本意入学からの脱却を目指すうえでも支障が出ると思う。
よく、「日本の大学生は勉強をしない」といわれる。
確かに、私が海外の大学で見た学生に比べると殆ど勉強していない場合が多い。・・・・・・勿論、個人差はあるだろうが。
・・・もし、もしもだ。
この授業を取ってみたものの、大学が不本意な場所であることに変わりはないし、学問をしたい訳でもない。それ故に学ばない。といった現状にある学生がいるとしたら。
大学が不本意であることは君が勉強をしなくてもいいということにはならない。
その学問が不本意であるなしにかかわらず、いずれ勉強が役立つ時が来る。
不本意からの脱却を目指す上では眼前の「不本意」に真っ向から挑む必要があるときもある。
この三点を伝えたいと思う。
不本意を何とかして打破したいならば。不本意である現状に不平不満を言うよりは、少しでも何かを学び取ろうとした方が賢明なのではないかと私は思うが。
不本意であることに、学問に対して怠惰であることが理由となることは一切ない。
・・・今日は朝から手厳しいことを言ったが、年老いてから、若い時にもっと勉強をしておけばよかったと嘆いても時すでに遅しであるということを覚えておいてほしい。
次から、「不本意」から脱却するために如何に「不本意」を利用するかを伝えていきたいと思う。
今からレスポンスペーパーを配るので、学籍番号、氏名、学部・学科・学年と、今日の感想・意見・疑問等を書きおわったら、一番前の机に提出すること。
・・・あと、さっきのちょっとした問題の答えを前に置いておくので、必要な人は取るように。