赤と青、どちらが優れているか?
おはよう。 最近はとてつもない暑さだね。
この大学に来るまでに坂を登ってくるんだけど、坂の傾斜がきつくて汗が止まらないよ。
くれぐれも熱中症には気を付けるように。
一応この講義室の冷房は28℃に設定しているけど、暑かったり、寒かったりしたら遠慮なく言って欲しい。
今日を入れて、私の授業は残り二回。8月11日の補講日には、「指示待ち」についてのグループワークを含めたスペシャルゲストによる授業を展開しようかと思っている。
最後の二回は、私の「不本意に対する考え」をメインに語りたい。
半期を通じて、自分たちの「不本意」に文字通り反旗を翻す方法、及び叱咤激励、考え方を滔々と語ってきた。
皆からのコメントも様々で、課題の内容もなかなかに面白かった。
本当に、自分が学生だった頃に君たちのような人が周りに居たら、と何度思っただろうか。
まあ、ちゃんとした話は来週に回すとして。
急な話で、更に突然の質問で申し訳ないが、君たちは赤色と青色、どちらかと言えばどっちが好き?
それぞれ手を挙げてくれると嬉しいのだが・・・
赤色が好きな人・・・・・・は、まあ、大体半分より少し少ないくらいか。
青色が好きな人・・・・・・は、半分ほどかそれより少し多いくらいかな。
うん、ありがとう。
じゃあ、次の質問。
赤色と青色、どちらが優れていると思う?
・・・・・・・・・・・・これは流石に手が挙がらないな。
「好み」はつけられても、「優劣」はつけられない。
色はそう言うものなんだろう。
或いは、観点によって優劣・・・正確には「適不適」はつけられるか、な。
ただそれも個人的なものだ。あるモノの色を付ける際に、Aは青色が似合うと思うかもしれないし、Bは赤色が似合うと思うかもしれない。
色彩でも人間でも結末でも、優劣はなかなか決められないものだ。明確な数値が、しかも適正に産出されたものが、存在しない限り。
・・・・・・何の話をしたいか、というと。
「不本意」と「大学」「学部」などの「不本意の理由」についての話がしたい。
「数学」よりも「語学」が好きだ。
「歴史」よりも「経済」が好きだ。
それは言えるだろう。
また、
「物理」よりも「化学」が向いている。
「農学」よりも「法律」が向いている。
個人で言う分には申し分ない。それは個人の自由だ。
だが。
「数学」よりも「文化人類学」が優れている。
「文学」よりも「医学」が優れている。
こういったことは言えないのではないか、と私は考えている。
学問に優劣をつけることは、得てして不可能だ。
勿論、大学にも。
「不本意」を感じているのは君だけかもしれず、また、その苦悩は君だけのものかもしれない。
私はそれを責める気持ちは無い。「君だけ」の苦悩でも、何の問題もない。
「自分だけ」の不本意だって何の問題もない。
問題なのは。「不本意」の理由に優劣を持ち出すことである。
君が「不本意」を感じることにとやかく言うつもりはないし、私には言う権利は無いと思っている。
だが、それと同時に、「君」には、「不本意」に優劣をつけることは出来ないし、ましてや学問に優劣をつけるのはもってのほかだ。せいぜい、「これは私には合わない」と言ったかんじだろう。
君が「不本意」に思うことを私も、他の誰でも、止めることは出来ない。
ただ、「君」は不本意にかまけて、「優劣」をつけてはいけない。
赤と青、どちらが優れているかが決められないのと一緒で、「君」が決められる、増してや決めて良いものではない。
その点を踏まえて、これからも勉学と上手く付き合っていって欲しい。
今回も学籍番号や学年、名前、学科などを書いたら、コメントや疑問なども書いて、前に提出するように。
今日の授業はここまで。