初心を忘れるな。
おはよう。
もう梅雨が明けたのかもしれないね。最近はかなり天気のいい日が続いている。
最高気温が30度を超える日もザラにあるので、体調管理に気を付けるように。
この講義も今回で12回目。残すところ補講を入れて後3回となった。
そろそろこの講義が始まったばかりの頃を振り返ってみても良い頃なんじゃないかと思ったんだ。
それでは、授業を始めようか。
前回は「傭兵的」「ゲリラ的」「草の根的」生き方を提案した。
私はこういった視点は重要なものであると考えている。何せ、傭兵もゲリラも草も生きていく上で、生き残っていく上で、決死の知恵を振り絞っているのである。
過去の傭兵やゲリラの伝記を読むのも勉強になるかもしれない。ちなみに、私のお勧めは『ホークウッド』というマンガだ。
さて。今日の授業では「初心」を扱ってみたいと思う。
君たちが「不本意」から脱却するために、色々と始めてから、数か月は経っていると思う。・・・もしかしたら、かなり前から「不本意脱却」を掲げて動いている人もいるかもしれない。
この辺りで君たちに自問自答して欲しいことがある。
「何のために不本意からの脱却を望んでいるのか?」ということである。
君たちは何がしかの「不本意」を感じてこの講義を受講しようと今年の4月に思い立ったはずである。
大学に対する「不本意」、学部・学科・専攻に対する「不本意」、環境に対する「不本意」、その他諸々の「不本意」・・・
何を原因として「不本意」と感じ、何を思って「不本意」からの脱却を敢行しようとしているのか?
何のために脱却するのか?目的は何か?
「不本意」から脱却することで得たいものは何か?
「不本意からの脱却」ばかりに気を取られ、本来の目的を見失ってはいまいか?真の目標が霞んでしまってはいないか?
人によっては、より良い学習環境を求めて「不本意」な大学から脱却しようとしているかもしれない。
自分の望む職業に就くために「不本意」な学部から移ろうと考えているかもしれない。
より高度な研究を行うために「不本意」な現状から脱却しようと思っているのかもしれない。
自分にとっての「初心」、「スタートポイント」を度々明確にして、目的がブレていないか、或いは目的に対して有効な手段がズレていないか、或いは自分の学習や進歩によって目的が変化しているにも拘らず変化した目的に対して非有効な手段を取っていないか、をその都度点検・確認した方がいい。
そうでないと、自分が思い描いていた地図とは異なる方向に進んでいる場合もあるし、遠回りをしている場合もある。・・・その別方向や遠回りが人生において役立つ、ということもしばしばあるが、確認を行わなかったために痛い目に遭う、ということもままあるのである。
「初心者」という言葉がある。「素人」という言葉がある。どちらもその道に於いてはまだまだ不慣れで、覚束ない。
だがしかし、同時に「ビギナーズラック」という言葉もあるし、「初心忘るべからず」という格言もある。
初心者のように初めの気持ちを忘れず、着実にその道を歩んでいく能力と持久力が要求される、ということである。
今日の授業はここまで。レスポンスペーパーを配るので、学籍番号、学年、氏名、学部、学科、専攻と共に疑問点や感想などを書いて、前に提出するように。
以前にも述べたが、補講日は8月11日月曜日のこの時間だ。スペシャルゲストによる講義を行うつもりなので、興味のある人は参加するように。