俺は一般人ではない
アニメを見たりして毎日を過ごしている高校生―――そんな俺には一つだけ公にはすることのできない秘密があった。
それは―――俺が実は、『超能力者』と呼ばれるような超能力の持ち主だということだ。
超能力者ってなんだか分かるやつはこの世界にはあまりいないと思う。なぜなら、超能力という物は生まれた時に持っているかどうか決まるのだが、もの凄く少数の人間しか手に入れていない。さらにそれは、公にされていない。なので、この世界に住んでいる一般人は、まさか超能力者と呼ばれる非科学的な人間がいることは生涯知ることは無いだろう。
俺が自分の能力にきづいたのは、かなり昔の事だ。幼いころから父親のパソコンを使って遊んでいた俺はある日凄い事を発見した。それは―――
『キーボードに武器の名前を入力するとその武器が具現化する』ということだった。
発見した原因は確か、お父さんから水鉄砲をもらって、かなりはしゃいで、遊んだあげくに、もっとよく飛ばす方法を知りたいと思ってインターネットで調べようとしたことが始まりだったと思う。
まだそこまで大きくなかった俺だが、それでもインターネットはいろいろなことが調べられる場所と知っていたので、キーボードに書いてある文字を見ながらゆっくりと『みずでっぽう』という文字を探し、一文字ずつゆっくりと打った覚えがある。すごくわくわくしながら。
打ち込んでみたら、なぜかすぐ近くの空間が一瞬光って凄くごっつい水鉄砲が出てきた覚えがある。なんか変な機械みたいのがたくさん付いてて、しかもけっこう重かった。
俺はかなりよく意味が分からなかった。頭に?マークを大量に出しながらも、水が入っていたのでとりあえず発射したような気がする。窓がきれいな高い音を鳴らしながら割れていったのは今でもいい思い出として残っている。
もちろんすぐに親が来て、そのごっつい水鉄砲を見てなんかすごく問われたけれど、俺もよくわからなかったのでとにかくPCで調べようとしたとしか言えなかった。
そしてもちろん、俺も自分の能力に気付いたときはとても喜んだ。俺は超能力者だ、って。しかし大人になるにつれて、自分が恐ろしくなっていった。殺傷能力のある武器を簡単に創ってしまう自分が。いつか大きな事件を起こしてしまうのではないか。そう考えると凄く自分の超能力が恐ろしくなった。
そして中学校を卒業して、高校に入学した時に心に決めた。
この能力は俺が認めた美少女を守るためだけに使おう、と―――