ネーム[現代科学における魔術および魔法とは]一話 俺はただの一般人
「あ~もうまた死んだー!!」
何だよこのゲーム!死にゲーだからっていくらなんでも死に過ぎじゃないかよ?馬鹿にもほどがあるだろうに。
{また同じところで引っかかってるw}
{そこでジャンプすればいいんだよーww}
「わかってんだよぉー!!だったらやってみろぉー!」
そんなこんなで数十分。配信画面を停止する。
「次は明後日に配信とかかなぁ。」
俺はただのしがないyoutuber。たまに配信したりはするがそこまで視聴者もいないし。だからこそ明日は急遽入ったバイトだ。
「どこらへんにおいたっけ明日使うもの。」
ひどい具合に散らばった部屋をものを掘り出しながら探す。大体の仕事道具が見つかったところで足元になにか硬いのが当たる。
「ん?...何だこれ」
足に当たったものを拾い上げる。なにか少しの装飾が施された時計のようなものだった。
「何かの景品でもらったっけこれ?」
裏にして隅々と見る。腕に巻くところに小さく(人生)と書かれている。
「どのゲームでもらったっけ。まあ別にいらんし壊れてるみたいだし捨てるか。」
ネジを回しても針が全く動かない。そのままゴミ箱へ直行し勢いよく捨てる。
「こんなことしてないで早く準備をしないとか。」
すぐに部屋に戻り準備をして....
んあ。今何時だ。寝ちゃってたか。ゆっくりと起き上がり時計を見る。
「は!?もうこんな時間かよ!!」
やべぇ。早くいかないと仕事に間に合わないって。手当たり次第道具をカバンに詰め込んで家を出る。
別にこの道を好きで選んだわけじゃない。言うなればもっと他の職業には俺はつけたよ。けどさやっぱ面白みがないとだめじゃんか。だからってこの道じゃなくても良かったけどね。まあそんなことは置いといてここの道を曲がった先にバイト先があるんだが。
「なんで交通費とか用意してくんねえんだよ。もうそろそろ出遅れるところだったぞ。まあ俺のせいなんだけど。」
ここらへんは人混みも多いしまあ都会だから交通量も多いんだよ。名前も知らない誰かに迷惑もかけたくないしよぉ。人混みをかき分けながらゆっくりと歩いていく。
突如後ろの方から大きな爆発音が聞こえてきた。周りから悲鳴や怒鳴り声が聞こえてくる。一体何が起こったんだよ。後ろに振り向き逃げていく民衆とは反対方向に歩き出す。別にみんなと同じように逃げたっていいけどたかが爆発音なはずなのにどうしてこんなに人が逃げる。そういうふうな若者にはよくある好奇心が勝ってずっと聞こえてくる悲鳴などをお構い無しに進む。曲がり角を曲がって目に入ったのは道路の真ん中や歩道に燃えている車が複数、その周りに横たわっていたり車から離れているのにもかかわらず血を流して倒れている人たちがいた。
「何が起きて...?」
とにかく救急車を呼ばないと。ポケットに手を入れて前に歩く。その瞬間腹に奇妙な感覚が走る。それを見る前に体が後ろにふっとばされる。最後に見たのはビル街の間から見える巨大な異形の化物だった。
痛い...ゆっくりと腹の方を見る。ポッカリと体に穴が空いていてそこから内蔵が溢れ出ている。血は当然のように流れ出ていく。意識が朦朧とする。なんとか体を動かそうとしてもピクリとも動かない。自分の体が巨大な影に覆われる。なんとか上を向く。そこにはとてつもなく巨大な化け物がいた。体は全身血が固まっているような黒色と赤色で構成され、それを形容する呼び方は悪魔としか言いようがなかった。
「なぜそれほどの傷を負ってまだ生きている?」
目の前にいる化け物が話しかけてくる。そもそも俺にだって知らない。そう言おうとしても口を動かす力すら出せない。
「まあいい、このまま放っておいたとしてもじき死ぬ。教えておいてやろう。貴様らの目の前にいるのは現代へとよみがえった魔物だ!貴様らには関係ないだろうがな!わかっているだろう。今お前らは死ぬ。我に食われて、また体を裂かれ、様々な死因で今から死ぬだろう!それはなぜか!そんな因果はこの世に存在しない!いつだって貴様らは死ぬ可能性に陥っている。それが今なだけだ!死ぬ未来は変わらない。それが今来ただけだ!ただそれだけの話だ!これで茶番は終わりだな」
意味がわからない。それを差し向けたのはお前だろうに。そう軽い文句を言うきにもならない。腹から流れる血と裂かれた内臓の痛みで壮絶な苦痛があるだけ。それでもなお意識が鮮明としているんだ。生き地獄の他ない。考えようとしても何も考えれない。痛みが邪魔をして周りに見えるものすらよく分からない。なぜオレがこんな目にあうんだよ。
「今からここにいる生きている者たち全員を食う。聞こえているだろう?現代の魔術師たちよ。それでもなお見捨てると言うなら、賞賛しよう。生粋の魔術師であり人を捨てているなと。では今から言った言葉通りにするか。」
それを聞かされた瞬間頭のなかに靄がかかる。別に俺は死んだっていいんだよ。それはいい。違うだろう。ほかの奴らは希望に満ち溢れていたんだ。それをこいつがぶっ壊した。それだとしてもあまり自分には関係ないだろう。自分は自分が助かることを考えればいいはずなんだ。それでも、何か嫌だな…
わかっているんだ、今こんなに考えれるのはなぜかって。逃げていたのかもしれない。このまま何もない自分を捨てて。ただほかのやつらは違う。今自分のなかに駆け巡っている何かを感じろ。血とかそういうもんじゃない。たぶんそういうもんだ、俺みたいなニートは使い方は嫌でも考えたり見たりしているだろう。それをつかむだけだ。今こんなバカをしている間にも、ゆっくりとあいつは人に駆け寄っている。悠長だな。たぶん魔術師が来るのを待っているんだろうな。ただその傲慢さがお前の敗因となる。なかに流れている魔力を全身に勢いよく流す。いまさら魔力量とか技術なんざそういうのは求めない。今求めるのはあいつを倒す覚悟だけだ。ゆっくりと体を起こす。腹からさっきよりも勢いよく血が流れ出す。なかの内臓だってぐちゃぐちゃになっている感触がする。そんな苦痛はもうどうだっていい。今オレがやるのはあいつを倒す。
「おい!お前が殺す必要があるのはこっちだろうに!なぜそっちを向いてるんだよバカが!!」
化け物がこっちの方を向いて歩き出す。それに合わせより大きな声を出して挑発をする。
「死ぬ未来は変わらないとカッコつけといて俺すらも殺せないとかアホすぎないかい?!」
声を張り上げる度に体から悲鳴が上がる。だとしても今はこれでなきゃいけない。こっちのほうがテンションが上がる。面白い。別に反応がなくたっていい。こっちに来さえすればいい。突如踏み込んだと思ったら一瞬で目の前まで詰め寄ってきた。
「私の手によって今ここでという意味だ。それすらもわからない貴様のほうがバカだろう!!そのまま逃げていればよかったものを!!」
そうかも知れない。だって現にまた引き裂かれる寸前まで腕が振り下ろされている。でも残念だなって思う。もう身体強化はすんでいる。勢いよく身体にためた魔力を発散し腕をふる。腕と腕がぶつかり強風が吹く。留めれたはいいもののどんどんと腕が下がっていく。明らかにあっちのほうがパワーが上だ。
「たとえ今覚醒したところで未熟!そのようなものではキズ一つすらつけられない!!」
そう言い相手が魔力を込めだす。さらに腕が押し返されていく。さすがにまずいとは思う。それでも勝機はあるんだよ。
「お前がわざわざ魔力を込めたおかげでな!」
未熟でも相手の技を盗むことはできるんだよ。魔力をただ込めるんじゃない。1点に集中させ体と合わせる。ただ流すんじゃない。それをつかめば勝つって言うわけだよなぁ!相手の腕を横に流して相手の顔の高さまで勢いよく飛ぶ。
「やるんだったら一撃で葬り去る!」
[”ダンゼンブロー!!”]
魔力を込めた拳を勢いよく頭に向かって殴る。相手は反応できずに勢いよくふっとばされる。
「ぐぅぅあぁぁぁあ!!!」
ふっとばされて勢いよくビルに突っ込む。その衝撃でビルが倒れていく。ただ確認はしたいつの間にか人がいなくなっていることに。何か誰かさんの陰謀通りだっていい。こいつをぶっ飛ばせればそれで万々歳だ。
「今から倒される準備はできているな!!オレの名前は輝天星羅だ!アニメでよくある名前を言ってか近くを演出させて俺の勝ちは確定させてな!」




