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第1話 和歌解説
小倉百人一首 十七番
在原業平朝臣(在原業平)
ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 から紅に 水くくるとは
不思議なことが当たり前に起こっていた神話の時代でさえ、こんな話は聞いたことがない。竜田川の水を鮮やかな紅色に絞り染めしているとは。
「ちはやぶる」は勢いが激しいこと。「神」にかかる枕詞で、意味はあまり強くない。
「神代」は神話の時代。不思議なことが当たり前のように起こっていたとされている。
「から紅」は鮮やかな紅色。紅葉を表す。
「くくる」は括り染め(絞り染め)のことで、川の水を美しい染物に例えている。「くくる」を潜るとし、紅葉の下を水が潜っていると解釈する場合もあるが、この作品内では前者の解釈を採用している。
作者の在原業平は六歌仙・三十六歌仙の一人。『伊勢物語』の主人公のモデルとしても知られている。




