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第7話 和歌解説
小倉百人一首 五番
猿丸太夫
奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声聞くときぞ 秋は悲しき
山奥で紅葉を踏み分けながら、鳴いている鹿の声を聞いたとき、秋はとりわけ悲しく感じられる。
「紅葉踏み分け」は、主語を詠み手とする説と、鹿とする説が存在する。現在は後者と考えるのが一般的だが、この作品内では前者の解釈を採用している。
「鳴く鹿」は、雌鹿を求めて鳴く雄鹿を表す。遠く離れた恋しい人を想う様子と重ねている。
作者の猿丸太夫は三十六歌仙の一人。ほとんど記録が残っていない伝説的な歌人。




