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目立たず世界最強へ〜モブを装う者には裏の顔がある〜  作者: 冬城レイ
第一章「ここから始まる異世界」

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新メンバーは素質あり

 朝。

 僕は起きた。なんだか騒がしかった。外からではなく、この部屋から。


 目をこすり、部屋を見渡すと……。


「なんじゃこりゃぁ!!」

「あ!ボス!おはよー」

「うんうん。おはよーって。そうじゃなくて……」

「あーこの部屋の状況?」

「そうそう」


 そう、僕の部屋はボロボロになっていた。


「えーとね……。あの子たちがね……」


 ミレイアの奥に目をやると、うずくまってるエルフの少女と、獣人の少女がいた。


「あー」


 なんとなく察しはついた。おそらく、初めての場所で、興奮したのだろう。よくあることじゃないか。全然大丈夫さ。


「まあ、大丈夫でしょ」

「そうですか?ボス」

「まあ、それよりも名前を付けてあげよう」

「あ、それに関してですが……。あの子たちは、名前があるみたいです」

「そうなの?なら、おしえて」

「あ、はい!エルフのほうが、ウェルタで、獣人のほうが、ナイラというらしいです」


 ウェルタとナイラかぁ。いい名前じゃん。


「それで?体調に関して、何か問題点とかはある?」

「全然ないです。ものすごく元気です」

「そっかそっか~」


 よし、話してみよう。


「ねぇ、君たち」

「は、はいです!」

「な、なんですか」

「僕の組織に入ってくれない?」

「別に……いいけど……です」

「わ、私も」


 そんなあっさり入ってくれるものなのか。組織って。


「そっか。ありがと」

「じゃあ、君たちには今日から特訓をしてもらおう。いいね?」

「は、はいです!」

「わかりました」


 この子たちには素質がありそうだ。


 ■


「ウェルタとナイラ。今日から訓練を始めるよ」

「はいです!」

「は、はい」


 うんうん。元気だ。


「二人とも剣は握ったことあるかな?」

「ないです!」

「ありません」


 なるほど。まあいっか。


「じゃあ基礎からね」

「まずはこうして―――」


 夕方。


「今日はここまで」

「ありがとうございますです!」

「ありがとうございました」


 この子達、すごい。今日だけで、もうミレイアと互角に戦えるようになった。これは思った以上。


「じゃあ、ミレイア。僕の部屋に連れて帰っておいて。僕は、やることがあるから」

「わかりましたボス!」


 さてと。買い物しようかな。


 ■


 僕は王都の市場に来ている。周りには大きなお店などが立ち並んでいて、どれも歴史が古そうな感じだ。そこで僕はここに目を付けた。

 おそらくだが、こう言う人がいっぱいる場所は治安が悪い。それは裏路地でも同じ。だから盗み聞きをして、情報を得る。それも一つの手でもある。


 買い物しながら、こっそり聞いてればいい収穫ができそうだ。最近はミレイアに任せっぱなしだったし、たまには自分で情報を集めるのもいいかなと思う。


「おっ!いい玉ネギ見っけ」

「買っていくかい?」


 お店のおばちゃんに話しかけられた。


「はい。この玉ネギがおいしそうなので」

「そうかいそうかい。長ネギもマケといてあげるよ」

「ありがとうございます。おいくらですか?」

「銅貨一枚ね」

「はいどうぞ」


 おばちゃんはにっこり笑った。


「まいど」


 まさか、長ネギをオマケしてくれるのは優しい。感謝~。

 そう思っていると、裏路地から何か話し声が聞こえてくる。本当に小さな声。場所的にこの通りから、三本目の裏路地と言ったところか。


「ボイスアップ」


 この魔法にはよくお世話になる。

 おっ!聞こえてきた。


「おい、聞いたか?」

「なにがだ?」

「ラグナが復活した話」

「ああ。それか。指名手配されてたよな」

「そうだ。まあ復活といっても、倒しきれてなかったっていう可能性もあるけどな」


 ラグナって、僕じゃん。ていうか、ラグナって、誰かと勘違いされてる気がするし……。あと、指名手配されてるって?やばいじゃん。終わってんじゃん。


 どこのラグナかは知らないけど、何かとは勘違いされてる。これはあとでミレイアに調べてもらおう。

 早く帰ろっと。



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