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目立たず世界最強へ〜モブを装う者には裏の顔がある〜  作者: 冬城レイ
第一章「ここから始まる異世界」

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夜の街は綺麗で危険

 今は夜。

 僕は寮がある建物の屋根に立っている。

 そして僕が大好きなブルーメタリックの色をしたロングコートを着ている。


「ボス!」

「ミレイア。どうしたの?」

「これ見て!」


 紙を渡される。


「女児奴隷の輸送の表?」

「そうなの!」

「結構近いじゃん。行こっか」

「うん!」


 一瞬で違うところへ屋根を使って移動。

 王都の一番端っこ出入り口。そこに奴隷を運ぶ業者がいる。そう、紙に書いてあった。


「ボス〜!待ってぇ!」

「?」

「早いよ〜」

「あーごめんごめん」


 少し遅くする。ごめん、ミレイア。


「ミレイア。見えてきたよ」


 この一週間でミレイアの強さがわかった。ミレイアは素早く、気配も消せる、魔法も剣術も得意ということがわかった。そして何より、敵を見ると、昔みたいにオドオドしなくなり、逆に今は、敵を見るたび、ぐちゃぐちゃに敵を殺す様になった。二重人格かなって思うくらいには。


「ひどいです!あんな小さい子をさらうなんて!」

「まあおそらく、僕達とおんなじ年だと思うけど」

「そう?てことは、あの子達も私達の組織に入れる気なの!?」

「まあ、そうだね」

「わかった。ボス!」


 僕らは、屋根から、人の動きを見る。何を話しているのかは聞こえない。


「ボイスアップ」


 だから、この魔法で遠くの会話を聞こえるようにする。ミレイアはいらないだろう、そのモフモフな耳があるから。

 早速聞こえてきた。


「今から、足利(あしかが)に向かうぞ」

「そうだなぁ!いやーこの仕事を受けてよかったわ!足利の飯はうめぇしよ!それと、コイツラ犯しちまおうぜ?たまんねぇんだよ」

「我慢しろ。足利についたら、抱けばいいだろ」

「チッ……。わーったよ」


 なるほどなるほど。圧倒的クズだ。なんだろう、犯す〜とか、抱く〜とか。なんか色々気色悪いもん。死んでもらっていいですかね。

 僕は屋根から飛び降りる。そして、目の前へ。


「だれだ」

「我が名は……」


 どうしよう。考えてなかったなぁ……。


「我が名は、ラグナ。世界最強になる者だ」

「ラグナだと!死んだんじゃないのか!!」


 死んだ?誰かと勘違いしてない?まあ、いっか。もう変えられないし。


「くそ……。ここで終わるわけには……」

「ミレイア。殺れ」

「ボス。了解」


 ミレイアの低い声がよく響いた。


「レッドブレード」


 おお!僕があげた、暗いレッドメタリックの剣を使ってくれてる!!うれしいなぁ〜。


「くそ!おい!相棒!逃げるぞ!」

「そうだな。早く乗れ」

「逃がすわけない」


 ミレイアのすべてがいつもと違う。目つきも、声も、喋り方も、体の使い方まで。すべて、獣人本来の力を出している。おそらく僕には勝てないかもしれないけど、相当最強だとおもう。


「逃げろ!」


 乗り物が動き出す。

 その時、この出入り口から、少し離れた場所に大勢の人間がこちらに向かってくるのが気配察知でわかった。早めに対処しなければ、バレてしまう可能性もありえる。

 もし、戦ったことのある、生徒会長が来たら、バレる可能性がグッとあがる。それは避けたい。


「ミレイア。手短に頼む」

「了解。ボス」


 一気に、ミレイアは一人目の男に向かう。だがさすがハイリスクの仕事をするだけはある。ミレイアの攻撃をナイフ一本でそらしたからだ。


「その程度か?獣人のガキ」

「……」


 ミレイアは二回目の攻撃を始める。次は連続攻撃。


「死ね!死ねぇ!!」

「クソッ!流石にキチィ!」

「うぐっ!!」


 ミレイアは蹴り飛ばされる。


「相棒!変わってくれ!」

「わかった」


 運転していた奴と変わる。

 見ればわかる。あれはミレイアでは勝てないと。


「ミレイア。僕が殺る」

「了解。ボス」


 俺は動いている馬車に乗る。


「次はお前か。ガキ」


 ミレイアは運転席を制圧しに行く。


「我は負けない」

「ふっ……。そうか」


 やばい。この馬車より、大量の人がくるスピードのほうが速い。ここで終わらせないと。


「ブルーブレード」

「ほう?なかなかやれるようだな?ガキ」

「その余裕、すぐに無くしてやろう」


 戦いが始まった。こいつもなかなかやれるようだが、僕には勝てないだろう。


「その程度か!」

「我はまだ本気ではない」


 そして、腕を一本切り落とす。


「くっ!」


 血がボタボタと流れる。


「終わりだ」

「まだだぁ!!」


 体が光り始めた。火薬の匂い。まさか!


「ミレイア!奴隷の二人を持て!この馬車は爆発するぞ!」

「なっ!?わかった!ボス」


 女児二人をミレイアが持ち、馬車を飛び降りる。そしてしばらくし、奥の方で爆発が起きた。やはり、自爆だ。

 その時。


「何をしている!」

「!?」


 油断していた。僕は気配察知を切っていた。


「そ、それはどれ―――。女児たちではないか!まさか、お前ら!輸送人か!名乗れ!」


 一応、逃げるけど、世界最強になるためには、名前を知ってもらう必要がある。名乗ったら逃げよう。


「我が名は、ラグナ。世界最強になる者だ」

「ら……ラグナ!?死んだんじゃないのか!!くそ……。余計に殺すしかない」


 ああ!!絶対やばいやつだった。めっちゃ勘違いされてるし!


「さらばだ」


 女児たちを連れて消える。


「なっ!!消えた……」

「エミリア様!ご報告があります!」

「言ってみろ」

「北方面に、黒の色素の幹部と思われる人の目撃情報がありました!」

「なに!?今すぐ行くぞ!」

「では、ラグナの方の処理は」


 エミリアは少し考え、言う。


「指名手配しろ!捕まえ次第殺す」

「わかりました。絵の方はどうしましょう」

「私が書こう」

「わかりました。お気をつけて」

「ああ」


 ■


 僕は逃げた後、寮へ戻ってきた。


「あーつかれた」

「ボス」

「??」

「この子達はどうします?」

「起きるまで待とう」

「はい!」


 そうして、夜の平和は守られた……?



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