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目立たず世界最強へ〜モブを装う者には裏の顔がある〜  作者: 冬城レイ
第一章「ここから始まる異世界」

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学園での生活はもう慣れた

 学園に入学してから早、一ヶ月。剣術祭まで後一ヶ月となったところで、応募が始まった。もちろん僕も出る。

 今年は何やらルールが変更され、生徒じゃなくても参加できる様になったらしい。僕からしたら、ありがたいことだけど、危ないとは思う。だから僕が勝って、他の人達を守ろう。


 たしか、生徒じゃ無い人は剣術祭当日に応募するんだっけな。

 チャイムが鳴る。

 おっと、今日も実技だっけ。早く行かないと。


 ■


「みんな集まりましたね。では、剣術の実技を始めます。それと、今日は生徒会長が来てくれたので、戦いたい方は挑戦してみてください」

「生徒会長のエミリア・クランフェルだ。このクラスに興味があったため、来た。よろしく頼む」


 うわ……。よりによって少々めんどくさい相手が来てしまったなあ……。まあ、僕はモブトとモブの戦いをしていよっと。


「モブト。一緒にたたか―――」

「クロウ・ヴァルディオス」


 急に生徒会長が攻撃をしてきたが僕は咄嗟に避けた。だがそれが悪い方向になるなんて……。


「只者ではないな」

「あ、僕はあまり剣術は得意ではないのですが……?」

「私にウソが通用するとでも?」

「……んぅ……」


 やっぱりめんどくさい!!


「先生殿。クロウと戦わせてもらいたい」

「指名ですか!?クロウさん!良かったですね!」


 いやいや……。どこが?僕からしたら最悪だよ。


「あ、わかりました……」


 あーあ。目立ってるよ……。今すぐ終わらせたいけど、まあ仕方がないかぁ……。


「では、始めよう」


 エミリアは背中にある大剣を抜く。


「!?」

「何だ?怖いのか?」


 いやそりゃ、怖いだろ……。木刀じゃないのかよ……。


「わかりました」


 魔法で自分の剣を出す。ブルーメタリックの色で、細長い剣。それでも強度は世界最強という、絶対に壊れない剣。


「ほう?なかなかいい剣じゃあ、ないか。やり甲斐がありそうだ」

「やり甲斐……ですか……」

「では、参る」


 一瞬で目の前まで来られた。だが僕はそれを受け流す。僕は演技も上手いから、ギリギリを演出する。そして僕は飛ばされる演技をし、着地。


「なかなかやるではないか」


 手を抜いてるとバレてはいないはず。


「ありがとうございます……。ギリギリですけどね」

「降参するか?」

「もうちょっとだけやりましょう」

「恥をかいても知らないぞ?」

「いえ、逆に好都合なので」


 生徒会長は少し困惑していたが、すぐに余裕のある顔に戻り、構える。


「そうか。まあいい。君が負けたとしても、ここまで戦えた剣士として誇っていい」

「あ、誇る気はないのですが……。ありがとうございます」

「うむ」


 そして、また距離を一瞬で詰めてくる。

 僕も少し真剣にやる。少し気を抜いたら殺されそうだから。


「ほう?先程より力が増したな」


 そこまでわかるのか。さすが生徒会長ってところかな。

 少し、隙が生徒会長にできた。そこに蹴りを入れ、距離を置く。もうそろそろ降参しよう。


「なかなかやるではないか。なら、本気でい―――」

「降参します」

「へ?」


 僕は生徒会長の言葉を遮り、言った。生徒会長はキョトンとした表情だ。


「降参します。もう無理です」

「あ、そ、そうか。そうだな。私もやりすぎた。すまない」

「いえいえ。対戦ありがとうございました」


 そして、タイミングよくチャイムが鳴る。

 この話はすぐに学園内へ広まった。僕はこの学園で影が濃くなってきてしまっている。いやだ。


 ■【エミリア視点】


 私はエミリア・クランフェル。この学園の生徒会長をしている。

 私は先程まで、妹がいるクラスのクロウという、何を考えているのかわからない男と戦った。

 まず、言えることは、あの者は只者ではないということ。クロウと言う男は、国に代々使えるヴァルディオス家の長男ということは知っていた。更に剣の才はないという話まで聞いた事がある。理由は簡単だった。そう、エリナ・ヴァルディオス。クロウ・ヴァルディオスの二歳年下の妹。そのエリナという者が剣の才があったということ。

 でも、それは先程の戦いで無いと見た。

 クロウは今まで、本気を出したことがない、そう私は思った。もしかしたら、あの組織のメンバーなのかもしれない。警戒はしておこう。




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