明の異常
「起きなさーい」
「あ……あと、24時間後に起こして……」
「だめに決まってんだろがいぃ!!」
ビンタされて、起きる。
「おはようございまぁす!!」
「それでよし」
その時、警報がなる。
『スタンピードが発生しました。覚醒者は各々の配置についてください』
「なぜ!?まだ周期ではないはず!!クロウ!!いくわ……」
そこにはクロウはいなかった。
「どこいったあああああ!!」
■
「覚醒者が到着するまであと何分だぁあああ!!」
銃声が鳴り響く。
「コイツラ強いぞッ!!」
「あそこに何かいるぞ!!」
壁の外に、銀髪の少年がいた。
少年は笛を吹く。
甲高い音が、アメリカ全体に鳴り響いた。
■
「うが……」
「001番、どうした!!」
「何でもありません……」
001番・椎名明の調子が悪いように見えた。
特定の人間だけにではなく、誰が見てもそうだった。
「無理はするな」
「いえ……いけます」
「お前がそういうのなら……」
そういい、椎名明は最前線へ向かっていった。
■
「ははははは!!いけ!!化け物たち!!この世界を壊し、再建する!!これは裁き、断罪、神の怒りだ!!」
増えを鳴らすごとに、未確認生物が力を増していく。
「くそッ!!押されてきているぞッ!!」
「もうすぐだ!!ははははは!!もうすぐ、貴様らが絶望する姿を見ることができる!!」
「だれがぁ!!絶望などするものかッ!!ここには、希望を持って戦っている者しかいない!!決して、折れることはない!!」
「そうか!そうかぁああ!!余計に楽しくなってきたなぁああ!!」
狂気じみた笑い声を何度も、何回も。
「待たせたわね」
「覚醒者部隊!!」
「はぁ……はぁ……」
「明が調子悪いから、今回は、後衛に」
「分かった」
指揮する女性は、すぐに明を後衛に回した。
「なるほど、連携ができているようだ」
空から観察するラグナ。
「まだ、手を出すときではない。せっかく面白い展開なのに、僕が終わらせたらもったいないさ」
その後、覚醒者が来たことにより、有利な状況になってきたと思われた矢先、またしても、少年が、笛を鳴らした。
その甲高い音が鳴るたび、明の体調が悪くなっていった。
その時だった。
グシャ、という音が聞こえ、後衛のメンバーが振り返る。
「001番!何をしている!!」
明は、後衛メンバー、一人の腹を腕で、えぐった。
明の片目が変色し、綺麗な緑から、光のない、赤へと変わっていた。明は次々と、後衛を倒す。
「何をしている!!001!!」
「ははははは!!あはははは!!絶望の時間だぁああ!!絶望を味わえ!!」
少年は嗤った。思い通りに事が進んだのだろう。
■【椎名蓮視点】
俺は、研究者。
覚醒者について、研究している。
まあ、それは表向きの話だ……。
五年前……
日本に初めて、未確認生物が確認され、1年後には、日本は崩壊した。
俺は、謎の力に名をつけた、《原力》と。
俺はすぐに被験者を集め、覚醒者を作り出した。
最初は被験者が集まらなかった。だから、妹を使った。
だが、失敗に終わった。妹は原力に耐えれず、脳が爆発し、死んだ。
だが、そこで俺は終わったわけではない。俺は、細胞復元などの装置を使い、復活させた。
それを考えると、妹は、一回死んでいる。
その時。
「大変だ!!俺等の研究所を辞めたアイツが!!」
その言葉で察した。
「アイツ、か。あれを持っているのが厄介だ」
笛。未確認生物を操るとされている。
銀髪の少年はこの世界の住人ではない。どこか遠くの星、あるいは、人体実験により生まれたなにか。
そのどちらかと、考えられる。
■
椎名明はニヤァ、と笑った。
少年は、笛を吹くのをやめた。
「貴様は愚かだ、001番?といったか」
「あ……ぁぁぁ」
「貴様は、命令に抗っていただろう?そのせいで、体がすごく傷んだだろう。まあ、本気で命令すれば、抗う余地もなく、従うことしかできなくなるのだよ」
明の目が、赤くなっていく。
「お前は自分の兄に騙されたんだよ!!お前の緑色の目、元は黒だっただろ?お前は、一回死んでるんだよ!!」
狂気じみた笑いをする。
「お前は、兄の実験の被検体なんだよ。被験者が集まらなかった理由で。まあ、結果は想像がつくさ。《原力》に耐えれなかったお前の脳は爆破し、死んだのさ。あれは、相当キツイものだったが、細胞復元装置を使い、お前を生き返らせた……のだが、その時に、この核をお前の頭に埋め込んだのさ」
少年が核を見せる。
「こいつ、覚えているかな?」
明は、少年を見た。
少年の横には、明の幼馴染、健が立っていた。
「こいつは、俺達の研究を見た。もちろん、被検体実験もな。お前は見たんだろう?」
「みた……見たんだ。血だらけで、倒れていて、頭がない明を……」
「ふーん……」
その瞬間、健の頭が破裂した。
「見られたなら、殺すしかないのになぁー」
明は表情を変えなかった。
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