ローレライの焦り
ロウソクの火が、暗い部屋を明るくした。
「王国反乱を指揮する、団長が死んだ」
「そうか」
「シンも死んだ」
「……昨日はいたのにな」
「いいや」
一人の男が言った。
「何が違うのよ?」
「シンの遺体は、かなり、腐敗していた」
「今は、冬だ。殺されたのは5日前くらいだろうか」
「そう……なら、昨日ここにいたのは……」
「変装した誰か、というわけだ」
「そんな……」
「みんなー」
ローレライが暗闇から現れる。
「なんだ。今は、大事会議をしているのだ」
「人って、飛べたっけー」
ローレライが問う
「魔力を使ったら、十秒程度。それが人間の限界よ」
「……そう。ありがとー」
礼を言うと、ローレライは姿を消した。
「一体何なんだ……何を考えているんだ」
■【ローレライ視点】
『十秒程度。それが人間の限界……』
なら、一昨日のあの人は、何?一体何なの?
そう、一日中考えていたら、朝になっていた。
私は、また、空高くに行き、王都を見渡す。
「今日も誰かが、悲しんでいる」
私は、まだ、殺し足りない。
だけど、自分の手は汚さない。
「やあ、また会ったね」
前に聞いた声と同じだった。
「君、ほんとに人間?」
一言目は問だった。
「急に言われてもね……」
「答えなさい!」
いつもの、軽い口調ではなく、怒りと、焦りのせいで、口調が荒くなっていた。
「一応、人間」
「ならッ!!なんで人間が空を飛べるの!!」
「限界を超えただけ」
「そんな……簡単に超えられるもの……なの?」
「知らないよ。僕は」
その瞬間、嫌な予感がした。こいつは殺したほうが良い。そう、頭が働いた。
「もういい……」
「急にどうしましたかー」
「リプクション」
エメラルドグリーンの色で光る羽を出す。
「何をする気で?」
私は冷静さを欠いた。
羽を男に向け、投げる。
だが、すべて避けられる。
「急にやめてください」
「オールディメンション!!」
赤く、太陽の光でキラキラと光る羽が万ほどある数、生成される。
「はあ……昼間はあまり目立ちたくはないんだけど」
そう言うと、魔力を解放した。
「なッ!!これ程の魔力ッ!!どうやって隠して!!」
「我が名はラグナ……目立ちたくはなかったのだが……まあいい」
男の名前はラグナ。聞いたことがある。
ネオンの組織の頂点に居る男だ。
「ハッ!!」
羽をラグナに向けて、全力で打つが、すべて弾かれる。
しかも、糸で弾いている。
「おかしい!!この羽は何でも斬れるのよッ!!」
「この程度、ただの糸で十分だ」
「黙れッ!!」
「チェック……メイト」
糸が、首を狙って、伸びてきた。
だが、私は、逃げた。
ここは、黒の色素の会議をする場所。
見慣れているが、一瞬ここがどこだがわからなかった。
今は、誰もいない。逆にそれが怖かった。
「誰もいな―――」
「みーつけた」
肩に手を置かれる。
その瞬間、死を悟った。
「助け―――」
その瞬間、何もできず、上半身と下半身が別れるのが分かった。
感覚が麻痺し、痛みは感じなかった。
「あ……あぁ……」
「すべてを知っている。また、いつか……会えることを祈る。今度は、善人として。その時は、ブルーメタリックに招待しよう」
そう言い、ラグナは消えた。
意識が遠のく前に、と。一生懸命、意味を考えた。
そして……
「私みたいなゲスにも……優しいの……ね」
おそらく、ネオンの支配権も無効になり、ネオンは正気に戻る。
私が負けた。
そして、意識を手放した。
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(一応、ここで、六章は終わりです)




