枝一本あれば十分
枝一本で剣を粉砕する。
それはとてもありえないこと……ではなかった。
そう、いずれ最強になる僕は、それくらいできなければならないのだ!
「カース・ゴーミ第五席はその程度で?」
「黙れぃ!!まだ、まだ終わらぬ!!」
木の枝の魔力伝導率は皆無。
魔力を最大限伝えるためには、繊細な魔力を練る必要がある。
だが、繊細な魔力は乱れやすく、すぐ壊れてしまう。
「おかしいッ!!なぜだッ!!なぜ折れないッ」
「繊細な魔力を乗せているからです。カース・ゴーミ第五席」
「ありえん!!それほど枝を強固にするのは、人間のできることではないッ!!」
「そうだな……確かに、カース・ゴーミの言うとおりだ」
ケツ・クサがカースに同意する。
「では、私が人間では―――」
そう言いかけた時、後ろの気配があるのに気づく。
「メイドよ、バレているぞ」
「ッ……」
バグダッドはメイドを見ない。
だが、すべて見切られているような感覚にメイドはなった。
そう、すべての攻撃が弾かれ、殺されると。
だから、動かないし動けない。
「なんだ、来ないのか?」
バグダッドは言った。
完全に狙った発言だった。
「いいえ。私はその挑発には乗りません」
「ハッ……」
短く嗤った。
ここから、バグダッドはどう動くのか―――
■【ネオン視点】
「突き止めた……邪神夜行……」
ネオンはヴェタン海の近くにある小屋の前に居た。
「ここに居る。バグダッド、そして幹部達……」
ネオンは小屋に入っていく。
―――中は広かった。
中に入ると、歓迎されている感覚になる。
「空間操作……」
独り言ではない。
「ネオン!」
「ウェルタ……」
「なんです?」
「いえ、なんでもない」
「ふえー」
そう言い、進んでいく。
「黙れぃ―――」
小さいが、確かに声が聞こえてきた。
「ウェルタ、聞こえた?」
「聞こえたです!」
「ウェルタ、声を小さくして」
「はいですー」
「それでいいわ」
そうして進んでいく。
階段を登っていく。
そして、光が見えた。
とても大きな空間。
私達は、その空間の一番上の場所に出た。
「ウェルタ、一番に下に誰かが居るわ」
「ですー」
見た限り、なにか言い争っている。
人を観察すると、一人見覚えがある人物が居た。
「バグダッド・メディナ……」
「ネオンが言っていた、危険人物ですかー?」
「そう……そして、言い争っている、のかしら。近くには邪神夜行、第五席と、第一席もいるわね……」
「まとめて殺しますか?です」
「いいえ、もう少し様子を……」
「はいですー」
まだ、手を出す時ではない。
だって、ウェルタが居るから。
今は単独ではないから……。
■【クロウ視点】
「そろそろ終いにしよう」
「バグダッド……生意気な」
「バグダッド様、ここでお亡くなりに……なってくださいッ!!」
メイドが動き出す。
女子には優しく……。
バグダッドはメイドの武器を、枝で弾き、後ろに回る。
「少し休んでいろ」
目に見えない速さで、腹を殴る。
「あ゛ぅ……」
メイドは気絶する。
「まずは一人……」
「ッ……」
「あのメイドは、相当の手練のはず……バグダッドに情が湧いたか。使えん」
「そうかもしれんが、全力で参った気がした……」
「ということは―――」
「私が強いと言う事」
き・め・た。
これを言いたかった。こんなタイミングで言えるのは、とてもかっこいい。
「……そうかもしれん。だが、邪神夜行の幹部をナメるなッ!!」
その瞬間。
「うりゃぁああああああああああああああ!!」
「オッァアアア!!」
バグダッドと、ケツ、カースの間に何かが飛び込んできた。
「ゲホッ……ゲホッ」
土埃が舞う。
だがシュパッ、と言う音がし、土埃が晴れる。
「我等ブルーメタリック参上ッ!」
「参上です!」
そこには、カッコつけたネオンとウェルタが居た。
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(もうすぐ)




