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目立たず世界最強へ〜モブを装う者には裏の顔がある〜  作者: 冬城レイ
第一章「ここから始まる異世界」

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友達ができたのと王女はすごい

 初の授業の日。僕は相変わらず影が薄いモブライフを楽しんでいたのだが……。


「あんたが、クロウ・ヴァルディオスか?」


 なに!?僕の存在に気づけたのか!もしかしたら、こいつらはもしかして強いのか!?


「あ、うん。僕がクロウだよ」

「そうか!俺たちと友達になってくれ!」

「俺も!」

「名前は……?」


 場合によっては、殺す。


「モブレルト・フェアリーだ!」

「俺は、ニクダルマ・カリーだ!」

「モブレルトと、ニクダルマ?」

「そうだ!俺のことはモブトって呼んでな!」

「俺のことはダルマって呼んでくれ」


 僕より、モブ感がある……。僕の存在に気づけた理由がなんとなくわかった気がするなあ……。まあいっか。せっかくの友達だしね。


 ■


 授業が始まった。まずは剣術についての講義。あんまり前世と変わりがないなあ……。変わっている部分としては、こっちのほうが部屋がキラキラしているところくらいかな。

 なんだっていいけどさ。そろそろ、待ちくたびれたし、なんか悪の組織とかあったら壊してみたいな……。


 その時チャイムが鳴った。

 あれ?もう授業終わり?早いなぁ……。全然聞いてなかったよ……。

 黒板を見る。

 あ、全然わかる範囲じゃん。しばらくは聞かなくて大丈夫かな。

 その時、先生が肩をたたいた。


 まただ……。影薄いはずなのに。


「え、あ……。なんでしょうか?」

「次は剣術の実技です。早く実技場へ来てください」

「え、はい。わかりました」


 全然目立ってる。僕は誰にも気づかれないのが好きなんどなぁ……。しかたないかぁ。先生だしね。

 早くいかないと。


 ■


 実技場へきた。


「皆、そろいましたね。今から二人一組で模擬戦をしてもらいます。もう組は私のほうで決めていますので。文句は言わないように」


 いろんな人の名前が出ているが、僕の名前はまだ出ない。そして嫌な予感がする。だって、僕以外にもまだ呼ばれていない人がいるんだから。


「最後の組は、レイラ・クランフェル対クロウ・ヴァルディオス!」


 やっぱり……。僕の嫌な予感は見事に当たった。


「ちょっと先生!そんなのおかしいです!」

「何がでしょうか?」

「私はそんな知らない人と戦いたくはないです!」


 堂々と言わないでよねぇ……。意外と傷つくからさぁ……。まあ、言ってることはわかるけどさ。


「いくら王女だからと言っても、そんなワガママは許しません」

「ですが!私はお姉さまに勝つために!」

「なら、余計にクロウさんと戦ったほうがいいです」


 なんで?僕の評価がどれほどのものかはわからないけど、なめられすぎでしょ……僕。ちょっと悲しいけど、あまり目立ちたくないし、適当に負けとこう。


「先生!私たちが最初でいいですよね」

「あ、はい。順番なら、問題はありません」

「ありがとうございます。クロウという人!出てきなさい!」


 やだなぁ……。


「はい。僕です」

「ふーん?がっかりさせないでよね」

「頑張ります……」

「では、始めます。構えてください」


 木刀、か。けがはしないかな。


「はじめ!」

「とりゃあぁ!!」

「おっとっと……」


 バランス崩しちゃった。結構反動大きいなぁ……。さすが王家。


「なかなかやるじゃない?」


 周りの視線が痛い。だから目立ちたくないのになぁ。


「ありがとう、と言っておきます」

「ふーん?余裕そうね」

「いや、そんな余裕はないですけど……」

「そう?まあいいわ。まだやられないでね」


 ちょっと、僕も反撃してみようかな。

 足に力を入れ、人間には見えない速さで、全身に木刀を当てる。そして元の位置にもどる。


「?」


 レイラは首をポリポリとかく。

 もうちょっと早く動けそうだけど、今日はこのくらいでいいや。


「僕の負けで」


 僕は自分から降参する。素顔をさらしたまま目立つのは好みじゃないし。


「怖気づいたのね」

「勝者は、レイラ!」


 よし、これでよかったんだよね。




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