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目立たず世界最強へ〜モブを装う者には裏の顔がある〜  作者: 冬城レイ
第五章「ヴェタン王国で暗躍する!」

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ヴェタン王国王女

カタッ……カタッっと、ブーツの音がする。


「誰もいない……だが、監視されている。三人から二人には減ったが……」


気配は二つ。


 今までとは、質が違う。殺意でも、敵意でもない。

 それでも、近づいてくる。

 階段の影から、姿が現れた。


 白。


 夜の闇の中で、異様に目立つ白装束。

 フードを深く被り、顔は見えない。だが、背は低い。

 細い。

 それでいて――


「逃げない、か」


 威圧がない。

 それなのに、空間が静まる。


 白装束は、立ち止まった。


「……あなたが、ここまで辿り着いた理由を聞いても?」


 声は若い。

 女。だが、怯えはない。


「名を名乗れ」

「立場を明かす方が、先でしょう?」


 ラグナは、少しだけ目を細める。


「面白い」

「そう言われるのは、慣れていません」


 白装束が、フードを外した。 月明かりに照らされる、銀に近い金髪。長い耳。

 エルフ。


「……なるほど」


 ラグナは、納得した。


「王女、か」

「ええ」


 少女は、微かに胸を張る。


「ヴェタン王国第一王女。名はリィネ・ヴェタン」


 王女。そう、学園の先輩だ。

 だが、護衛はいない。衛兵も、控えていない。


「随分と、自由だな」

「自由に見えますか?」


 リィネは、視線を伏せた。


「この国では、私が一番外に出てはいけない存在です」

「理由は」

「生まれです」


 それだけで、十分だった。

 エルフ、王家。


「監視していたのは、お前か」

「正確には……私の役目です」

「役目」

「夜に、異物が入り込まないかを確認する」


 異物。

 ラグナは、口角を僅かに上げる。


「俺は、異物か」

「はい」


 即答だった。


「ですが」

「だが?」

「あなたは、処理対象ではありません」


 処理。

 その言葉に、重みがある。


「判断基準は」

「旧制度です」

「まだ、生きていると」

「ええ。王家の中では」


 王家の中。

 つまり――


「国民には、知らされていない」

「知れば、秩序が壊れます」


 秩序。

 この国で、何度も聞いた言葉。


「お前は、それを守っている」

「……守らされている、が正しいです」


 沈黙。


 遠くで、鐘が鳴った。

 一度だけ。闇の夜の合図。

 リィネの表情が、僅かに硬くなる。


「時間がありません」

「何の時間だ」

「選別が始まります」


 ラグナは、地下への階段を見る。

 奥で、何かが動いている。


「フィネラは、その中心か」

「ええ、そうよ」

「まだ、生きているな」

「生かされています」


 違いは、大きい。


「王女よ」

「はい」

「お前は、何を望む」


 リィネは、答えなかった。

 代わりに、一歩前へ出る。


「私が、案内します」

「どこへ」

「旧制度の、最下層へ」


 地下から、低い音が響く。

 何かが、目覚めつつある。


「そこには」

「この国の、本当の王女がいます」


 ラグナは、階段を見下ろした。

 闇が、口を開けている。


「……なるほど」


 これは、救出でもない。

 討伐でもない。


「王国そのものを、裁く話か」


 リィネは、何も言わなかった。

 ただ、その目だけが、答えていた。


 階段の奥で―――

 確かに、何かが待っている。


「……一つ聞く」

「はい。答えれるものなら答えます」

「この国は嘘でできている、と」

「ッ……なぜそれを……」

「ただの予想だったのだが」


ラグナは嘘をついた。

まだ明かしてはならない、と。誰に聞いたか、どこまで知っているかを。


「……貴様は本当の王女ではないと言ったな?」

「ッ……はい」

「なら、王家からの分家か?」

「はい……」

「なら、ベガルドの子孫か?」


リィネは言うかを迷った表情をしたが、口を開いた。


「私は実験で生まれた偽の子孫」

「べガルドの血が混ざったエルフに作り変えられた、と?」

「正解よ」


ということは、関わっているのは聖教。

黒の色素は聖教に協力をしているが、この件は知らされているのか。


「貴様は嘘の化身と言うわけか」

「ええ……言われるのも無理はない……」


そう言い、闇へと進んで行く。

一向に先が見えない、真の闇へと。


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