記憶の部屋と正体
赤い空。
赤い霧が、進むにつれて、濃くなっていく。
帰れと言わんばかりに。
一方、ナイラはラグナを探していたが、見つからず断念。
「本当にくる気?」
「ダメか?」
「……」
マイは黙った。諦めたのか、それとも、なにか考えているのか……。
その時、マイが消えた。
霧が厚い壁となり、ラグナを通さない。
「この程度の霧じゃ、我は諦めん」
そういい、霧を斬る。
霧が無くなる。
「未開の地……。ここが中心か」
目の前には、ボロボロになった石でできた家などがあり、中心には、まだ光を出している、建物があった。
マイはそこへ、ゆっくりと歩いていた。
「ここは一体何だ?」
「ここは私の生まれた場所。嫌な思い出ばかりで嫌になるけど……いざ来てみると懐かしく思う」
「ここはどんな街だったのだ?」
「……とても綺麗な街だったと思う。でも、私からしたらとても居心地が悪かった」
「なぜ?」
「この髪と目の色のせい……」
「白髪赤目のせい、か」
「そう……。ここでは異端者扱いだった」
異端、か。それは辛いだろうに……。
「それで?あの建物に行くんだあろう?」
そう言い、指を指した建物は、他とは違い、光っていて、真っ黒な建物。
「ミスリルの外壁を使っているの……」
「ほう?」
それはとても興味深い。
「マイ。お前は何歳だ?」
「……3000歳」
「3000歳か」
3000歳!?それはやばいな。
「三千年前からこの技術があったと」
「そう」
「それで、この中に入るのか?」
「うん……」
「そうか」
ラグナは濃くなった霧を斬る。
「行こうではないか」
「……」
返事はないが、マイは歩き出した。
■
中に入った。
「こっち」
ラグナはマイについていく。
(バッグに入ってるもの使えるかな……)
「この先は行けない」
「え、なんで?」
「レリックがないと開かない仕組み」
レリックの形を見る。
僕はすぐにバッグを漁り、レリックを取り出す。
「これではないか?」
マイは少し目を開き、少し、口元が上に上がった気がした。
「そう。それ」
ラグナはレリックをハメる。
「この奥は、記憶の部屋。それを抜けたら、最深部」
「詳しいな」
「……」
また黙った。まあいいけど。
少し歩くと、記憶の部屋と言われる場所へと来た。
ここの研究者の記憶とかだろう。
「仕掛けが発動した……」
一瞬で、部屋が真っ白になった。
3000年前からこれほどの技術があった。相当な文明とわかる。
お……。見えてきた。
■【マイが見る記憶】
「異端者」
「異端者!!」
異端者と言われ続け何年経ったのかもわからない。
両親は黒髪であるのにもかかわらず、私は白髪で生まれた。
でも両親は愛してくれた……くれた、はず……。
そんな時、両親は死んだ。でも、私は泣かなかった。
「この異端者ッ!!両親が死んでも、泣かないなんてッ!!」
墓の前で、立ち尽くしている私にそういったのは、会うたび、私に嫌がらせをしていた祖母。
その瞬間、何かが切れた。
手から、魔力が溢れ出した。ドス黒い魔力が、形を作り、大鎌になった。
それが今、左手に持っている鎌。
数世紀に渡り私を守ってくれた武器でもあり、呪でもある。
ありがたいのか、ありがたくないのか……もうわからない……。
「君が、異端者、マイかい?」
「そうだよ」
「我等の研究所に来ないかい?」
「行く」
その時、白の空間にノイズが走る。
記憶が早送りになる。
映像はもう映っていない。ただ音声が途切れ途切れ、脳内に直接流れるだけ。
「か……せ…いした……ぞ!!」
バッチっと言う音が脳内に響き、音声を邪魔する。
「これが、へ……き……きめ……」
そこで、音声も切れた。
バラバラと音を立て、記憶の部屋が壊れる。
そこに立っていたのは、ラグナだった。
そのブルーメタリックのロングコートは、照明に反射し、キラキラと綺麗な光を放っていた……。
■【クロウ視点】
「つまらん記憶など、すぐ終わった」
「……」
マイは、立ったまま、固まっていた。
「……ラグナ……」
「貴様に名を名乗ったことはないのだが、まあいい」
「次はこっちに行けばいいのか?」
「……んぅ……」
そして、歩き始める。
そして、最深部についた。
「大きいな」
「ウソ……」
目の前には、ミスリルで作られた大きななにかがあった。
「アレはなんだ?」
「……」
マイはこちらを見ない。
「言え」
「……」
頑なに口を開かない。
「言え」
ラグナは、圧をかけた。
そして……。
「あれは……レディット・ツー・マイ……」
「レディット・ツー・マイ、だと?」
「そう。兵器……。あの、ミスリルのボディは連動用……本体は……」
「本体は?」
「私……」
「ッ……」
その言葉に、ラグナは、身構えた。
「私は被検体でゆういつキメラと融合できた人。私の魔力と波長が同じだったからみたい」
マイは、宙を飛ぶ。
「……本当はレディット・ツー・マイの機能は停止していたはずなのに……。なんでだろうね」
マイは、レディット・ツー・マイの中心部に入る。
その瞬間、警報が鳴り響く。
「私は、人間の皮を被った化物。私は理性を失う……。私を殺して」
その言葉を最後に、中心部が、埋め込まれる。
「もう、後戻りはできないな。マイよ」
ラグナは、ブルーメタリックの魔力を、放出する。
警報が鳴り響き、レディット・ツー・マイが動き出す。
「ゥ゙ギャァァァアアアアアア!!!」
甲高い叫びが、レディット・ツー・マイから流れた。
ふと、横を見た。
古びた紙に、赤文字で「史上最悪の兵器」と書いてあった。
「この文明は、いろんな物を作りすぎた。その報いだろう……」
一応かっこいいことは忘れない
マイが死ぬことを望むのであれば、僕はそれに答えよう
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