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目立たず世界最強へ〜モブを装う者には裏の顔がある〜  作者: 冬城レイ
第二章「To Ashikaga」

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真剣な話を聞いている

 今日から学園は夏休み。

 僕は足利へ……。


「おにぃちゃ〜ん?」


 列車。僕が座っている場所の後ろからは殺気が満ちた視線。


「な、なにかな?」

「なんで、おにぃちゃんは、高級お弁当なのかなぁぁああ?」

「お金があるから」


 呑気に、高級お弁当を食う。


「おにぃちゃ〜ん?一口ちょうだ〜い?」

「うるさい。誰があげるかよ」

「ムキィィ!!」


 エリナが食べているお弁当は、超庶民コース。美味しいと思うけどね。


「まもなく、足利、足利に到着いたします。お忘れ物の無いよう、ご注意ください」


 アナウンスが聞こえ、荷物をまとめる。


 そのとき。


 列車が爆発した。

 僕のいる列ではなく、その後ろ。

 僕は一瞬で姿を消し現場へ。ラグナとして。


「おにいちゃ……!!いない!?どこに?」

「それよりも、爆発したところに行かないとッ!!」


 エリナもすぐに現場へ。


「エリナか」

「ら、ラグナ様!!」


 列車は止まっている。

 そして、僕等の回りに、十人。


「そこか」

「ふふ……。なぜわかったのだ?ラグナ」

「貴様は誰だ」

「俺様は、黒のメンバーの一人、惨殺のパールだ」

「なるほど。黒の色素の幹部か」


 ラグナはブルーソードを出し、構える。

 その構えは、戦いの中で世界最強に近い構えに変わってゆくのだ。


「ラグナ。確かに、偽物ではないようだ。まさか死んでいないとは」


 ラグナ。同じ名前の者がこの世界に居たと言う事。そして、勘違いされていること。

 でもラグナは関係ない。


「幹部とやら。がっかりさせるなよ」


 その瞬間、パールの後ろに回る。


「バレバレだい」


 パールのナイフで剣を弾かれる。

 まだ、始まったばかりだが、時間はかけていられないと、ラグナもパールも思っている。


「なかなかやれるようだな。残虐のパールよ」

「惨殺だッ!間違えんじゃねぇ!!」


 おっと……。普通に言い間違えた。ごめんね。パール。

 それよりも早く終わらせないと、また誰か来ちゃうよ……。


「まあ、なかなかやれるようだが、時間はかけてられない。ここで終わりだ。パールよ」

「それはこっちのセリフだ……ッ!!」


 だがパールは油断をしていた。


「油断は禁物だ。ペールよ」

「俺様はパールだッ!!次は名前かよッ!!」


 おっと、ミスりすぎた。ごめん。パール。

 その時、パールのナイフが砕けた。


「な!ミスリルのナイフだぞ!!そう簡単に壊れるわけは……ッ!!」

「我からしたら、紙同然。こんなモノ、片手で十分だ」

「クソッ……。これがラグナの力……ッ。想像以上……」

「では、さらば」

「そうは、いかねぇ……」


 パールは紫色の何かを砕く。

 パールの姿が一瞬透けたかと思うと、消えた。


「ラグナ様ッ!!今のは何が!」


 先程まで黙っていたエリナがラグナに訪ねた。


「今のは転移用の起動石だろう……。相手が持っていたのは予想外だった」

「そうですか……。それよりも、人が集まってきています。足利へ急ぎましょう

「我は先に行っている」


 ラグナはそう言い、姿を消す。


 ■


 僕はラグナモードから、クロウモードへと戻り、荷物を持つ。


「おにぃちゃ〜ん?どこ言ってたのかなぁぁあ?」

「あ、僕は、椅子の下で気絶していたんだよ……」

「……そ、そうなのね。雑魚いおにぃちゃんだね〜」

「あ、あはは」


 そうして、歩いていると、足利へ到着。


 尾白女が言っていた、結界はこれかぁ……。確かに、物凄いオーラを感じる。

 だから、何も寄せ付けない、平和な国なんだな。

 よし。誰も見ていないな。


「ラグナモード」


 いつの間にか夕方だ。

 僕は、ミレイア、ウェルタ、ナイラ、レイラ、エリナを呼び、尾白女の居る空間へ、転移された。


「尾白女よ。久しぶりだな」

「そうですね……」


 尾白女はどこか暗い表情をしている。

 ラグナはそれを見逃さなかった。


「何か、深刻な状態なのか?尾白女よ」

「……ラグナなら、気づくと思ってたわ……」

「言ってみろ」

「この国は平和ボケしすぎたわ……。しかも、時間がない。黒の色素があれを狙ってやってくる……」

「あれ、とはなんだ」

「……狐の尻尾よ」


「狐の尻尾?誰のだ」


 ラグナは訪ねた。いつもより、眼が鋭い。


「私の尻尾。何年か前に、一本取れたの……」


 ラグナは尾白女の尻尾を見る。確かに、十本しかない。


「取れた理由はわからないわ……」

「……なぜ、黒の色素はそれを狙っている?」


 尾白女は少し間を作り、話し始める。


「狐の尻尾は神聖な力を秘めているの」

「その力はとても強力で、一本だけでも、国一つ潰せる。それくらい神聖なもので、危険な物なの。しかも、黒の色素は、尻尾がある場所を掴んでいるわ」

「ここじゃ、ないのか?」


 ラグナは更に尋ねる。


「ここじゃない。ここでは危険なの。せっかく作ったこの街。家庭もある。子供も居る。そんな場所に、十一本中の一本でも置いておけば、この空間自体、崩壊する可能性だってあるし……黒の色素に入られて、殺されても……後味が悪いでしょう……」

「じゃあ、どこにある」

「足利最大の山、足利山の頂上の大神社よ……。そこには一応、結界はあるけど……」

「黒の色素の力には勝てない、と」

「……そうかもしれない。黒の色素は何かしら、結界を壊すレリックを持ってくるはず……」


 ラグナは考える。

 黒の色素は何をしたいのか。尻尾一本がそれほどの力を持つ。

 と、なると何かの実験に使うのかもしれない。


「……尻尾は我が責任を持って、守る」

「でも、ここには置いて置けない……」

「我が責任を持って守ると言っただろう?」


 その言葉に尾白女は、ハッとする。


「……ほ、本当に、頼んでいいの?」

「ああ。我を信じろ。そしてブルーメタリック全体を信じろ。裏切りはしない」

「あぁ……なんと……優しい御方なのでしょうか……」


 尾白女は涙をポロポロと流す。

 ラグナはそれを見て、少し微笑んだ。そして、ラグナが後ろを向き、言う。


「今から、尾を取りに行く。明日の朝にはすべて終わっていることだろう」

「皆、行くぞ」


 ラグナの言葉に、ミレイア、ウェルタ、ナイラ、レイラ、エリナは、ほぼ同時に頷く。


「「「「我等、ブルーメタリック!!ラグナ様の御意のままに!」」」」


 その合図で、尾白女の尻尾を守る作戦が開始した。


 ■


 僕はとうとう始まったんだなと思う。


 最初はね、尻尾一本でそこまでできるとは、思ってもないけどさ、あんな真剣に言われると、嘘ついてるようには見えないから。


 僕はまあ、戦うよ。世界最強になるための一歩としても、人助けとしても。



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