世界を映す鏡
僕は今、真っ白な空間にいる。
だけど、目の前には異様に大きい扉がある。
どうやら、この空間にいるのは僕だけじゃないようだ。
「ラグナ様」
「レイラか」
レイラ。元第二王女。ちょっと前に、ブルーメタリックに入った者。
まさか、こんな早く再開するとは。
「この空間は……」
「静かにしろ」
何かに囲まれた。
レイラがいるということは、他に何か居てもおかしくはない。
この囲み方、人数としては、僕達を狙う刺客かもしれない。
濃い霧がいつの間にか、レイラとラグナを囲んでいた。
カタッ……カタッ……と言う足音が徐々に近づいてくる。
「狐……?」
レイラの言葉に僕は振り向いた。
そこには、とんでもないオーラの狐獣人がそこに立っていた。
尻尾は十一本。前世の神話の九本より多い。
「はじめまして」
「貴様は何者だ」
「……私は尾白女。足利の守護神として、代々守ってきた者であります。決して、あなた達の敵ではありません」
「そうか……。それでなぜ、我をここに連れてきたのだ?」
「こちらにお越し下さい」
レイラは黙って、尾白女についていく。
ラグナは何かを警戒しながらついていく。
異様に大きい扉の奥へ来た。
そこには、前世を感じさせるような、和の造りの建物が多く並んでいた。
「ここは足利が建国された前からある、空間です。ここから結界を管理し足利を守っています」
「……気になったことがある」
「なんでしょう?」
「なぜ、足利を守るのだ」
尾白女は少し考えてからすぐに言う。
「足利の初代王との契約です」
「この世界では、狐というのは高貴な存在。更に、尻尾が多いほど、その個体の力は増します。そのため、十一本の尾を持った私はとても希少で、狙われやすかったのです」
ラグナは真剣に聞く。
「それで、なぜ契約をした」
「それは、王がとても優しく、謙虚で、私を人と同じ様に平等に見てくれました。そして、王が建国すると言い、今までの恩返しとして、私の結界が張られている土地のすべてを王に献上したのです」
ということは、この尾白女さんは、王が好きで、土地を渡したのかな?
そんな感じでしょ。
「あ、えーっと……?」
レイラは最後まで意味わかんなそうにしてたけど、まあどうでも良いか。
「それで、我に何をしてほしいのだ?」
「今教えます。ア・ミラー・リフレクティング・ザ・ワールド」
その瞬間目の前に鏡が出てきた。
丸く、豪華で、綺麗な鏡。
「今、足利に歴史上、最悪の事が起きようとしています。それを阻止してほしいのです」
「なぜだ尾白女よ。貴様自身で対処できないのか?」
「はい……。私自身ではどうしようもなく……」
足利……足利ねぇ……。ミレイアもお世話になってるし。仕方ない。ここは協力的に行こう。
「わかった。そちらの事情はわかった。未来を見せろ。状況を掴みたい」
「わかりました」
鏡に映像が映る。
映像の中には尾白女の尾が徐々に消えていく映像とともに、弱っていく様子が見える。
「尾が消えるのはなんだ?」
「一回死んだと言う事です。尾がすべて無くなると、完全に死にます」
「一本でも残っていれば、徐々に回復します」
映像をまた見る。
尾白女の最後の尾が無くなる。目の光が消え、動かなくなる。
コレが、今から起きる。俺からしたら気分が悪い。
「……どこが関わっている?」
「黒の色素だと思います」
「ちょっと、ラグナ様。私にも教えてください」
レイラはそう言い、狐の子供と遊んでいる。
「後でだ」
「ふん……」
ラグナは尾白女の方を向き直す。
「黒の色素か。貴様は相当強いだろう。だが、それを凌ぐほど強さを持つ何かがいるということか」
「そうなります」
「……仕方ない。しばらく、足利で過ごそう。こちらのメンバーを足利に移住させる。明日また、ここに連れてきてくれ。ブルーメタリックのメンバーも一緒に」
「わかりました。明日また呼びますので」
そう言って、ラグナとレイラは戻ってきた。
今は夜。
「ラグナ様。教えてください」
「ああ」
そうして、この夜はブルーメタリックのメンバーに説明し、夜は終わった。
■
「ボス!」
「ミレイア。どうしたの」
僕は今、寮にある荷物をバックのぶち込んでいるさ最中。
「足利に久しぶりに行くでしょ?」
「うんうんそうだね」
「私ね!大きい家足利にあるからそこに住んで!!」
え……。そんな家、この二年で買えるんだ。すごー。
一括かな?ローンかな?
前世の家はローンだったよ。
「わかったよ」
足音が近づいてくる。
「おにぃちゃ〜ん」
「エリナ……。どうしたの?」
「私、足利に行くことになったの」
「……僕も」
「な!」
昨日、エリナにも言ってたし……まあいっか。上手くそこは交わしていこう。




