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目立たず世界最強へ〜モブを装う者には裏の顔がある〜  作者: 冬城レイ
第二章「To Ashikaga」

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世界を映す鏡

 僕は今、真っ白な空間にいる。

 だけど、目の前には異様に大きい扉がある。

 どうやら、この空間にいるのは僕だけじゃないようだ。


「ラグナ様」

「レイラか」


 レイラ。元第二王女。ちょっと前に、ブルーメタリックに入った者。

 まさか、こんな早く再開するとは。


「この空間は……」

「静かにしろ」


 何かに囲まれた。

 レイラがいるということは、他に何か居てもおかしくはない。

 この囲み方、人数としては、僕達を狙う刺客かもしれない。


 濃い霧がいつの間にか、レイラとラグナを囲んでいた。

 カタッ……カタッ……と言う足音が徐々に近づいてくる。


「狐……?」


 レイラの言葉に僕は振り向いた。


 そこには、とんでもないオーラの狐獣人がそこに立っていた。

 尻尾は十一本。前世の神話の九本より多い。


「はじめまして」

「貴様は何者だ」

「……(わたくし)尾白女(おしろめ)。足利の守護神として、代々守ってきた者であります。決して、あなた達の敵ではありません」

「そうか……。それでなぜ、我をここに連れてきたのだ?」

「こちらにお越し下さい」


 レイラは黙って、尾白女についていく。

 ラグナは何かを警戒しながらついていく。


 異様に大きい扉の奥へ来た。

 そこには、前世を感じさせるような、和の造りの建物が多く並んでいた。


「ここは足利が建国された前からある、空間です。ここから結界を管理し足利を守っています」

「……気になったことがある」

「なんでしょう?」

「なぜ、足利を守るのだ」


 尾白女は少し考えてからすぐに言う。


「足利の初代王との契約です」

「この世界では、狐というのは高貴な存在。更に、尻尾が多いほど、その個体の力は増します。そのため、十一本の尾を持った私はとても希少で、狙われやすかったのです」


 ラグナは真剣に聞く。


「それで、なぜ契約をした」

「それは、王がとても優しく、謙虚で、私を人と同じ様に平等に見てくれました。そして、王が建国すると言い、今までの恩返しとして、私の結界が張られている土地のすべてを王に献上したのです」


 ということは、この尾白女さんは、王が好きで、土地を渡したのかな?

 そんな感じでしょ。


「あ、えーっと……?」


 レイラは最後まで意味わかんなそうにしてたけど、まあどうでも良いか。


「それで、我に何をしてほしいのだ?」

「今教えます。ア・ミラー・リフレクティング・ザ・ワールド」


 その瞬間目の前に鏡が出てきた。

 丸く、豪華で、綺麗な鏡。


「今、足利に歴史上、最悪の事が起きようとしています。それを阻止してほしいのです」

「なぜだ尾白女よ。貴様自身で対処できないのか?」

「はい……。私自身ではどうしようもなく……」


 足利……足利ねぇ……。ミレイアもお世話になってるし。仕方ない。ここは協力的に行こう。


「わかった。そちらの事情はわかった。未来を見せろ。状況を掴みたい」

「わかりました」


 鏡に映像が映る。

 映像の中には尾白女の尾が徐々に消えていく映像とともに、弱っていく様子が見える。


「尾が消えるのはなんだ?」

「一回死んだと言う事です。尾がすべて無くなると、完全に死にます」

「一本でも残っていれば、徐々に回復します」


 映像をまた見る。

 尾白女の最後の尾が無くなる。目の光が消え、動かなくなる。

 コレが、今から起きる。俺からしたら気分が悪い。


「……どこが関わっている?」

「黒の色素だと思います」

「ちょっと、ラグナ様。私にも教えてください」


 レイラはそう言い、狐の子供と遊んでいる。


「後でだ」

「ふん……」


 ラグナは尾白女の方を向き直す。


「黒の色素か。貴様は相当強いだろう。だが、それを凌ぐほど強さを持つ()()がいるということか」

「そうなります」

「……仕方ない。しばらく、足利で過ごそう。こちらのメンバーを足利に移住させる。明日また、ここに連れてきてくれ。ブルーメタリックのメンバーも一緒に」

「わかりました。明日また呼びますので」


 そう言って、ラグナとレイラは戻ってきた。

 今は夜。


「ラグナ様。教えてください」

「ああ」


 そうして、この夜はブルーメタリックのメンバーに説明し、夜は終わった。


 ■


「ボス!」

「ミレイア。どうしたの」


 僕は今、寮にある荷物をバックのぶち込んでいるさ最中。


「足利に久しぶりに行くでしょ?」

「うんうんそうだね」

「私ね!大きい家足利にあるからそこに住んで!!」


 え……。そんな家、この二年で買えるんだ。すごー。

 一括かな?ローンかな?

 前世の家はローンだったよ。


「わかったよ」


 足音が近づいてくる。


「おにぃちゃ〜ん」

「エリナ……。どうしたの?」

「私、足利に行くことになったの」

「……僕も」

「な!」


 昨日、エリナにも言ってたし……まあいっか。上手くそこは交わしていこう。




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