表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
目立たず世界最強へ〜モブを装う者には裏の顔がある〜  作者: 冬城レイ
第一章「ここから始まる異世界」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/36

第二王女は……

 剣術祭は無事……無事に終わった。特に問題はない……ないんだけど……。


「ボス。観客の皆さんは眠っているようです」


 ウェルタか。


「エミリアはどうだ」

「同様に、です」

「四塔の奪還は?」

「完了しています、です」


 やることはないか。


「そうか。下がって良い。ミレイア」

「ボス。なんでしょうか」

「お前に渡したレリック、貸してくれ」

「どうぞ」


 コレと、ローランドがポッケから出した別のレリック。


「起動」


 レリック同士を重ねる。


『待機』


 この世界の文字でそう書かれている。

 レリックというのは不思議だ。まさかレリック同士を合わせることができるなんて、誰も知らないだろう。


「押してみよう」

「正気ですか!ボス!」

「ダメか?」

「もし、何かあったら……」

「責任は我が持つ」

「……了解。ボス」


 さて……。


 レリックに魔力を流し、押し込む。


『復元』


 学園の壊れた場所がすべて元通りになっていく。

 人々は起き始める。記憶はないだろう。


「じゃあ、行こうか」

「はい!ボス!」

「はい、です。ボス」

「は、はい……。ボス」


 僕達は学園を去った。

 まあ、僕はクロウとして、普通に学園にいるんだけどね。


「お、いた」

「クロウ……か……」

「クロウくん……」

「あ、モブトとダルマ」

「金……貸してくれ……」

「え、なんで」


 泣きついてくる。


「生徒会長が負けたんだよぉぉぉぉぉおお!!」

「あーラグナっていう人に負けたんだっけ?」

「そうですよおぉおぉぉぉ!!」


 ダルマも、泣きついてきた。ちょっ……鼻水つけるなよ……ッ。


「まあ、仕方ないよ。僕は帰るから」


 ■【エミリア視点】


 私は負けた。あの圧倒的敗北感、とても悔しい。勝てると思っていたのが、間違いだった。

 あいつは、私には到底、たどり着けない領域に達している。それに留まらず、まだ成長している。


「クソ……ッ!!クソ……ッ!!!」


 私は保健室のベッドを叩く。

 自分で保健室へ行き、包帯をあちこちに巻かれた。

 歯をギリギリとやる。


「ムカつく……ムカつく……!!」

「エミリア王女!落ち着いてください!」


 保健室のミク先生に止められた。


「す、すみません」

「いえ、無理もありません。あのラグナと言う人……怪しすぎます」

「ええ」

「私は職員室へ行きますね」


 ミク先生がいなくなった少し後。


「お姉様」


 私はすぐに振り向く。


「レイラ?」


 レイラが来た。もう数年話してないのに。


「お姉様に、質問があります」

「―――言ってみろ」

「ラグナをどうする気ですか」

「見つけ次第、即殺す」

「なりません!」


 レイラと久しぶり話して、内容がラグナの事。コレでも十分不快。

 更に、レイラから、否定の声が出た。私は怒る。


「なぜだ!」


 手が出た。やってしまった、と思った。


「お姉様はお変わりないですね」


 拳が止められていた。いつもなら、飛ばされて、泣いて、喧嘩になるはず……。だけど今回は違った。


「……ラグナは悪いやつではありません」

「そんなわ―――」

「悪いやつではないです」


 圧倒的。ラグナと似ている圧がレイラから出ている。


「……ッ」

「レイラが、何を言おうと、ラグナは、私の敵。それは変わりはしない」

「そうですか……。なら、話すことはもうないです。それと……私は王家を出ていきます」


 私は本気で怒った。あってはならない事。実行させてはいけない。


「ふざけるなぁああ!!」

「いいえ。お姉様。私はふざけてなど―――」

「うるさい!!」


 私はベッドから立ち上がり、ベッド横に置いてあった大剣を持って、レイラに斬りかかる。


「お前がそう言うなら!ここで死になさい!!」


 だが、レイラは受け止めた。

 ラグナと同じ、止め方で。

 私は目を見開き、青筋が浮き出る。


「レイラあああぁぁぁ!!」

「お姉様。私は、ラグナの元へ行きます。私は王家を捨てる覚悟をしました」


 レイラは冷静だ。ただ本気で、王家を捨てる覚悟があると。私は悟った。

 私は、その瞬間、地面を強く蹴り、殺気を放ちながら、レイラに斬り掛かった。もう容赦はしない。

 レイラは言ってはいけないことを言ったから。死に値するほどの。


「そのうち、会えることを期待しています」


 レイラの剣と、エミリアの剣が同時に当たる。

 白い光が部屋一面を照らす。

 地面が揺れる。保健室が崩れ始める。


「レイラぁぁぁあああ!!」

「お姉様。私はもう、あのときとは違うのです」


 その瞬間、エミリアは腹部を浅くだが、斬られる。


「う……ッ!!」


 後ろに吹っ飛ぶ。傷は浅いが、波動がすごい。

 保健室にある薬品の瓶が割れ、エミリアに割れたガラスの破片が頬に当たる。


 そして、意識が朦朧としてくる。傷は浅いが思ったより、出血は多かった。


「お姉様。さようなら」


 レイラは振り返らず、歩いていく。


「レイラ……ま……て」


 私は、レイラにも負けたんだ。そして、レイラはラグナの元へ行くといった……。

 悔しいけど、何もできない。

 そして、意識を失う。


 その後、レイラは死亡扱いになった。犯人はラグナとして。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ