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目立たず世界最強へ〜モブを装う者には裏の顔がある〜  作者: 冬城レイ
第一章「ここから始まる異世界」

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本気ではない本気

「ボス。来ます」


 この言葉で、始まる。


 カチャッ……カチャッ……。確実に一歩ずつ近づいてきている。


 そして……。


 重そうな黒の鎧を着た男……男だよな。男が階段を上ってきた。


「君が、ラグナか」


 低い声で。


「ああ。我等はブルーメタリック。世界最強を目指す組織だ」

「世界最強だと?ふざけた事を言ってくれるわ」

「まあいい。この学園は完全にジャックした。出ることも入ることもできない。おとなしく降参するなら、命くらいは助けてやろう」


 ここで、聞いてみるか。


「質問をしたい。いいか?」

「……いいだろう」

「お前は黒の色素と言う組織のメンバーか?」

「ああ」

「黒の色素の目的はなんだ」

「我等、黒の色素の目的はただ一つ……。世界の支配者になることだ」


 世界の支配者。この単語にちょっとムカついた。せめて、裏の支配者になれよって。それのほうがかっこいいだろう?


「そうか」


 その時、ミレイアが耳打ちをしてきた。


「どうやら、あのレリックが鍵のようです」


 よく見ると、球体のナニかを持っている。


「それで……。あんたの名前は何だ」

「ローランドだ」

「そうか。ローランド。残念だが、貴様は死ぬ」

「そうか。だが、その言葉はそっくり返そう」


 あのレリックを奪ってみよう。

 僕は即座に後ろへ回り込む。

 レリックを奪おうとした瞬間、血しぶきが上がる。

 腕を切られた……と思ったか?これは作り物だ。


「ほう?偽物だったか。まさか血まで作り物だとは」

「だろう?」

「だがレリックは奪えていな―――」

「これのことか?」

「なにっ!?」


 レリックと判明した。僕はこのレリックを投げて遊ぶ。よく見ると、若干色が変わるようだ。

 前世で言うとRGBライトの暗い色に設定した感じかな。


「ミレイア。これをよろしく。あとは、僕だけでやるから、ウェルタとナイラと合流して」

「了解。ボス」

「話し合いは終わったか?」

「ああ」


 ローランドはミレイアを見る。そんな気がする。


「さらばだ」

「いいや。させない」

「クソッ……。まずは君を倒さなければならないのか……」

「そうだな」


 ローランドは不意を突き攻撃。


「当たらんさ」


 ラグナはどこからか出したブルーソードで攻撃をすべて弾く。


「死ねぇ!死ねぇ!!クソがぁ!!なぜ当たらない!!」


 いくら、攻撃をしようと、当たらない。


「剣術自体が未熟……。お前はそれすらも気づけないのか……」

「戯言を言うなぁぁぁあああ!!」

「先ほどよりはスピードが増したな。だが結果は変わらない」

「ならばぁ!!」


 違うアーティファクトを出す。


「起動!!」


 その瞬間、膨大な魔力が、ローランドの体へと吸い込まれる。


「後悔しろ……私にここまでさせるとは……」

「ほう?いい魔力だ。だが、それでも何もかわらな―――」


 一瞬で吹っ飛ばされる。


「覚醒した私にかかればこんな奴は余裕」

「たかが覚醒だろう?覚醒しただけで勝てると思うな」

「なっ!!!なぜ!!何故生きている!!普通なら死んでいてもおかしくない!!」

「ふっ……。聞いて呆れる……。そんな少しの魔力で、我に勝とうと言う事自体、間違いだ」


 その瞬間、ラグナは魔力の()()()()()を開放。


 ローランドが纏う魔力など、一瞬でちっぽけに感じるほどの魔力。さらに色が、ブルー。それだけでもおかしい。


「おかしい!!おかしすぎる!!なぜ!こんな奴が生きてられるのだ!!」

「そうかもな。我はおかしいのかもしれんな」

「ここは一回、撤退だ。さらばっ!」

「行かせないさ。さっきも同じことをしていたな?何も学んでいないではないか」


 ラグナは一瞬でローランドの剣と鎧をバラバラに。


「最後に聞かせてもらおう」

「クソッ……なんだ……。言ってみよ……」


 目を見開き、圧をかけ、尋ねる。


「貴様は何人、無実な人間を殺してきた?」

「ヒィッ!!」


 小さな悲鳴はすぐに消える。


「答えろ」


 言葉の圧と、ラグナの魔力で、ローランドは死を悟る。そして、小さな声で、最後の言葉を発する。


「数えられない……」

「そうか」


 そしてすぐに、ローランドから血が噴き出す。


「無実な人間を殺す。それは人にあるまじき行為。断罪を受けるべきだ」


 そう、ラグナ、そしてブルーメタリックのメンバーは決して無実な人は殺さない。

 逆に守るのだ。それは当たり前の事として。

 そして、ローランドの死体を一瞬で燃やす。


「ボス!」

「お疲れ様です。ボス」

「お、お疲れ様、ボス」


 みんな集まった。今日の騒動はすぐには収まらないだろうが、いずれ忘れられていくだろう。


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