第二王女の限界は……
「今から準決勝を始めます!です!」
僕はレイラと戦うことになった。ちょっと嫌だけど仕方ないよね。
「あんたが、ラグナね」
「ああ」
「あんたは私が倒す!」
「そうか」
僕達は始めの合図を待つ。
「はじめ!」
一瞬でお互いの距離が縮む。ラグナはブルーソードをしっかりと握りしめる。
ラグナの動きは観客の目では追えず、レイラが取り残されてるように見える。
だが、レイラはまだラグナの位置を掴んでいる。
「そこだっ!!」
「ほう?なかなかできるようだな?」
「ナメるんじゃないわよ!!」
だが、レイラの攻撃はラグナには届かない。
弾かれるばかりで、ラグナには何一つダメージがない。
「まだやるつもりか?」
「ラグナラグナラグナぁ!!」
レイラはただ目の前にいるラグナを斬るために全力を出している。目は充血し、手の平からは血が出てきている。
「もう、君の体は限界なんじゃないか?」
「だが、我を倒したい気持ちがあるなら、限界を超えろ」
ラグナは片手で、レイラの攻撃を受け流す。
いつの間にか空中戦になっていた。
「……ッ!!」
レイラは昔のことを思い出す。
よく姉と戦っていた時の事を。
いくら戦っても、姉には勝てない。私の限界はどう頑張ってもここから変わらない。そんな事を思っていた。
「限界を超えなさい」
そんな姉の言葉にムカついた。持っている才が違うのだから。姉の常識をこっちにまで押し付けて来ないでほしい。
そんな事を思って、私は姉と話さなくなった。それは今でも同じ。いつも頑張っても、見られるのは姉で、私は後ろで見守ってるだけの存在で……。
そして今、目の前にいるラグナという者も姉と同じに見えた。
「限界を超えろ」
その言葉、姉とそっくり。
そんな言葉、強者しか言えない。
私は強者ではない。限界を超えられるのは強者だけ……。
「おい。聞いているのか」
「聞いている!!」
「我を倒したいか?」
レイラの口からは血が出る。もう限界に近い。
「た、倒したい……」
「ならば、なぜ限界を越えようとしない?」
「そ、そんなのは……強者にしかできない……ことだ」
「……貴様は馬鹿なのか?」
レイラはラグナの言ったことを理解できなかった。
「限界を超えることをためらってるだけではないのか?」
「な!!」
その言葉に私は目を覚ます。濁っていた気持ちまで、綺麗に。何一つ濁っていない水のように。
私は自分で限界を決めていたのだと。
私は勝手に限界を変えられるのは強者にしかできないことだと、思い込んでいた。
そう、自分で答えが見つかった瞬間、ラグナに一撃が入った。
「限界を超えたな。第二王女、レイラ・クランフェルよ」
「……ッ……礼は言わないわ」
「そうか。まあ、いい。チェックメイトだ」
レイラは地面に叩きつけられた。レイラは負けた。
レイラは意識を失う前に、実感した。己の限界を超えたのだと。今後、この感覚を研ぎ澄ます。そしてまたラグナと戦う時が来た時、勝てるように……。そして意識を失う。




