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私の配下となれ!

ゲームじゃないんだから、効果が限定範囲だけって有り得ないですよね。

 


「……手紙を読ませて貰った」

「それで……」

「追加の報告書だ」


 国王は、そう言って厚みの有る書類の束を渡されたから、俺は、その報告書を読む。


「……これが、仮にも王国と呼ばれる王城からの、事実を記した報告書なのか?」

「……そうだ」


 報告書を全て読むと、最後に第5王子の事も書かれていた。

 確かに「正常」みたいだが、発言権は無く、半ば幽閉に近い状況みたいだ。 


「手紙を読んだ。 そして、レン達の意見を直接聞きたい」

「分かった」


 俺は、皆で決めた事を国王に話した。


「分かった。 少なくとも、我が国から出した税金を使われているのだから、我が国にも口出しする権利が有る。 それは、他の隣国でも同じ事だ」

「それでは」

「うむ。 他の隣国にも賛同を集めよう」

「お願いします」


 確かに俺達は強いが、政治的な力まで強い訳じゃないからな。



 ……あれから3ヶ月後に、異常な早さで他の隣国との協定が秘密裏に締結された。


「やっぱり、自分達が出した金が無駄にされたのはムカついたんだろうな」

「そうだね」


 俺達は今、前回と同じ場所でボルジアル王国の王城を見下ろしている。

 俺は千里眼を使って視ているが、王城の中では権力からの暴力と、麻薬から生まれる享楽が支配している。


「……こりゃあ、国王よりも後ろに黒幕が居るな」

「そうなの?」

「ああ。 幾らなんでもち過ぎだ」

「……黒幕は何処?」

「謁見の間の玉座に、ふんぞり返っているよ」

「……レン」

「行くか?」

「うん!」

「最後まで、お供します」

「妾は、我が主レンの武器なのじゃ!」

「お嬢の歩く道に小石が有れば、それを掃除するのが、儂の役目よ」

「召喚主ユイの背中を守るのが私の仕事だ」

「皆、行こう!」


 シュテンが送還されると、今度も夜中に同じ場所から王城まで侵入して、そこから謁見の間を目指した。


 今回は、最短の道を選んだ為に文官達や騎士達や、元クラスメイト達に遭遇するが全て気絶させた。


 そして、謁見の間の前の扉に到着すると、ユイはシュテンを召喚する。


「……召喚、シュテン!」

「背後は任せろ」

「お願いね、シュテン」

「承知した!」


 そして俺は謁見の間の扉を開けた。


「……ぐ!? 竜巻トルネード


 俺は、謁見の間の扉を開けた途端に空間に充満した甘い匂いに危険を感じて、風系魔法「竜巻トルネード」で採光用の窓ガラスを破壊して換気をした。


「誰だ!」

「そっちこそ。 何故、この国の王で無い者が玉座に座っている?」

「……やれ!」


 玉座に座った者が命令を下すと、謁見の間の壁に立っていた騎士達と、そして享楽に堕ちていた悠崎達が立ち上がり俺達に向かって来た。


 先ずは騎士達が向かって来たが、気絶までにした。


「がっ!」

「げふっ!」

「ごはっ!」

「ぎぃ!」

「ぐっ!」

「大した事はないな」

「うぬぅ~。 勇者達よ、行け!」

「偉大な勇者様であるオレ様に殺されろ!」

「そういう台詞せりふは、結果を出してから言えよな!」

「……ぐばっ!」

「よくも、悠崎君を!」

「お前らもだ!」

「げふっ!」

「……がぁ!」

「…………ごっ!」

「………………ぎゃっ!」

「なにぃ!?」


 悠崎達も、一応は気絶までに留めた。


「残ったのはお前だけだ!」


 俺は密かに千里眼を使ったが、周りに潜んでいる者は黒幕関係も含めて誰も居なかった。


「ふ、ふふ。 ふははは! 素晴らしい腕前だ!」

「それで?」

「そこまでの腕前を失うのは惜しい。

 私の配下となれ!」

「断る」

「……今、何と言った?」

「断ると言った」

「何故だ? 勇者達を軽々と制した実力は、私の様な高貴な者に仕えてこそ輝く」

「馬鹿なのか? 誰が、激しい腐臭の匂いがする者に仕えるかよ」

「……良いだろう」


 玉座に座っている者が、懐から黒い光沢が有る球体を取り出すと、魔力を球体に注入した。


「……ぎ、がぁあああーーー!!!」


 謁見の間に居た騎士達と悠崎達がモンスターの様な叫び声をあげた。

 そして……


「GAAAーーー!!!」


 全てモンスターに変容した。


「……そんな!?」

「ユイ、大丈夫か?」

「……だ、大丈夫よ」

「レン様。 あの様に変えられたら、もう……」

「……そうだな。 ユイ、いいな?」

「……うん」

「辛いなら見なくても良いぞ」

「ううん。 見なくちゃいけない気がするの」

「分かった。 無理なら見なくても良いからな」

「ありがとう、レン」

「キサラ!」

「のじゃ!」


 俺は左腕を水平にしてキサラを喚ぶ。


「……行くぜ!」


 俺は、鞘を右腰の留具に掛けると抜刀して、叫びながら変容したモンスター共に向かった。

 そして、僅かに残った慈悲と憐憫れんびんから全てを5秒と掛からず首への一刀で終わらす。


「……なにぃ!?」

「後はお前だけだ」

「ぐぬぬぬ……」


 残りは玉座に座った者だけだと意識を集中し始めた時に、開けたままの扉から多数の悲鳴が聞こえてきた。


「……ふ、ふははは!」

「お前、何をした!」

「良いだろう。 教えてやる。 簡単な答えだ。

 先程、この謁見の間の者達をおぞましい化け物に変えたが、その範囲は王城が丸々入る」

「な!?」

「私は、この椅子に座っているのだから当然であろう」





厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点とブックマークをお願いします。

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