……これで良かったの?
シリアスさんが、独走に入りました。
そして、金糸雀は俺の右手の包帯に気付く。
「……ぷ! なんだぁ、その右手の包帯!」
「……本当だ!」
「異世界に来てまで、厨二なファッションかよ!」
「これか?」
俺は右手を拳に握り、手の甲を金糸雀達の方に向ける。
「……ぎゃははは! だっせー!」
「厨二病は、不治の病ってか!」
「夢を見るなら寝てからにしろよな!」
「……はぁ。 何を勘違いをしている?」
「……何!」
「確かに、日本でこんな風に包帯を巻いていれば、笑われるだろうよ。
逆に、この世界で『スマホ』が使える振りをする事は、この世界の住民から見れば『痛い』厨二な事だよな?
しかしだ! 俺達が現在居る場所は、異世界の『剣と魔法の世界』だぞ!」
「「「……まさかっ!」」」
俺は、額の邪眼を開放して、右手の包帯を解き、封印を解除した。
その瞬間から、彼の当時と同じ様に俺の右手から肩までを黒炎が燃え上がる。
「……喜べ! お前達3人が、俺の黒炎竜の最初の犠牲者だ!」
右腕の黒炎は、俺の意思を具現化するかの様に更に燃え上がる。
「……に、偽物だー!」
「……そ、そうだー!」
「オレ達は、そんな手に引っ掛からないぞー!」
「……そうか。 壱式・黒炎弾!」
「……え?」
俺の黒炎弾が、足皮の膝から下の右足を焼滅させた。
「ぎ、ぎゃあああー!」
「「足皮!?」」
「これでもか?」
「よくも、足皮を! 須佐上、死ね!」
「お前ら……がな」
俺は千里眼で確認した後、魔法を放つ位置や角度を計算して撃った。
「……漆式・黒炎砲!」
「「「「「「「「……な!?」」」」」」」」
俺の漆式・黒炎砲は、馬車の馬以外を焼滅させた。
「やっぱり、モンスターに襲われたよりも、行方不明の方が誤魔化し易いしな。
当然だが、馬車の中に被害者等が居ない事は千里眼で確認済みだし、黒炎の形跡が残らない様にして、周りにも被害が出ない様に放ったぞ」
「……これで良かったの?」
ユイ達が隠れていた場所から出て来て言った。
「ああ。 ユイを護ると決めた時から、こうなる覚悟も決めていたから」
「……そう」
「レン様。 今後はどうされますか?」
「とりあえず、戦利品の馬を連れてベルモルド辺境伯の所に戻ろう」
「分かったわ」
「分かりました」
出発する準備を始めたユイ達を置いて、ラピスが近付いて俺に聞いた。
「本当に良かったのか?」
「俺達より、厳しい世界で生きてきたラピスなら……分かるだろ?」
「……そうだな」
この後、俺達はベルモルドの領主館に到着すると報告した。
「……分かった。 今日は、ゆっくり休むがいい」
「そうさせて貰うよ」
何も知らされていないフェリだが、空気を読んでユイをお茶会に誘った。
「新しいお菓子を手に入れたの!
ユイ、一緒に食べましょう」
「……ありがとう、フェリ」
俺は、覚悟を決めていたお陰で一晩寝て良くなったし、唯華はフェリのお陰で、此方も一晩寝て良くなった。
「おはよう、ユイ」
「おはよう、レン」
ベルモルド辺境伯一家と一緒に朝食を頂いた後は、俺達は今後の事を話し合った。
「先ずは事実確認だが、この世界の脅威である『天災の大魔獣』が、一時的とはいえ勇者以外でも封印出来たという事は、少なくとも俺達でも封印が出来る筈だ」
「確かにそうね」
「同意します」
「次にリン」
「はい。 なんでしょうか、レン様」
「天災の大魔獣の封印や討伐方法は口伝か?」
「いいえ。 少なくとも封印方法は口伝ではありませんでした。
直接には関わっていませんが、一度垣間見た事があります」
「つまり、封印や討伐方法は王城に存在する筈だ」
「確かに、そうだね」
「口伝にする危険性は、王族も承知している筈ですから、存在すると思います」
「次にリン。 ボルジアル王国の王族には、正常な者が居るか?」
「正常? ……ああ、居ます。
第5王子で、今は18歳です」
「それなら、きちんと判断出来るな」
「……レン?」
「ユイ、どうした?」
「……クーデター?」
「結果だけ見れば……な」
「どうして、そんな事をするの?」
「あの国のトップがアレじゃあ、悠崎達は正常な成長は期待出来ない。
寧ろ、手遅れの可能性の方が高い」
「そうだね」
「そもそもだ。 世界の命運を決める戦略性兵器とも言える『勇者』を、一国が全てを担う方が間違いなんだよ」
「……なる程ね」
「だから、国のトップを入れ替えて、隣国達が共同で『勇者』の面倒を見る方が良いと思うんだ」
「そうだね!」
「レン様。 私も賛成です」
俺はユイ達から賛成された事で、ベルモルド辺境伯にも話し合いの結論を話すと、ベルモルド辺境伯は内密に国王に、俺達の結論を辺境伯として伝えると約束してくれた。
そして、ベルモルド辺境伯は俺達の結論を過程込みで手紙に認めた。
……俺達は、ベルモルド辺境伯の手紙をマルファーレ王国国王に届ける為に出発した。
数日後、俺達はマルファーレ王国の王都に帰ると、そのまま俺達は王城に行き、ベルモルド辺境伯からの手紙を渡し、国王に面会の許可を求めた。
それで国王は、俺達がルール無視な事をした事で、逆に緊急性を感じて、手紙の事も有り直ぐに面会の許可が下りた。
「……手紙を読ませて貰った」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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