どうやら、支配出来たみたいだな
……やっと基本的スペックが揃った。
新しい「力」に覚醒した事だし、ちょっと今まで以上に真剣に鍛練をした。
お陰で、休憩の度にベッドや自分に洗浄を掛ける事になったのは御愛嬌だな。
それと、あまりに大量の汗を流すからユイに心配を掛けてしまい、2日目からは休憩の度に水は勿論、塩と砂糖も摂取した。
「レンは熱中すると、周りが見えなくなる癖は相変わらずだね」
「そうか」
「そうだよ」
「それは済まないな」
「全くだよ」
「……」
数秒の沈黙で、ユイは目を瞑る。
ユイの赤くなった顔を見て、俺の心臓が早鐘になっているのを自覚しながら、俺は左手でユイの下顎を少し持ち上げるとビクッとしたが抵抗は無かった。
そして……
「失礼します。 明後日の表彰式に関してお伝えする事が……どうぞ、ごゆっくり」
「ちょっと待て!?」
「そ、そうよ!?」
「でも、お邪魔では?」
「そんな事は無いぞ、リン!」
「その通りだよ、リン!」
「……そうですか?」
この後、リンには珍しくニマニマ顔で、俺とユイに報告した。
内容は、氷獄魔熊の死骸が無い為に他国の使者を呼んでも言いがかりが出る可能性が有るから、他国から誰かを呼ばない事にしたみたいだ。
まあ、14日以内に周辺の国家の使者が、王都入りするのは無理だし、それに魔石が有ればと思うが、そういう訳にはいかないのだろう。
それと、15日後に決まった理由に政治的な判断が含まれている為に深い理由は教えてくれなかった。
それで、その代わりに参加する貴族には正装で参加する様にと通達したらしい。
それに合わせて、俺達が着る衣装も多少追加で盛った正装になったと言われたみたいだ。
退院した俺は、衣装合わせをしながら午前中は調べ物をして、午後は鍛練をする事にした。
それから俺は、退院してからは右手に包帯を巻く様になった。
それから数日後、表彰式が執り行われた。
そして更に数日後……
「特に問題無く、終わって良かったな」
「そうだね」
「そうですね」
「のじゃ!」
「そうだな」
俺達は今、王都から南に馬車で2日掛かる場所にある森に居る。
因みに、氷獄魔熊の討伐報酬は、冒険者ランクが全員「Aランク」になり、王城や王宮へのフリーパスに、王宮の図書館の閲覧自由に、白金貨7枚だった。
それと、氷獄魔熊の魔石を使ってリン用の武器を造って貰ったけど、最初は遠慮していたが最後は笑って受けてくれたよ。
「ありがとうございます、レン様!」
「気にするな」
「そうだよ」
「……はい!」
それで、王都の我が屋敷に帰ると冒険者ギルドからの手紙が届いていて、内容は「冒険者ギルドに来い」だったから行ってみると、胸部装甲の厚い受付嬢に捕まり、ギルドマスター用の応接室にドナドナされ待っているとギルドマスターが入って来た。
ギルドマスターが「Aランクに昇格したレン達に討伐して欲しいモンスターがいる」と言われて、俺達は引き受けた訳だ。
それで俺達は目標の森に侵入して目的のモンスター「バジリスクキング」を討伐した。
「しかし、森の中で1泊する事になるとはわな」
「そうだね」
「目撃者も、よくこんな奥まで来たもんだよ」
「恐らく迷ったのでは?」
「……そうかもな」
「間抜けな冒険者も居たもんだ」
「ラピス。 そう他者を貶めるものではないぞ」
「シュテンは固いな」
「そうであるか?」
「まあな」
「別に気にする事はないわよ、シュテン」
「我が君が、そう言うのなら気にしない様にする」
「そうだよ」
「……さあ、寝ようか」
夜の森は思っていた以上に静かだ。
「レン、どうしたの?」
「そうだぜ、レン」
夜の見張り番は前後に分け、前半は俺、ユイ、シュテンで、後半はリン、ラピス、シュテンだ。
因みにシュテンが連チャンなのは、元がモンスターだからか、二徹や三徹ぐらいなら余裕だからだ。
「万が一の為に警戒しててくれ」
「……分かったわ」
「おう」
「それで、何に警戒するの?」
「火災」
「火災?」
「いい加減、偽装と封印が面倒臭くてな。
これを機に完全に掌握しようと思って」
「……聖炎竜!?」
「そうだ」
そう言いながら、上半身の装備を外し服を脱いで、次に右腕全体を囲っていた「伍式・黒炎界」を解除する。
そして、最後に右手の包帯「呪術封印布」を解く。
……ゴウッ!
「レン!?」
「……くっ」
俺の右腕から1mを超える白い炎が吹き上がる。
……先程から聖炎竜に語り掛けているが、未だに返事が無いという事は、自力で解決しないとダメか。
「……それなら!」
俺は自身の魔力を高める事にした。
龍珠Zの「気」や、HUNTER○HUNTERの「練」や、そして聖闘士○矢の「小宇宙」みたいに。
「邪眼……覚醒!」
彼の女神の言葉に従い、限りなく無限に……
そして、その魔力を身体の内へ留め、魔力の濃度を上げていった。
そして……
「……覇!」
俺の右腕の白い炎が、微量の霧に代わり発生している。
「レン!」
「どうやら、出来たみたいだな」
聖炎竜が言っていたみたいに、完全な制御は出来ないみたいだ。
「……!」
安心した所で、若干の痛みと共に右手の甲に、
炎と竜を重ねた様な紋章が刻まれた。
「レン、大丈夫?」
「大丈夫だ。 心配掛けたな、ユイ」
「心配だったんだから!」
「……レン」
「ラピスも」
さて。
「折角、森の奥まで来たんだ」
俺は、この紋章を「炎竜紋」と名付けて能力を確認する事にした。
……途中から、リンとシュテンも見学に加わり、
俺は炎竜紋を自分のモノにする為の鍛練を続けた。
そして、空が白くなる頃に……
「……出来た!」
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塩は兎も角、砂糖は昔の召喚された者達のお陰で低価格で流通しています。




