よろしくお願いします!
主人公が「俺tueeeーーー!」じゃないから……
雑魚モンスター(一部例外有り)のゴブリンとはいえ、やっぱキツいな。
「人型モンスターも何とか討伐出来たな」
「……うん」
「大丈夫か、ユイ」
「大丈夫だよ、レン」
「俺には正直に言ってくれ」
「本当に大丈夫」
「……分かった」
……ふぅ。
「あ、あの、救けて頂いてありがとうございます」
「ありがとうございます」
「確認せずに討伐したが、良かったのか?」
「はい。 私達が受けた依頼ではないので」
「それなら良かった……と」
俺は、怪我をした少女に近付く。
「怪我を負っているが、治す術は有るのか?」
よく見たら、傷口が紫色に変色している。
「……いいえ」
「治せたらの成功報酬で、君達が払える内容の請求をするが良いか?」
「「はい」」
この交渉もラノベから引用したが、彼らにとっては常識の範囲内みたいだ。
「交渉成立だな」
「大丈夫?」
「大丈夫だ、ユイ」
先ずは……
「洗浄」
「考えは理解しましたが、ゴブリンの武器に付着している不純物等なら兎も角、毒は洗浄では消せませんよ」
「……やっぱりか。 そうなると……」
アンチポイズンとかの、完全な治癒系の魔法じゃないと駄目か。
「……」
俺は、テレビや漫画で見た内科の投薬シーン等を思い出しながら、手に魔力を集め言った。
「状態異常回復」
俺の両手からオレンジ色の柔らかい光を発した。
すると、傷口の紫色が消えた。
「……大丈夫です。 後は怪我の治療です」
「良かった」
俺は、Bランク冒険者であるリンの判断を信じて、外傷に意識を向けた。
「……では、小治癒」
今度は、俺の両手から白い柔らかい光を発すると、少しずつだが肩の怪我が治っていった。
1分後に、リンから「大丈夫です。 完治しました」という言葉が出た。
「やったね、レン!」
「ああ!」
「「ありがとうございます!」」
「……う。 あれ?」
「「良かったー!」」
「ちょ、ちょっと!」
約5分後には、2人も落ち着いたし、意識が無かった彼女も状況を把握した事で成功報酬の話をする事にした。
「さて、成功報酬だが……」
「「「……(ゴクリ!)」」」
「先ずは名前は?」
「私は……」
3人の名前は、カーナ・ミーリ・ローナで、出身は、この街「カウドリザ」だ。
この3人は幼馴染みで、家に余裕が無いのは分かっていたから、一攫千金を狙って2週間前に冒険者となり、3日前にFランクに昇格したから、昨日まで冒険者ギルドで薬草の勉強をして、同時に装備を最低限揃えて、森の浅い所で薬草採取をしていたらしいが、運悪くゴブリン5匹と遭遇して、何とか踏ん張っていたが、追加で3匹増えた事と、仲間の1人が怪我を負った事で悲鳴を上げたみたいだ。
「なる程。 次の確認だが、明日から2日程休んだら生活が出来なくなるか?」
「大丈夫です。 私達は実家暮らしですから」
「それなら、明日1日を俺達にくれ。
それと、明日の昼飯の5割は君達持ちな」
「「「……へ?」」」
「それだけですか?」
「それだけって……多分、明日は足腰立たなくなるまで動いて貰うからな」
「……私達に、何をさせるつもりですか?」
……若干、怪しい言い方の為に警戒したみたいだ。
「明日のお楽しみだ。 明日は冒険者の格好で朝9時までに冒険者ギルドの受付嬢が居るカウンター周辺で集合な」
「……わ、分かったわ」
この後は、ゴブリン共の討伐部位である耳と魔石を取り、身体は穴を掘って放り込み焼却すると穴を埋めたのだが、魔石を取る時に……
「……生温かい~」
「臭いがキツい~」
「手から内臓の感触が~」
リンの「この際だから」という事で、リンが手本を見せた後、リンを除く5人は1人1匹、ゴブリンの体内に有る魔石を取る事になった。
……残った2匹は俺とユイがやりました。
「これが出来ないと、大抵は冒険者として大成出来ませんから」
「そうか」
「そうなのね」
……でも、クマのお嬢ちゃんは解体が全く出来なかったけど、彼女には優秀な専属解体士がいるから問題無いのか?
「街に戻ろう」
「「「「「賛成」」」」」
そして、俺達は怪我をしたローナの大事をとって戻る事にした。
……やっとだ!
やっと、異世界系ラノベの華形職業である冒険者ギルドの受付嬢に出会えるぞ!
「それでは、カウンターに置いてください」
……異世界ラノベ勢に負けない美貌だ!
薬草採取は、俺達は銀貨7枚で、カーナ達は銀貨3枚となった。
ゴブリンの討伐報酬は、合計で大銅貨8枚となり、その内の大銅貨3枚をカーナ達に渡した。
ゴブリンの討伐報酬の内訳が、1匹の討伐報酬が銅貨4枚で魔石が銅貨6枚だ。
……まあ、大銅貨3枚をケチるのもなぁ。
そんな訳で、カーナ達に3匹分を渡した後、彼女達は帰った。
そして、俺達は……
「「よろしくお願いします!」」
冒険者ギルド内にある訓練場で、ユイと模擬戦を始めた。
カン! カカン! ガッ! カ…ギン!
とりあえず、異世界に来て最初という事で、俺は木剣を、ユイは木槍で始めたのだが、日本に居た頃は、ユイとの対戦は5.1割の勝率で俺が勝ち越ししていた。
けれど、異世界に召喚された事でのステータスの変化は事実みたいで余裕で勝てた。
「何か、悔しい!」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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