……なる程ね。 了解したわ
本当に笑ったなぁ。
あの異世界の帝国のドレス事情には!
当時のお針子さん達の努力は素晴らしいと思います。
先程まで居た部屋に戻った俺達に、案内してくれたメイドさんから言われた。
「これで前半の出番が終了しました。 後半の準備の時間まで、此方の部屋でお待ちください」
「分かりました」
「「ギルドマスター!?」」
「では、失礼します」
メイドさんが部屋から退室すると、ギルドマスターが説明した。
「メイドに文句言っても意味が無いわ」
「……そうか」
確かに、国を敵に回してまで「それじゃあ、帰ります」とは言えないよな。
別に現在進行中の交戦国でもないし、一応は招待された「客」だしな。
そんな訳で、ギルドマスターも巻き込んでの卓上遊戯を楽しんだのだが、第1位ユイ、第2位リン、第3位俺、第4位がギルドマスターだ。
しかも、俺が止めなければギルドマスターはユイに、大金貨7枚の借金を背負う所だった。
「でも、大金貨3枚と金貨5枚払ってくださいね」
「……分かっています」
これ以降は、賭け金無しで卓上遊戯を楽しんだ。
因みに、この世界にはポーカーみたいなカードゲームが存在するが、これがポーカーなら、ユイが出した「役」は、1回目がダイヤの「フルハウス」で、2回目が「ストレート」で、3回目が1の「フォーカード」で、4回目がハートの「ストレートフラッシュ」と……強過ぎるよな!
卓上遊戯を一通り嗜んだ後は、雑談しながら軽食を頂いていると、ドアからノックの音が部屋に響く。
「どうぞ」
「失礼します。 準備の時間が来ましたので、ご案内いたします」
「分かった」
前半の時と同じく、俺と他3人に別れて浴場に向かった。
「此方の衣装の方が凄いな」
「はい。 参加される方々が、貴族の方々や国外から来賓された方々ですから」
「それもそうだな」
また香湯に入って頭を洗われ、上がると身体に香油を塗られて、より派手で格式高い衣装を着ると、髪も派手にセットされた。
「「派手!」」
俺とユイの感想がユニゾンした。
俺の衣装は前半と違って金糸の飾り刺繍とかが増えただけで終わったが、3人の衣装は完全に貴族令嬢のドレスだ。
勿論、アンダーウェアを下に着ている。
「まさか、骨董品やレプリカじゃない、現役の貴族令嬢のドレスを着る事になるなんて、夢にも思わなかったわ」
「普通は、そんなの夢にも思わないな」
「そうよねぇ」
「ユイ」
「何、レン」
「綺麗だよ」
「……!?」
……ユイのリンゴ顔を頂きました~。
「「コホン!」」
リンとギルドマスターがユニゾンで咳をした。
「リンも似合っているし、勿論、ギルドマスターも似合っているよ」
「レン様、ありがとうございます」
「……まあ、良いでしょう」
リンもギルドマスターも、貴族令嬢のドレスを着ていた。
リンは赤基調で銀糸の刺繍が沢山されたドレスで、ギルドマスターは緑基調の大人しめなドレスを着ていた。
そして、ユイは白基調で、金糸の刺繍が沢山されたドレスを着ていた。
……約2時間後にメイドさんが入室した。
「これから、皆様を会場にご案内しますが、会場ではご案内したテーブルからあまり離れない様にお願いいたします。
その辺りは、5年前に参加されたギルドマスター様がご存知だと思います」
「……なる程ね。 了解したわ」
「ご理解頂きありがとうございます。
では、会場にご案内いたします」
俺達は質問したかったが、流れ作業的な感じで会場に移動する事になった。
移動中にギルドマスターに質問する。
「どういう事だ?」
「簡単に言うと、リンは相手募集中」
「は!?」
「王女の誕生祝いとか関係なく、王城が会場の場合は、赤系ドレスは相手募集中の意味になるのよ」
……はあ!?
何処ぞの隠れ忍者だった、ありふれた家族の大和撫子な娘が着せられたドレスじゃあるまいし!
「国王は、俺達の強さを知っているよな?」
「……多分だけど、この衣装に付いては、国王陛下は知らないと思うわ」
「つまり?」
「第2王子リガーシェス殿下か、6年前に王弟から叙爵されたベルリング公爵だと思うわ」
「理由は?」
「2人共、女性に対して寛大よ」
「分かった」
つまり、女性に対して分別が無い訳か。
それなら、会話が出来る距離まで近付かれたら負けになるのなら、近付かさなければ良い訳だ。
……手は有る!
そんな事を話している間に会場に到着して、俺達は案内されたテーブルの席に着く事にした。
約20分後に、奴らが会場に現れた。
「あの2人よ」
「アレか」
ギルドマスターが、例の2人を教えてくれた。
「それで、どうするの?」
「会話出来る距離になったらダメなら、近付かせなければ良い」
「どうやって?」
「こうやって」
第2王子リガーシェスとベルリング公爵は、ニマニマしながら俺達のテーブルに向かって来ている。
そこに、風属性魔法で形状を透明で長さ15cmの円柱を半円に変えて、踏み出した足が着地する寸前に、その足首を狙って2つ放つ。
「「……ぶっ!」」
往年のドリフ的コントさながらに、見事に同時に2人は前方に転けた。
当然、周りは騒然としたが、数秒で静になって、周りはバカ王子とダメ公爵から目を逸らした。
同じ事を更に3回しても向かって来たから、最後の手段に出た。
「「ぎぃ、が!?」」
直径3cmで長さ5cmの円柱の風属性魔法を、2人の後ろの「アレ」に向かってブスッと刺して、1秒差で直径6cmの風槌を体外に出ている2つの内臓に向かってスマッシュ!
こうして、最後の手段に因って、バカ王子とダメ公爵は退場したのだが、運命の女神はアンコールをしたみたいだ。
時間的に折り返し地点を経過すると、会場となった大ホールの玄関から騒ぎ声が聞こえたかと思ったら、見覚えが有る連中が乱入した。
「アンジェリカ姫! 勇者である僕達が誕生祝いに来てやったぞ! 感謝しろよな!」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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ギルドマスターが「悪口」の意味で2人を挙げているのに、褒め言葉にあたる「寛大」を使ったのは、場所が王城内だから。
だから、意味は逆になり「女性が文句を言うのは許さない」となり、言い換えれば「文句を言わずに従え!」という意味になります。
後、前書きから「おもしれー女」発言が似合うのは日本だと「信長」ぐらいで、中国だとやはり「曹操」でしょう。
ローマ辺りだと「カエサル」で、エジプトだと「ラムセス3世」かな。
他に誰が居るだろう?




