見つかった!?
そろそろ、前哨戦を……
……アーガシル近衛騎士団長達が王城に帰った後、俺達は冒険者ギルドに向かった。
「どの様なご用件でしょうか?」
「ちょっと急ぎなんだが、モンスター素材を使って服を仕立てる店を紹介して欲しい」
そう言いながら大銀貨1枚を受付嬢の両手を包んで渡す。
受付嬢は、手の中身を確認すると言った。
「……そうですね。 こちらの店は、優秀だと聞いています。
場所ですが……になります」
「……分かった」
そう言って、大銀貨1枚を受付嬢に普通に渡すと、受付嬢から紹介状を受け取ると、俺達は冒険者ギルドを後にした。
「あんなに渡して良かったの?」
「ああ。 あれだけ渡せば、今後も親切に接してくれるだろうからな」
受付嬢に紹介された店に到着した。
「いらっしゃいませ」
「急ぎで悪いが3着頼みたい」
「紹介状はございますか?」
俺は紹介状を渡す。
「……分かりました。 どの様なご注文ですか?」
俺は、スタッフに説明した。
「……畏まりました」
「何時、出来上がる?」
「運良く、必要な素材は在庫がございますので、1週間でご用意出来ます」
「それは良かった。 それで代金は?」
「素材持ち込みでは無いので、3着で金貨3枚となります」
「それなら、前金として金貨1枚出そう」
「承知しました。 では、前金として金貨1枚をお預かりします」
「では、よろしく」
「はい。 では、採寸をいたします」
俺達は採寸を済ますと、我が屋敷に帰る。
「良かったね」
「そうだな。 もしも素材が無かったら、その素材を持つモンスターを探す所からだったからな」
「しかし、レン様は慎重ですね」
「それは仕方ないだろう。 即死でなかったら何とかなるが、言い換えれば即死だけはどうする事も出来ないのだからな」
「ありがとうございます、レン様」
「大切な仲間を守る為なんだから、当たり前だろ」
「レン、ありがとう」
「ああ」
そんな訳で、アンジーの誕生パーティまでは大人しく王都周辺で冒険者稼業をしていた。
勿論、1週間後に服を取りに行ったが、注文通りで満足した。
因みに注文した服とは、スパイダー系の「魔糸」を使った首まで覆うアンダーウェアだ。
要するに、暗殺で横や後ろからグサりを回避する為だ。
……それと、アンジーの誕生パーティに万が一を考慮して、リンから魔法を教わった。
そして、アンジーの誕生パーティ当日だが……
「凄く格好良い!」
俺達は、着替え終わって用意された控室に冒険者ギルドのギルドマスターと一緒に呼ばれるのを待っていると、今日の主役であるアンジーこと、アンジェリカ殿下が突入してきた。
「今日の主役が、此処に居ても良いのか?」
「大丈夫よ」
そうアンジーが答えるが、その答えを言った後に、ドアが開けられ侍女らしき女性が入ってきた。
「大丈夫ではありません! 時間が迫っています」
「見つかった!?」
「急ぎますよ、アンジェリカ様」
「ち、ちょっと……」
そして、アンジーの抗議を無視して、侍女らしき女性はアンジーを強制連行していった。
「アレが、次期国王の王太子殿下の娘か」
ギルドマスターが疲れた声で言った。
「そうだな」
「そうね」
「そうですね」
俺達も返事をすると、ギルドマスターは真面目な顔になった。
「確認の意味で、もう一度言うわ。
アンジェリカ殿下の誕生パーティは2部構成で、私達は前半だけの出席になるわ」
ラノベと違い、実際に異世界に来た事で分かったのだが、王城でパーティを開く場合は大抵2部構成だ。
前半で冒険者ギルドや商業ギルドに、それ以外の都民代表とかが参加して、後半は貴族や国外からの来賓が参加するらしい。
……正直、身分差が有るから、分けた方が俺達も安全だしな。
因みに、前半組の俺達は午前9時までに登城して、浴場に連行されて香湯に浸かり頭を洗われて、上がると香油を塗られた。
そして、予め用意されたスパイダー系の魔糸で編まれたアンダーウェアを着て、王城側が用意した衣装を着る。
勿論、髪もセットされた。
案内された部屋で待っていると、ユイとリンとギルドマスターが入って来た。
「ユイ、凄く綺麗だ!」
「レンも、格好良いよ!」
ユイを魅入っていると……
「「ゴホン」」
「「あ!?」」
リンとギルドマスターが居るのを忘れていた!
この後、リンとギルドマスターに散々に弄られた。
落ち着くと、メイドさん達が紅茶と軽食を用意してくれた。
アンジーの襲撃から約2時間後に俺達は喚ばれた。
「……流石だな」
「うん」
「そうですね」
「ほら、さっさと挨拶を済ませるわよ」
ギルドマスターに促され、俺達はパーティ会場の上座に向かった。
そして、俺達の順番が回る。
「冒険者ギルド代表のギルドマスターです。
本日は、この国の次期太陽の華の誕生の日に居られる事に感謝しております。
アンジェリカ殿下、おめでとうございます」
「「「おめでとうございます」」」
「うむ。 アンジェリカの誕生を祝う細やかなパーティだ。 楽しんでくれ」
「ありがとうございます」
……仰々しい言い回しだな。
俺は、これで公式的な仕事が終わったと思ったが、まだ終わってなかった。
「メイドに文句言っても意味が無いわ」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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