メダルを使えば良かったのでは?
(イベントが)無い時もある!
「それじゃあ、ユイとラピスが討伐したフォースタイガーは俺達が貰うな」
「それは構わないが……」
「幾ら、私達が多少はダメージを与えていたとはいえ……」
「たった一撃だなんて!」
俺は、フォースタイガーを「倉庫」に仕舞う。
「ユイ」
「分かったわ。 治療に幾ら払う?」
「回復魔法を使えるのか!?」
「そうよ」
「それなら、1人大銀貨1枚払う! だから、トロナとリベルに回復魔法を頼む!」
「分かったわ」
「中治癒」
ユイの中治癒で、2人の女冒険者の傷が完全に癒えて消えた。
「「ありがとう」」
「ありがとう。 大銀貨2枚だ」
「どうも」
俺は大銀貨2枚を受け取ると仕舞う。
「自己紹介するな。 オレ達のパーティ名は『赤剣』で、リーダーの『ラジク』でBランクの剣士だ。 仲間は……」
「Bランクの戦士で『ティビ』だ」
「Bランクの魔術士で『リベル』よ」
「Bランクの回復術士で『トロナ』ね」
俺達も自己紹介をしたが、ユイの事は使役術士と伝えた。
……手札を隠すのは、冒険者としては常識だしな。
「怪我は治療したが、体力は回復して無いだろ?」
「……ああ」
「俺達は、馬車を持っているから乗るか?」
「……良いのか?」
「良いから言っている」
ラジクは、仲間を見るが全員が頷く。
「……感謝する」
「大銀貨2枚も貰ったしな」
予想通り、揺れない馬車にラジク達は騒いだ。
こうして、俺達とラジク達で馬車での移動を開始したが、ご機嫌な顔でユイがラピスの背に乗っている。
「……しかし、妙にユイとラピスの息が合っているよなぁ」
「そうですね」
「のじゃ!」
キサラは、出番が無かったから無理矢理に割り込んできた。
2時間後に、今日の目的の街「メブクリヤ」に到着して、ラジク達とは別れた。
「とりあえず、宿を先に取ろう」
「勿論よ! 街の中に居るのに野宿は嫌よ」
「ウォン!」
「ラピス、違うのよ。 馬車の中で寝るのが嫌な訳じゃないのよ」
「ウォン?」
「だって、馬車の中はレンやリンと相談して決めたのよ」
「ウォン」
「分かってくれたのなら良いのよ」
……こうして見ると。
「どうしたの?」
「アレだな」
「……ん?」
「やっぱり、現実で実体験すると違うな」
「だから、何が?」
「人と動物の会話」
「……あ!」
「そうですか?」
リンが普通に質問した。
「リンは、大丈夫なのか?」
「はい。 実際に使役術士もあんな感じですので」
「良かったな、ユイ」
「何か……とても大切な何かを喪った気分だわ」
「ユイ」
「何、レン」
「ドンマイ」
「……きーーー!」
「イチャつくのはそれぐらいにしてください」
「「イチャついてない!」」
「息、ぴったりですね」
「……い、行こうか」
「……う、うん」
「のじゃ?」
全く話を聞いていないキサラだけは蚊帳の外だった。
そして、ラピスは知っていたかの様に意図的に、空気になっていた様な感じだ。
それから俺達は、移動を開始して馬車OKの優良な宿屋を見付けて、部屋を取った。
「……何~にも起きなかったな?」
「そうよねぇ……」
翌日、ラジク達とばったり会い、討伐依頼を共同で受けて、その翌日にマルファーレ国の王都に向けて出発したのだが、数日後に王都の正門までイベントも無く到着した。
「副街道に潜むパライヤ盗賊団100名の討伐は、数に入っていないのですか?」
「「だって、盗賊だし」」
「……はぁ」
「ウォン!」
「ありがとう、ラピス」
「何て?」
「褒めてくれたの」
「それは良かったな」
「うん!」
この後、俺達の順番が廻り無事に正門を抜ける事が出来た。
「結構、長かったな」
「メダルを使えば良かったのでは?」
「「あ!?」」
「のじゃ!」
参加するなら、きちんと文章にしような、キサラ。
さて、正門を抜けると詰所に行き、パライヤ盗賊団を討伐した報告をして、報酬は明日以降と言われて、俺達は「屋敷」に帰ったのだが、どうやら問題が発生しているみたいだ。
「獣人風情が、こんな立派な屋敷に住んでんじゃねえよ!」
「そんなのお前らには関係ないだろう?」
「うるせぇよ!」
「生意気なんだよ!」
ロウガ達が、種族的な差別を受けていた。
「どうした?」
「あ! レンさんにユイさん!」
「誰だ?」
「関係ない奴は引っ込んでいろ!」
「関係者だが?」
「「「何!?」」」
「何が有った?」
「はい。 実は……」
ロウガ達は、リンに教わった事を守りながら確実に実績を重ねていき、遂に3日前にCランク冒険者になった。
そして、今日はオーガ5匹を討伐して受付嬢ランキング第3位のリナミールさんに凄く褒められたのは良いが、その時に絡んで来たのがコイツらで、その場はリナミールさんが収めたが、結局は冒険者ギルドから尾行され、我が屋敷へ入ろうとした時に、声を掛けられた訳だ。
「……なる程な。 つまらん嫉妬だな」
「……な!?」
「違うのか? 冒険者は自己責任の実力主義だ」
「そうよね」
「……く」
「まだ、文句が有るのか?」
「……ち。 覚えていろよ!」
「ああ、覚えててやる! 次に何かした時は覚悟するんだな!」
「「「ちっ!」」」
絡んた馬鹿3人は、捨て台詞を脅迫で返され、その後は舌打ちをして去った。
「次に絡んだ時は遠慮は要らんから、法の枠内で徹底的にやれ!」
「「「「はい!」」」」
ちょっと遅れたが、我が屋敷に帰った俺達は、メイド長のベリーリラに「お帰りなさいませ」と言われ、俺は新しい仲間を紹介した。
「新しく仲間になったキサラとラピスだ」
「キサラなのじゃ!」
「私の従魔のラピスよ」
「ウォン!」
「キサラの部屋の用意と、ラピスはユイと同じ部屋で」
「畏まりました」
この後は自由時間としたが、リンは早速、ロウガ達に捕まり中庭に行き、キサラは俺の後ろに従者みたいに付き添い、ユイは嫌がるラピスを引き摺りながら風呂場に向かった。
「さあ、洗うわよ」
「キャイン! キャイン!」
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