事前に潰そうか?
過去作よりも派手にしようかなぁ、と考えています。
「さて。 クローディアからの許可も出たし、サクッと終わらせるか」
「……貴様、やはり!」
「何か、勘違いしている様だが……さようなら」
「……がはっ……ごふっ……ぎぃぁ……げばっ……ぐはっ……」
ちょうど良い所に現れた被検体に対して、身体強化を今まで以上に意識して、繊細に制御して乱舞攻撃をする。
「ごはぁっ……」
「……ふう。 これでよろしいでしょうか?」
「充分です。 誰か?」
クローディアが、そう言うと控えていた騎士が柱の陰から1人現れた。
「この者の処遇はアーベルドお兄様とセーブル宰相とで決めます。
それまで、牢屋に入れておきなさい!」
「御意」
こうして馬鹿は消えた。
当たり前だよな。
確かに王位継承者としての順位は低いかもしれないが、それでもクローディアの身体に流れる血の半分は現国王だ。
この国の貴族として生きている以上は、性別と王位継承の順位だけを見て、クローディアを蔑ろにして良い存在じゃない。
クローディアも予定があるとかで立ち去り静かになり、俺達は集中する事で、地道で地味だが、キツい鍛練が出来た。
翌日は、王都を出て昨日の鍛練の成果を確認する事にしたのだが、その結果は上々で、魔力制御がより洗練され、モンスターの討伐が楽になった。
「……ウソ!? 自分の身体じゃないみたい!」
「やっぱり、魔力制御の鍛練は分かり易いな」
「うん!」
俺達は、鍛練の成果に浮かれてモンスターを狩りまくった。
王城に戻ると、運良く移動中のアーベルドに出会ったので聞いてみた。
「お世話になっているから、せめてモンスターの売買で実費を払いたいが、何処かに置いて良い場所は有るか?」
因みに、アーベルドからもタメ口の許可を貰っている。
「それなら……」
メイドさんに案内された場所は、騎士達の屋外の洗い場だった。
此処は、騎士達が遠征等で王城に戻った時に、騎士達が自身の身体や騎士鎧等を洗う場所だ。
俺は、狩った中で、金銭的に価値の有りそうなモンスターを全て出した。
「お待たせしました」
王城も、貰ったモンスターを「ありがとう」で、そのまま受け取るだけなのは良くないみたいで、査定出来る者を行かせると言っていたが、担当の人が来たみたいだ。
「それでは、査定をさせて頂きます」
「どうぞ」
……何か、ドキドキするな。
それはユイも同じみたいで、ソワソワしている。
しかし、査定をする中で漏れる言葉が「……バカな!?」とか「……信じられない!」とか「……近辺の森にも居たのか!?」だった。
遂には「……直ぐに国王陛下にお伝えしなければ!」とか言っている。
そして……
「査定は終わりました。 失礼します!」
そう言って、査定した者は走っていった。
「何があったの?」
「分からん」
「レン様」
「リン、どうした?」
「実は……」
俺達が出した中には、超高額な奴も有ったのだが、どうやら近辺には居ない筈のモンスターも混じっていたみたいだ。
ただ、リンも査定した者があの様な反応を示すモンスターは居ない筈だとも思っていたみたいだが、実際に緊急事態みたいな感じで去っていったから、呼び出しが有るかもとリンが言っていた。
査定の立ち会いに同行していた騎士に、俺は「これらモンスターの全ての所有権は王族だから」と伝えて、この場を去ったが、予想は当たり、2時間後に呼び出された。
「急に呼び出して済まない」
「いえ、お構いなく」
王城の応接室で、先程の査定をした者とセーブル宰相と対峙している。
「先ずは、今日は沢山のモンスターの提供に感謝する」
「お気使いなく。 アレらは、俺達が王城で暮らす上での実費代わりだから」
……と、前振りは終わり、本題に入った。
「実は、提供して貰ったモンスターの中に無視出来ないのが居てね」
「はい。 その名は『サイレントタートル』で、スタンピードの直前のみ姿を現すモンスターです」
「「「スタンピード!?」」」
あまり笑えない単語が出たな。
「そうです。 それ程認知されていませんが、スタンピードの内容を記録されている書物には、モンスターの数や種類等も記載されています。
そして、必ずしも載っている訳ではありませんが、かなりの回数で載っているのです」
「そうか。 そのモンスターを覚えているから……だな?」
「はい」
「それでだ、レン殿」
セーブル宰相が姿勢を正して言った。
「万が一、スタンピードだった場合は……」
「冒険者ギルドを通した依頼なら受けるよ」
「……感謝する」
「事前に潰そうか?」
「悪いが、それは将来的には良くないのでしなくても良い」
「分かった」
まあ、俺が処理したら、将来的には防衛力が下がるからだろうな。
……怠慢と油断で、な。
そんな訳で、王城から冒険者ギルドに偵察の依頼がされ、判明したスタンピードの内容は全く笑えないものだった。
3日後に報告された内容は、スタンピードは確定したのだが、モンスターの種類と数が問題だった。
「ゴブリンにオークにオーガは、まだ想定内で済みますが、トロールにサイクロプス……」
「更に、その後方には5つ首のヒュドラか」
「レン殿……」
「大丈夫だ。 幾ら何でも、その5つ首のヒュドラが邪炎竜よりも強い訳じゃないだろ?」
「……そうだな」
「では、頼めるか?」
「任せろ!」
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