巫山戯るのも大概にしなさい!
ざまぁされ役の名前付けの、パターンを見付けました。
今後は、少しは楽が出来そうです!
異世界の宰相ほど、仕事に「清濁併せ呑む」事が必要な職業はないからな。
「……なる程。 毒草を昨日の内に、根ごと引き抜いたのですな?」
「害になると分かっているのなら、やっておいた方が良いだろう。
それに昨日ので、我慢は危険と判断したからな。
そして、政治上の理由で放置していたら、誰かが毒草にやられてしまうかもしれない。
それが、自分の大切な人だったら酷い後悔を背負う事になるからな」
「ありがとうございます……と、素直に言えない立場なのが腹ただしいが、その分、この拾った書類を有効活用する事を約束しましょう」
「それは、良かった」
本日の最大の目標を達成した俺は、宰相の執務室に案内してくれたメイドに、また案内をお願いした。
……単独でも行ける程度には道を覚えたけど、だからと言って実行するのは問題になるからな。
俺が案内をお願いした場所は図書館だが、到着してもクローディアが来るまでは、司書の前で待機となる。
約30分後にクローディアが来てくれた。
「レン、待たせたかしら?」
「大丈夫だ。 此方の司書さんに、色々と質問をしていたからな。
それと、用事とかは大丈夫か?」
「大丈夫よ」
この後は、俺は結界に関する本を中心に読む。
因みに、流石は異世界ファンタジーで、召喚された際の自動チートで、この世界の文字が全て読めるし、読み書きが出来る。
さて、今回の図書館での目的は、結界系の知識を得る為だ。
黒炎シリーズは玖式と拾式は、今後の努力次第なのだが、伍式の結界だけは出来ない。
そこで、知識を得る事でヒントにならないかと思っている。
「読める本から、知りたい情報を全て覚えたけど、まだ足りない気がするな」
……仕方ないか。
「クローディア」
「何、レン」
「結界系に詳しい人を紹介してくれないか?」
「……結界系?」
「ああ。 出来れば実戦の経験も豊富な人」
「……分かったわ。 でも、明日明後日は無理だと思う」
「それで構わないよ。 無理を言っているのは此方だからな」
「それなら待ってて」
「ありがとう、クローディア」
「どういたしまして」
翌日、王城の練武場が1日中空いているとセーブル宰相から聞いて、俺達は許可を貰い借りる事にした。
「今日は場所が場所だから、派手さが無い地味で地道な鍛練をしよう」
「分かったわ」
「分かりました」
「悪いが、キサラはユイやリンの補助を頼む」
「分かったのじゃ!」
こうして、ユイやリン達は魔力制御や操作の鍛練を始めた。
「魔力制御や操作は、安全な場所で集中した方が効果が高いから、今日の鍛練にちょうど良いな!」
ユイ達の始めた事を確認した後は、結界を張るには、もっと魔力制御の精度を上げる必要があるかもと思い、俺も魔力制御や操作の鍛練を始めた。
でも、こういう時に限って当然の様に邪魔が入るのがテンプレのお仕事で、俺達の邪魔をする者が現れた。
「何をしている?」
俺は無視したかったのだが、気配探知や魔力感知が反応した以上は意識が向いてしまい、鍛練を中断した。
「誰だ?」
「……ボクを知らないのか?」
「生憎と、この国の者では無いのでね」
「この国の者では無いのに、何故、王城の訓練場に居る!」
「使用の許可は得ている」
「そんなウソをついても無駄だ」
「いいや。 セーブル宰相から許可を得ている」
「それこそ、ウソだ!」
……ウゼぇ。
「セーブル宰相から頂いたメダルだ」
仕方無く、セーブル宰相から貰ったメダルを見せるのだが……
「貴族のメダルの偽造は重罪だ!」
「何をしているのです!」
そろそろキレそうになった時に、颯爽と現れたクローディアだが、かなり不機嫌だ。
「これはクローディア王女殿下」
「質問に答えなさい。 何をしているのです?」
「はい。 不法侵入と貴族のメダルを偽造した不届き者を、これから捕縛する所です」
「……誰を捕縛すると?」
「ですから、この不届き者を……」
「巫山戯るのも大概にしなさい!」
「クローディア王女殿下!?」
「この方達は、私のお客様です。
何よりも、あの邪炎竜を討伐した英雄です!」
「……は!?」
あの馬鹿、思いっ切りマヌケな顔をしているな。
そして、真剣な顔にして言った。
「クローディア王女殿下、畏れ多くも苦言がございます」
「……何ですか?」
「その様な戯言を申されましても、誰も信じる事はございません。
何故、その様な嘘を私にお付きになるのです?」
心底疲れた顔をして、クローディアは言った。
「貴方が、どの様な認識や判断をしようとも、私が言っている事は事実です。
早々に立ち去りなさい」
「幾ら、クローディア王女殿下の御命令であろうとも従う訳にはまいりません。
あの者達に、何か弱み等を握られているのですか?
その様な輩は、この私ワイトフールにお任せください」
好き勝手に自己陶酔でやっているなぁ。
特に、自分の名前を言う所では、無駄に決め顔で姿勢良く格好つけているが、この国の王女殿下であるクローディアの言葉を無視している事実はどうするんだろうね?
クローディアは、育ちこそ控え目な人生だったらしいが、きちんと自分が王族である事を教育され自覚しているからな。
だから……
「クローディア、どうする?」
「自分では、立ち上がれない程度でお願いします」
「分かった」
「……な、何を話している! この方は、この王国の王女クローディア殿下だぞ!」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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