……クローディア以外の全員が固まった。
この作品はフィクションであり、実在する個人名や団体名や物品名とは一切関係がございません。
クローディアと宰相セーブルの訪問から2日後に表彰式の日時が5日後と決まり、この5日間で俺達が着る礼服が用意された。
因みに、キサラの採寸等は、人化した時に身体にぴったりの水着みたいなのを擬態する様にしてある。
誤魔化しの理由は「他人には、見せられない外傷の跡」が、有る事にした。
こんな事をするのは、キサラの服は人化した時の「鞘」だからだ。
そして、表彰式当日。
「……よって、邪炎竜討伐の褒美を与える。
希望する褒美は有るか?」
「それなら、王宮図書館の可能な限りの閲覧許可を希望します」
「図書館の可能な限りの閲覧許可か?」
「はい」
「一等地の屋敷や莫大な金銭も有るぞ」
「いいえ。 王家が所有する知識の方が、遥かに褒美としての価値が高いです」
「……良かろう。 褒美として許可する」
「ありがとうございます」
「以上を以て、邪炎竜討伐の表彰式を終了とする」
表彰式が終わると、別室で待機させられて待っていると、先程の表彰式で玉座に座っていた国王と、王妃と王太子と宰相に、クローディアが入って来た。
「楽にしてくれ。 この場は公式では無いからな」
「後、敬語とかは不要ですわ」
「分かった」
「さて、改めて礼を言いたい。
邪炎竜討伐、感謝する」
「私からも言わせてください。
邪炎竜討伐、ありがとうございます」
「私も言わせて欲しい。
邪炎竜討伐、感謝している」
「レン、私からもよ。
私を救けてくれてありがとう」
「感謝の気持ちは受け取るよ」
「では、本題に入りたいと思います」
此処で、宰相が話を始めた。
「先ずは、褒美の件での最終確認です。
本当に、図書館の可能な限りの閲覧許可で良かったのですか?」
「ああ」
「分かりました。 では、褒美を王宮図書館の可能な限りの閲覧とします」
「ちょっと待ってくれ」
「はい。なんでしょうか、アーベルド王太子殿下」
「その『可能な限り』とは、どういう意味だ?」
「そのままの意味だ」
「つまり?」
「王宮図書館なら、限られた者しか許可されない『禁書』の類が有ると思ってな」
「……成る程。 確かに『禁書』と言える類が存在するな」
「そんな蔵書を読める許可が出ないだろうと思って、先に言ったんだ」
「それが『可能な限り』だな」
「そうだ。 勿論、禁書の中でも閲覧許可が出る蔵書は読んでみたいとは思っている。
俺達は、あくまでも知識を欲しているだけだ」
「分かった。 監視する者に詳細を伝えておくから、存分に『知識』の吸収に励むが良い」
「ありがとうございます」
「それで、レンとクローディアの婚い……」
「お父様?」
国王が、クローディアについて何か言いそうになったが、クローディアの恐ろしく冷たい声質の一言が部屋に響いた。
「いや、なんでもない」
「ああ、分かった」
……クローディア以外の全員が固まった。
そして、王妃が空気を変えようとして言った。
「所で、宰相から説明を聞いたけど、ユイさん以外の2人はレン君とどんな関係なのかしら?」
「レン様は、私の命の恩人です」
「レン殿は、我が主と決めたのじゃ」
「……な、成る程ね」
リンは兎も角、キサラの斜め上な回答に王妃は引いた。
「それで、何時まで居るつもりだ?
勿論、国にしても、王族としても恩人なのだから、極端に言えば、私が国王に即位した後も居ても良いぞ」
善意で言いつつも、国益を上げようとするのは王太子として立派だが、そこまで引きニートをするつもりは無いぞ、アーベルド王太子殿下。
「蔵書量にも因るが、最長で3ヶ月を考えている」
「分かった。 関係者には話を通しておく」
「よろしくお願いします」
最終的な確認が終わり、翌日から俺達は王宮図書館に通う事にした。
監視が付くと言っていたが、就いた監視者はクローディアだった。
「改めて聞いているから大丈夫よ」
こうして、定期的に来る美味しい軽食と紅茶を頂きながら日中は王宮図書館に入り浸った。
ある日に面白い本が有って、タイトルが「外部から身体に施す封印術」だ。
要するに、邪眼の「彼」が暗黒武術会で、途中からしていた、あの「包帯」だ。
他にも、色々な形式や方法が載っていたり、必要な道具の作り方まで載っていた。
……こんな本が有るのは、子孫の「邪炎竜の呪印に因る巻き込まれ」をどうにかする為だろうなと思う。
因みに、体内に存在する下位の神までなら封印する事が出来るみたいだ。
面白そうだから、気分転換にモンスター狩りに行く時に、序に必要な材料を集める事にした。
「……有った! カースグラージの花」
「……有ったよー、レン! バードヘルム草」
「……有りました、レン様。 フォックステイル草」
昼食後も……
「……ゲットだぜ! リッチの魔石」
「手に入れたよー、レン! レックレスラビット」
「……有りました、レン様! シャドーストーン!」
……必要な材料が全て揃ったのだが、同じ場所で手に入れた。
俺達が居る場所は、王都から馬車で2時間の所で、元は教会と孤児院と墓場が併設された場所で、ゲームじゃないのに、こんな所に併設して建てた理由が分からないし、当時の記録書にも理由が載っていなかった。
そんな場所だから、ゴースト系やアンデッド系が徘徊する名所みたいになっている。
一応は、結界を張ってあるから安全らしいが、早く処理しろよと言いたい。
必要な材料の残りは、王都で手に入る。
神殿では、聖骸布……この世界では、神殿や教会に多大な貢献をした人が死亡した後に包む布で、ファンタジーな異世界らしく、それなりの霊的な存在を弾き封印する力を持っている……を畳6畳分を買ったが、購入額が白金貨6枚なり。
次に、錬金術ギルドで「錬金水」を100Lを大銀貨1枚で購入した。
この「錬金水」は、錬金術で使用する水溶液で、製法を知る為には、錬金術ギルドに加入して魔法誓約書で誓う必要がある。
つまり、中身は分からんという事だ。
「……痛っ!」
「レン、どうしたの?」
「一瞬だけ、右腕に痛みが走った」
「大丈夫?」
防具を外して右腕を見たが、何も異常は無かった。
「大丈夫だ」
「それなら良いけど」
「それよりも、これで全部揃ったな」
「うん」
「早速、王城に戻って場所を借りて作ってみよう」
「そうだね」
「楽しみなのじゃ!」
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