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序章ー脱出編

次の話から、主人公達の冒険が始まります。

 


 俺達は、千里眼で確かめた場所に到着した。


「蓮弥君、此処がそうなの?」

「ああ。此処が国王の部屋だ」


 既に、千里眼で天井裏とかに、暗殺が出来そうな伏兵が居ない事は確認済みだ。


 そして、俺達は静かに部屋に侵入した……が!


唯華ゆいか!」

「蓮弥君!」

「「見ちゃダメ!」」


 俺達は、お互いに目を塞いだ。

 何故なら、国王のベッドには国王と若い女性が裸で寝ていたからだ。

 まあ、国王達は下半身が掛け布団で隠れていたから、唯華に国王の汚い下半身を見せずに済んだ。

 まあ、俺は若い女性の上半身は見れたけど。


 ……て言うか、既に千里眼で確認済みだけど「無い人」が、異世界にも居たんだな。


「……リン、頼む」

「分かりました」


 こうして、若い女性は眠ったままでいて貰い、国王には拘束と猿轡さるぐつわと、股間は適当な布で隠す。


「んー! うー!」

「国王。俺のステータスを知って、即座に目隠しと拘束した理由はリンから聞いた。

 だから、文句を言うつもりは無い」


 リンに聞いたら、俺の予想通りで、スキル「魅了」を悪用され、国1つが滅びたらしい。

 それ以降は、誰であろうとスキル「魅了」持ちは、最低でも幽閉に処する事に、国家間で決まった。

 だから、異世界召喚で喚んだにも関わらず俺は投獄された訳だ。


「だから……」


 俺は意識して、スキル「呪縛契約カーステイム」を発動した。


「……」


 ……良し、掛かった。


「俺達とリンに対しては、国として良い事も悪い事もしないで、無視と放置を徹底しろ」

「……分かりました」

「他の異世界召喚者に対しては、道具扱いや奴隷扱いは禁止だ」

「……分かりました」

「後、不要でが付かない宝飾品は有るか?」

「……有ります」

「何処だ?」

「……あのタンスの上から2段目の全てです」


 察したリンが、タンスから宝飾品全てを徴収して、俺に渡した。

 俺は、宝飾品を「倉庫」に仕舞う。


「最後に、俺達と会った事と宝飾品の事は忘れろ。

 但し、俺の命令には従え」

「……分かりました」


 拘束と猿轡を解いた国王は、俺の命令に従いベッドに戻り寝た。


 次に、宰相の仮眠室に行って、同じ事をした。


「……良いな?」

「……分かりました」


 こうして、最低限の後顧の憂いを解消して王城を後にした。


「……脱出成功!」

「やったわ!」

「……」

「リン?」

「大丈夫です」

「正直に答えてくれ」

「確かに思う所はありますが、レンヤ様に声を掛けなかった未来と、今を比べたら、今の方が希望はありますから」

「分かった」

「蓮弥君、次はリンの家に行くのよね?」

「ああ」

「それでは、案内します」


 まだまだ夜の時間だから地下の牢屋に見廻りや、騎士達の休憩所に誰かが来ない限り大丈夫だろう。


「此処です」

「家族や同居人は居ないんだよな?」

「はい。居りません」

「それなら……」


 必要な物をリンが選び家から取り出すと、俺の「倉庫」にリンの家が丸ごと入った。


「……蓮弥君?」

「……レンヤ様?」

「俺の亜空間収納アイテムボックスのレベルが上がったのかもな」

「そうかもしれません」

「確かに、数時間前までは中学生の蓮弥君が、此処まで異世界のスキルを使っているからレベルが上がっているのかもしれないわね」


 俺達はリンから予備の外套を貰い着ると、次に冒険者ギルドに向かった。

 リンに聞けば、冒険者ギルドは24時間営業らしい。


 俺達は冒険者ギルドに到着すると、リンに聞いた。


「本当に無いのだな?」

「はい、有りません」

「それなら大丈夫か」


 俺が危惧したのは、城でのタブレットみたいな魔道具が冒険者ギルドに有るかだ。

 リンの回答は「無い」だった。

 あの魔道具は国宝で、いくら冒険者ギルドといえども所有していないらしい。


 それと、先程見た俺のステータスに「隠蔽」が発現していたのを思い出して、俺と唯華ゆいかのヤバいスキルは隠蔽した。

 いや、リンに聞いたら自分のステータスを自分で確認する事が出来るらしい、あの「言葉」で!


「「せいの~……ステータス、オープン!」」


 因みに、自分のステータスを自分だけで確認する場合は「ステータス」で、他人に見せる場合は「ステータス、オープン」になる。

 因みに、発動には声に出すのも、頭の中で言うのも両方ともOKだ。


 俺達は冒険者ギルドの中に入り、酔い潰れた冒険者達を踏まない様に移動して、夜勤中の男性職員に冒険者登録をして貰うと、冒険者としての規則等を聞いた。


 ……はあ。 初受付嬢は、お預けか。


「痛っ!?」

「もう。蓮弥君、行くよ!」

「あ、ああ」


 ……何故、バレた!?


 唯華……いや、ユイに横腹をつねられた俺は、冒険者ギルドを後にした。


「ユイ。俺の名はレンだろ」

「ごめんなさい」

「怒ってないよ。でも、次からは気を付けてな」

「うん」


 この後、朝焼けの中、早々に出店していた屋台が居てスープを売っていた。


 ……スープなら、事前に準備していれば温めるだけだもんな。


 俺達は、スープを買い喉と胃袋を潤わせると適当な宿屋で一泊する事にした。

 俺とユイは宿屋で交代で寝て、リンは徴収した宝飾品を換金して貰い、旅に必要な物や日用品を買い出しをお願いした。


 ……どうやら、俺の呪縛契約カーステイムは上手くいっている様で、暗殺者や騎士達が俺達の所に来なかった。


 それと、この王都で換金したのは、追跡された時に痕跡を残さない為だ。

 例えば「国王陛下! ○○という街で、国宝の宝飾品が発見されました!」から「何! では、あやつらは西方面に向かっているな。 ……追跡せよ!」と、こんな風になるから、売るなら地元である王都にした。



 リンside ~回想~


 私は黒猫人族のリン

 生まれは、幾つも点在する黒猫人族の集落の1つで族長の長女として誕生しました。

 そして、自身の才覚と幾つもの偶然が重なり王城務めになったのです。

 そして、異世界召喚チームの一員に抜擢されました。

 これは異例中の異例でしたが、結局は同僚の低俗な嫉妬から冤罪をかぶされ投獄されました。


「私の人生、終わったわね」


 キキン!


 ……え!?


「次は、牢屋区画からの脱出だな」


 ……もしかして!


「待って!」


 私は、賭けに出ました。



厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点とブックマークをお願いします。

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