……分かっています!
王都で起きるテンプレの1つが……
俺の問い掛けに残った1人は……
「……申し訳ない」
姿勢を正す仕草が……
「身分を明かす事が出来ないが、私達は、その方のお父上に仕えている者だ」
しかも、彼女を「その方」呼びか。
そして、此処まで来ても身分を明かさないという事は……
「逃げ出した理由は、勉強や礼儀作法の授業が嫌になってとかか?」
「……」
沈黙したから図星だな。
「アンジェリカ様、よろしいですね?」
「……はい」
「悪いが同行して貰う」
あ!
今、周りの気配が、一気に3つ増えた。
そして、俺に向かって殺気を放っている。
「……分かった」
「申し訳ない」
少し待って欲しいと言われて待っていると、15分程で、品質最高で外見は地味な馬車が来た。
美少女と俺達が馬車に乗ろうとしていると、俺が先程沈めた野郎2人が、似た格好の男性に起こされていた。
そして、残った男性とアンジェリカと呼ばれた美少女と俺達を乗せた馬車は移動を開始した。
「済まないが安全管理上、到着するまでは馬車からの景色を見せる訳にはいかない」
そう言って、馬車の小窓全てをカーテンで閉じた。
「大丈夫よね?」
「大丈夫だ」
パニックから落ち着いたユイが不安気に聞いてきた。
まあ、危なくなったらファルカナ公爵やミナーリス侯爵の名前を出せば、大丈夫だろう。
流石に、伯爵ぐらいなら兎も角、公爵や侯爵の名前を出せば、王城の老害共も対応するだろうしな。
「……到着した」
馬車は、道に迷ったと言わんばかりに左に右に進路を変えていたが、やっと到着したみたいだ。
「やっぱり、王城か」
「君達には、害が及ばない様に進言する」
「ありがとうございます」
一応、言葉には気を使おう。
ユイは、俺の服を摘み落ち着かないみたいで、周りをキョロキョロと見ている。
「これがお城かぁ」
「あまり見てると転けるぞ」
「う、うん」
キサラは、本性が武器からか、全く動じていなくて、俺達の後ろを歩いている。
アンジェリカは、途中でメイドさん達に拉致するみたいに拐われ別れた。
因みに、俺達の周りを騎士達4人が囲んでいて、そのまま案内された応接室の中まで入って俺達を監視している。
……約1時間後に、豪華な服を着た爺さんと40ぐらいのキツい表情の男性の文官と、ドレスを着たアンジェリカが入ってきた。
「待たせたな」
「いえ、大丈夫です」
「孫娘のアンジェリカが迷惑を掛けた」
「迷惑だとは思っていませんが……」
「許可する。 続きを申せ。 後、敬語も不要だ」
「……分かった。 あの時、俺に向かって攻撃をした2人は、今後は外した方が良いだろうな」
「何故だ?」
「もし、あのまま攻撃を受けていたら、俺の後ろに居たアンジェリカ殿下も巻き込まれて、最悪なら重傷を負っていた可能性が有るからだ」
「そうか。 それで、アンジェリカが王族に連なる者と、何処で気付いた?」
「3人の内、残った1人の言動だな。
あそこまでになったのなら、身分を明かした方が良いにも関わらず、最後まで身分を明かさなかった。
そこまで隠す身分は、王族だけだろう」
「……見事だ。 そう思わないか?」
「確かにそうですね」
一緒に入った文官は、少なくとも文官系でも上位の立場だな。
国王の秘書官とか宰相とかだろう。
そして、そんな立場の者に話を振ったという事は、少なくとも刑罰等は無くなったな。
「さて。 改めて自己紹介をしよう。
余は、マルファーレ国国王だ」
「私は、マルファーレ国の宰相をしている。
名前をアガルダと言う」
「ジグフリード王太子が三女アンジェリカです」
「Dランク冒険者のレン」
「同じく仲間のDランク冒険者のユイです」
「同じく仲間のDランク冒険者のキサラなのじゃ」
「後、所用で不在だが、黒猫人族のリンが仲間にいる」
国王が、オモチャを貰った子供の顔をした。
「ほう、Dランクか。 その若さで優秀であるな」
「そうだな」
「騎士になる気はないか?」
「申し訳ないが、冒険者が肌に合っている」
「それは残念だ」
「お祖父様!」
アンジェリカ殿下が「もう我慢出来ません!」と言わんばかりに言った。
「おお、そうであったな。 実情は違うが、見方に因っては暴漢からアンジェリカを守った形になるから褒美をやらねばな」
「これを」
宰相から、小袋を俺の前に置いた。
「金貨20枚が入っています」
「受け取るよ」
……多分、口止め料込みだな。
「レン様、ご迷惑をお掛けしました」
「アンジェリカ殿下。 もう、勉強や礼儀作法の授業からは逃げない様にな」
「……分かっています!」
アンジェリカ殿下が拗ね顔で答えて顔を背けた。
「アガルダ宰相」
「はい。 長らく拘束して済まなかった。
案内を出すから帰って貰って結構だ」
外で待機していたのか、宰相が扉を開けると、メイドさんが立っていた。
「ご案内いたします」
こうして、理不尽な刑罰を受ける事なく、俺達は王城から出る事が出来た。
「「き、緊張したー!」」
我が家に帰ると、ユイとユニゾンした。
「まさか王都で、脱走した王族とエンカウントするとは思わなかったな」
「そうよねぇ」
「あんなのは、ラノベだけだと思っていたよ」
「全くだわ」
……しかし、ラノベだけだと思っていたテンプレが、まだ続いていた事を知るのは翌日の王都周辺の森に入ってからだった。
???side
「見つかったとは本当か?」
「は!」
「何処だ?」
「……国だと判明しました」
「直ぐに準備をしろ!」
「は!」
「……くくく。 これで強大な力を私は手にする事が出来るぞ」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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