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そろそろ、屋敷から出ようと思う

主人公は、まだ15歳ですから。

 


「レンに、聞きたい事があるから屋敷に戻ろう」

「分かった」


 こうして、俺達は冒険者ギルドを後にして、公爵家の屋敷に戻ると、部屋に入る。


「リン、遮音魔法をお願い」

「ええ」


 これで、俺達の会話は誰にも聞かれないが、どうするつもりだ、ユイ。


「あのね、レン。 さっき、キサラに魔力を注いでいると、急激に魔力の総量が上がってなかった?」

「確かに、途中から上がったな」

「あの時ね、レンの額に『第3の眼』が出現したの」

「本当か、ユイ」

「本当だよ。形は横長の紫眼で、彼みたいだったよ」

「そうか」


 俺は魔力を額に集中させた。


「……レン、開いたよ!」


 ……確かに、第3の眼が開くと魔力量が上がるし、視力も視界も桁違いに良好になる。


 この後、夕食の時間まで俺は色々と試してみた。


「今日も、美味しかった!」

「それは良かった」


 ファルカナ公爵は、ワインを一口飲み言った。


「報告だが……盗賊団の消滅が認定された。

 それに伴って、事後作成になるが、依頼扱いになるから、明日は冒険者ギルドに行って処理してくれ」

「分かった」

「次に、囚われた女性3人は、ミナーリス侯爵家で引き取り下働きとして雇う事になった」

「良かった」

「レンから、何か報告が有ると思うが?」

「ん? ああ! 彼女の名前はキサラで、盗賊団のアジトで出会い、意気投合して仲間になった」

「……信用出来るのか?」

「大丈夫だ。 責任は俺が取る」

「それなら、私から言う事は無い」

「信頼を得て、良かったよ」

「キサラなのじゃ! よろしくなのじゃ!」


 夕食は終わり、風呂からも出て、俺達は部屋に居る。


「リン、遮音魔法を」

「畏まりました……音声遮断サイレンス


 俺は、キサラに聞いた。


「キサラは、自身の過去を覚えているか?」


 答えは、最初の記憶がユイの接触の拒絶だった。


「……済まぬ、我が主よ」

「気にするな」

「分かったのじゃ」

「次に邪眼が開眼したお陰で、千里眼を使った時の視点が増えた。

 今までの千里眼は、望遠鏡みたいで動かないと前方しか視る事は出来なかったが、邪眼を開いた状態だと、視界も拡がり、視点を前に向いたままでも後方を視る事が出来る様になった」

「他には?」

「邪眼を開眼した状態だと、普通の属性魔法の制御力が上がった。

 恐らく、威力とかも上がっているだろう」

「凄いじゃない!」

「勿論、デメリットが有る」

「それは?」

「疲労付きで、魔力の減りが早い」

「……それは当たり前よね」

「まあな。 今の所は、それぐらいだ」

「分かったわ」

「分かりました」

「分かったのじゃ!」


 実は、ユイ達には言ってないが邪眼を開いた状態なら、視点を「下から上」にする事が出来るのだ!

 まあ、意図的に邪眼を開いてまで、視ようとは思ってないけど、好奇心に負けて視るかもしれない。


 ……だって、男の子だもん!


 因みに、今日のマリーディアお嬢様の色は、薄い紫色だ。

 俺としても、色まで視てしまうのは、修業不足だが、本命はマリーディアお嬢様の状態だ。

 未だに、あれから部屋からあまり出て来ないし、気になっていたんだが、大分良くなったみたいで安心した。


「さて」


 ユイ達が真剣な顔で俺を見た。


「この屋敷から出ようと思うが、どう思う?」

「良いんじゃないかな」

「そうですね。 屋敷に拘束されている様な状態ですし、賛成です」

「妾は、我が主の決定に従うだけなのじゃ!」

「……分かった。 2、3日後ぐらいを目安にして出よう」


 翌日、朝食後の休憩が終わると、俺達は冒険者ギルドに行き、依頼完了の手続きをした。

 報酬の内容は、依頼の報酬が金貨20枚に、盗賊共の売買に因る代金が金貨30枚となった。


 この後、キサラの美貌に負けたチンピラ冒険者達が現れたが、やり方を覚えたキサラが一蹴して、大銀貨9枚が懐に入った。

 どうやら、キサラは本性が「刀」の為か、人化すると打撃に、手刀や足刀を使う武闘家タイプになるみたいだ。


 冒険者ギルドを出た俺達は、王都周辺の森に行き、キサラの戦闘力を確認する事にしたのだが、人型の時でリンと互角で、刀化すると、オークの太い腹を、バターに熱したナイフ以上にスルッと斬れた上に、刀身に脂肪も血糊も付かなかった。


 ……余程の強敵じゃないかぎり、キサラの刀化は必要無いな。


「……何か、良い匂いなのじゃ!」


 どうやら、キサラは魔石を食べて吸収する事が出来るみたいだ。

 だが、ゴブリンのは不味くて食えなくて、森狼フォレストウルフでギリギリ我慢出来るらしい。

 それで、モンスターが強ければ強い程、魔石が甘く感じて、キサラの基本的な能力値が上がるみたいだ。


 それを知った俺達は、サーチ&キルを繰り返した。

 モンスターの魔石はキサラに食べて貰い、身体は冒険者ギルドに売る事にした。


 その結果、キサラが冒険者ランクが、Fランクを通り越して「E」ランクになった。

 理由は2つで、1つはキサラの戦闘力が高いからで、もう1つはパーティメンバーにBランク冒険者のリンが居るからだ。

 基礎はリンから学べという事だろう。


 ついでに、盗賊団のアジトから徴収した金銀財宝おたからから要らない物を売却したら、白金貨1枚に、大金貨1枚と金貨5枚に、大銀貨3枚と銀貨8枚となった。


 その日の夕食時に、俺はファルカナ公爵に言った。


「そろそろ、屋敷から出ようと思う」

「……分かった。 しかし、レン達の馬車の馬ヴィオラを受け止める宿屋は少ない上に高いと思うぞ」

「……」


 そうだろうな。

 ヴィオラは、美しい上に体躯は立派だからなぁ。


「そこで、王都で一戸建てを購入するのはどうだろう?」

「一戸建てを?」

「そうだ。 長期的にみれば一戸建ての方が安く済むだろう」

「分かった。 皆はどう思う?」


 リナ達は頷いた。


「決まったな。 我が公爵家からも援助しよう」

「ありがとうございます」



厳しくも温かいメッセージを待っています!

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