パーティ名はどうしますか?
作者の作品を越えた準レギュラー参上。
「きゃっ!?」
ユイが音と共に驚いた声を出した後、その「剣」は音も無く浮遊し中空で静止した後、そのまま俺の前に移動する。
テンプレだと察した俺は吠えた。
「上等じゃねえか! お前を俺の物にしてやる!」
俺が左手で握った瞬間からバチバチと音を鳴らして拒絶し、剣を握った手からは赤黒な液体を零しながら激痛が走るが、俺は自身の魔力を「剣」に流す。
「「……あ!?」」
ユイとリンが、何か声を出していたが、その声が聞こえてからは、俺の魔力が増大した様な感じがして一気に魔力を「剣」に流す。
キィン!
甲高い音が響くと、バチバチと拒絶していた音が無くった。
そして「剣」から意図を感じ、その意図の通りにグリップから手を離すと、俺の正面に中空で静止した。
そして……
黒い霧が発生して「剣」を包み、黒い霧は地面まで広がり、縦に約2m、横に約1.5mになり、黒い霧が無くなると、そこには綺麗系の美女が立っていた。
顔はブラックやメロディ等の眼差し鋭い系で、眼は青眼で髪が銀色のポニーテールで、体型はグラビア系の衣装は「花の慶○」のカブキ系で、黒基調の青金の刺繍がされていて身長は約180cmだ。
「我が主よ。 妾は主の物なのじゃ!」
「「「……は!?」」」
「誰が、誰の物になった?」
「妾は、目の前に居る、主の物なのじゃ!」
「……つまり、お前は『剣』か!?」
「そうなのじゃ!」
「それなら、剣に戻れ」
「分かったのじゃ!」
目の前の美女が再び黒い霧に包まれ消えると、そこには黒基調に青金の飾り意匠がされた「日本刀」が浮いていた。
「人型になれ」
また黒い霧が発生して消えると、そこには先程の美女が立っていた。
そして、ユイがフリーズした。
「剣の外見が変わっていたぞ」
「それは、恐らく我が主の魔力の影響なのじゃ!」
……あ~、アレか。
「分かった」
「分かったのなら、我が主の血を妾の額に当て、妾に名前を授けて欲しいのじゃ!」
……科学的な表現だと、DNA認証だな。
「分かった」
俺は名前を決めると、まだ癒していない左手から血が滲み出た所で、彼女の額に指先の血を当て言った。
「お前の名は『キサラ』だ」
【……名と血に因る誓約が成されました】
キサラの口からキサラの声で、キサラではない誰かの言葉が紡がれた。
しかし、こんな魔剣がどうやったら、雑魚盗賊共のアジトに有ったんだ?
「我が主よ。そなたの名前は?」
「俺の名は『レン』だ」
「我が主レンよ、これから幾久しく共に歩むのじゃ!」
……あ、ユイが再起動した!
「ちょっと待ちなさいよ!」
「誰なのじゃ?」
「私はレンの幼馴染みで、レンの恋び……」
「なんじゃ。 我が主の番なのじゃな。
安心するのじゃ。 所詮は、妾は武器でしかないのじゃからな」
「……え!?」
「それじゃあ、キサラとユイは気が済むまで話し合ってくれ」
こういうのは、下手に男が混じったら大変だからな。
「分かったわ」
「分かったのじゃ!」
その間に、俺とリンは昼食の準備を始めた。
「先に食うぞ?」
「「……」」
「返事が無いので、先に頂きましょう」
「俺は後で良いよ。 お姉さん達、先にどうぞ」
「でも……」
「良いから良いから」
「「「……はい、ありがとうございます」」」
囚われていた女性達が食べ終わる頃に、ユイとキサラの話し合いは終わった。
「これからよろしくね」
「よろしくなのじゃ!」
俺達と昼食が終わった時に、公爵からの斥候の人達が来た。
「……無事だったか。 で、首尾は?」
「人命優先で1人殺したけど、残りは生きているよ」
「それは上々だ」
この後の処理は、この斥候の人達に任せて俺達は王都に戻った。
王都に戻った俺達は冒険者ギルドに行き、キサラの冒険者登録をする為に中に入った。
「何時も以上の視線を感じるわね」
「そうだな」
それは仕方ないとも言える。
リンとキサラが並ぶと「双璧」みたいな感じで凄い事になっている。
どちらも綺麗系の顔で、リンは風紀委員長タイプで、キサラはヤンキーと白ギャルを合わせた様な感じだ。
そして、俺達は受付嬢が待つカウンターに到着した。
「今日は、どの様なご用件でしょうか?」
「彼女、キサラの冒険者登録をしたい」
「畏まりました。 では、この用紙にご記入してください」
「分かったのじゃ!」
「代筆は必要ですか?」
「大丈夫なのじゃ!」
キサラが用紙に書き終わると受付嬢は内容を確認して、冒険者登録が終了した。
「……ねえ、レン」
「何、ユイ」
「4人になったけどパーティを組む?」
「……それがあったな」
「それでは、パーティを組まれますか?」
「ああ。 この4人でパーティを組む」
「では、皆さんの冒険者カードを」
俺達は、冒険者カードを出すと、それを回収して、何かの道具に差し込む。
「パーティ名はどうしますか?」
「レンに任せるよ」
「レン様に任せます」
「我が主が決めれば良いのじゃ!」
「……それなら、パーティ名は『星屑』で」
「畏まりました。 パーティ名を『星屑』にします……冒険者カードをお返します」
冒険者ギルドから出ようとして回れ右をすると、テンプレさんが、顔を赤らめていた。
「ちょっと待ちな……ヒック」
「そうだぜ……ヒック」
この2人、酒臭ぇー!
「何の用だ?」
「てめえみたいなガキには勿体ない女を連れているじゃねぇか。
釣り合わねえから、ガキは消えな」
「そうだぜ。 ガキは消えろ」
「断る」
そう俺が言った瞬間に、氷の刃の様な殺気が支配する空間となる。
……まあ、原因は分かっているけどな。
「キサラ、抑えろ」
「しかし、我が主よ」
「命令だ」
「……分かったのじゃ」
「キサラ、見ていろ」
「ハイなのじゃ」
キサラに指示を出すと、恒例の「煽り」を言った。
「しかし、見事に化けているな」
「「あぁ?」」
「お前ら、ボブゴブリンだろ?」
「「……殺す!」」
……先程の酔っ払いは、冒険者から鉱山労働者に職換えをして、俺に大銀貨2枚をくれた。
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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