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入って良いか?

現実は、綺麗なだけじゃない。

 


 俺達も野営の準備が終わり、夕食を食べていると、他の野営組の1つから誰かが来た。


「ちょっと良いか?」

「何の用だ?」

「美味そうな匂いをしているな」


 まあな!

 日本の調理に関する知識が、この異世界でも通じていて、より美味しく作れるから、リンも知らない知識や技術が有って、驚いていたなぁ。


 さて、この野郎の台詞せりふだが、御椀を持参していない。


 ……嫌がらせか、タカリだな。


「両手サイズの御椀1杯で、銀貨1枚」

「……は?」

「だから、両手サイズの御椀1杯で銀貨1枚だ」

「巫山戯んな!」

「嫌なら、立ち去れ」

「……殺す!」


 ……はい、殺人の意思表示に武器を抜いた事を確認。


裂風刃エアロブレイド


 ザシュ!


 ……ほんの数週間前までは、モブの中坊だったのに、すっかりグロなスプラッタに耐性が出来ちゃったなぁ。


「……!? このガキがー!」


 タカリを風魔法で斬首した所を見た仲間が、ブチギレで武器を抜いて迫って来た。


雷撃弾ライトニングバレット五連」

「「「「「……がっ」」」」」


 俺は、食事を中断してタカリ集団から身包み剥いで、野営地に隣接する林にタカリ集団を縄で繋げて引き摺りながら、ちょっと奥に入って風魔法の応用で深めの穴を掘って放り込み、焼却すると穴を埋めて戻った。


 俺は、タカリ集団が居た野営場所に行く。


「……結構、立派な馬車だな」


 どう見ても、貴族以上が使う馬車で、しかも、4頭引きだ!


「……怪しいよな?」


 俺は慎重に馬車の周りを確認してから、幼稚園とかの送迎バスぐらいの大きさの馬車の出入り口を開ける。


「……マジかよ!?」


 俺は一瞬だけ見て、直ぐに馬車の扉を閉めると、リンを呼んだ。


「どうされました?」

「……入れば分かる」

「……? 分かりました」


 馬車の中を確認したリンはユイを呼び、対処した。


 ……被害者は、処理を一通り済んだ後にリンの魔法で強制的に眠らせた。


 翌日、他の野営組は出発したが、俺達は残った。


「入って良いか?」

「……ど、どうぞ」

「失礼します」


 大型馬車に入ると、そこには睡眠魔法で一晩寝た筈だが、全員の顔色が悪かった。

 そして、中に居たのは6人の美女と美少女だった。

 内訳は、被害者(未遂)は美少女2人で、実害を受けた被害者は美女2人と美少女2人で、被害者(未遂)の身分は、マルファーレ王国に所属するファルカナ公爵の令嬢(次女14歳)と、ミナーリス侯爵の令嬢(三女14歳)だ。

 実害を受けた被害者の美女2人は、被害者(未遂)の令嬢の専属侍女(18歳)で、美少女の2人は2人の令嬢のメイド(15歳)だ。


 それで何が有ったかだが、公爵家の領地でお泊まり会みたいな事をした帰りに、タカリ集団の奇襲に遭い、護衛が全滅し、彼女達の身分を知ったタカリ集団は、両家から強請ゆする為にマルファーレ王国の王都に向かった。

 そして、公爵家の専属侍女が「貴族令嬢が純潔を喪うと家から切り捨てられる!」と言って、2人の貴族令嬢を守ったが、代わりに専属侍女達がタカリ集団の獣欲に汚された。


 ……重い。


「気分がまだ優れないみたいですね」

「……ご配慮ありがとうございます」

「……ありがとうございます」

「あの……」

「はい」

「冒険者の方だと、お見受けします」

「はい。俺達は冒険者です」

「冒険者の方であれば、普段の口調で構いません」

「よろしいのですか?」

「「はい」」

「……分かった。 先ず、貴女達だけでも命が救かって良かった。

 次に、1人金貨12枚で秘密を秘密のままにする事を約束する」

「……ありがとうございます」


 金銭的なお礼は要りません……じゃあ、向こうは安心しないだろうとの予測からの金銭要求だ。

 異世界ファンタジー系ラノベでも、よく有ったシチュだからな。

 彼女達も、俺の意図である口止め料だと察してお礼を言った。


 この後、彼女達は多少の無理をして、今後の話し合いをした。


 その結果、彼女達の大型馬車は俺の「倉庫」に仕舞い、貴族令嬢の2人とメイド2人は俺達の馬車に乗り、専属侍女2人は馬に乗って王都を目指す事にした。

 勿論、残った2頭は俺の馬車に繋げている。


 そして、少し「巻き」で俺達は王都に向かい、公爵令嬢から俺が狙っていたお言葉「……もう、出発しても大丈夫です」を頂いた。

 勿論、俺も「既に出発しています」と返し、公爵令嬢と侯爵令嬢が外の流れる景色を見ながらハモって「馬車が動いています!」と言った。


 ……良し!


 同時に、共犯者なのにユイからは冷たい白い目を頂きました。


 俺達は、午後2時にマルファーレ王国の王都に到着して、公爵家の紋章付きの短剣を貴族門で提示して、簡単な目視で検問が終わった。

 因みに、公爵令嬢の名前は「マリーディア=ミスル=ファルカナ」で、侯爵令嬢は「シャルロット=セアス=ミナーリス」だ。

 公爵家の専属侍女が「ミネアリナ」で、メイドが「アリサ」だ。

 侯爵家の専属侍女は「マリーニャ」で、メイドが「シリカ」だ。


 ……そして、俺達は公爵家に向かった。 


 公爵家に到着すると、専属侍女のミネアリナが事情を説明した事で、俺達は大型馬車と俺達の馬車に繋げた馬2頭を返却した後、一旦客室に待つ事になり、ファルカナ公爵はミナーリス侯爵を呼んだみたいで、到着すると俺達も呼ばれて改めて話し合いがされた。


 ……その結果だが、先ずは、支払う口止め料が、金貨12枚から白金貨12枚に変わり、両家の恩人待遇に昇格した。




厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点とブックマークをお願いします。


リンはユイを呼んだ後に、馬車の中を洗浄クリーンを掛けたので、ユイは馬車の中や彼女達に付着した白濁液を見ていません。

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