溺愛される主人公
「ねぇ……先生。いつまで子供だと思ってますの?」
フレデリカがベッドでよつん這いになって俺に迫る。フレデリカはネグリジェ姿だ。
俺は思わず目をそらす。フレデリカが俺の家に泊まると言い出した時、俺はもちろん断った。だがフレデリカがギャンギャン泣き叫んで……フレデリカの両親の承諾を得て仕方なく俺の家に泊めることになった。
それはもちろん生徒と先生の関係を守る前提でだ。
だが、こんなことになるとは……
月明かりの仲フレデリカの裸体が艶めかしく輝く。フレデリカはよつん這いで俺を潤んだ瞳で見ている。
「フレデリカ駄目だ。俺はもう退職したが元教師だろ? だからやめてくれ」
俺はフレデリカに懇願する。
「アーサー先生。私のこと嫌いですか?」
フレデリカが聞く。
「いや、嫌いじゃないが。むしろ可愛いと思っている」
「私もアーサー先生のこと素敵だと思ってます。お互いがお互いのことを素敵だと思ってて……じゃあお互いどうして我慢してるんですかね」
フレデリカが誘惑する。
「あっそれは……」
「先生!」
とフレデリカが俺に飛びついてきた。
「うおっ!」
俺はベッドに押し倒され体の上にはフレデリカの柔らかな感触を感じてしまう。
「うあ……これは……」
俺は思わずうめく。
「先生……いいですか。この世界に色んな女の子が居て、そしてその女の子が思い思いに初めての夜を迎えることになります。そのうちどれだけの女の子が本当に好きな人と素敵な夜を過ごせると思いますか?」
フレデリカは俺の耳元でゆっくりと囁く。
おおお……フレデリカのいつもに増して低い声が俺の耳元に響く。
「私はそんなに多くないと思いますの。自分が嫌なのに男性が望むからとつい受け入れてしまったり。好きだと思っていても受け入れた後で後悔したり。本当に好きな人と幸せな夜を迎えられた女の子なんてそんなにいないのかも知れないですね」
フレデリカは俺の耳元で囁く。そのたびに俺はビクッっとする。
「だから本当に好きな人と結ばれて心の底から良かったと思えた女の子はきっと幸せなんでしょうね」
と言うとフレデリカは俺から体を起こしペタンとベッドに座った。そして自分の下着を外していく。
うおっ! フレデリカの裸体が……
するとフレデリカは潤んだ瞳で見つめて言った。
「アーサー先生。どうか私をその幸せな女の子にしてください」
「!」
俺の理性は弾け飛んだ。俺は思わずフレデリカにキスをする。
「ん……」
フレデリカがあえぐ。
俺はそのままフレデリカをベッドに押し倒し指を絡ませた。
朝
チュンチュンチュンチュン……
俺のそばにはフレデリカが満足気に寝ていた。
あぁ! しまった! やってしまった。俺は自分の生徒になんてことを……なんてことを……これじゃレイモンドを責められない。俺も人間のクズ!
俺は頭を抱える。どうして……どうしてこうなったんだ……
◇
チュンチュンチュンチュン……
「はっ!」
俺は目覚めた!
あっ! えっ! 今の夢だったのか! あっ! そうだ! 思い出した。俺は半ばムリヤリにフレデリカを家に送り届けたんだ。フレデリカは怒ってたな。絶対他の女の人とベッドで寝ないでください! って言ってた。
良かった。賢いな。前の日の俺。フレデリカを泊めてそれで誘惑されたら俺は本気で道を踏み外していただろう。まぁフレデリカは18だから法的には問題ないが。いや、そういう問題ではない。俺の仕事に対するプライドの問題だ。それに誰も信じないだろう。教師をやめてすぐに生徒と恋人同士になりましたーー。なんて。いや、そりゃお前絶対教師やってたころに手をだしてただろ! って言われちゃうわ。
だからこれで……
「うおっ!!」
俺は思わず叫ぶ。そして飛び退いた。なんと俺の隣にはミヤビが素っ裸で寝ていた。
「うおっ!」
俺は再び驚く。
「おはようさん。どないしたん。アーサー。おーきな声出してからに」
ミヤビはムクリと起き上がる。ミヤビの整えられた髪型は乱れていて肩まで髪が伸びていた。
「なんで一緒のベッドで寝てるんだよ! しかも裸だし……」
俺は困惑する。改めて見ると俺も裸だった。俺は青ざめる。えっ? どういうこと?
「ホンマ昨日はすごかったなぁ。ぎょうさんウチの体にそぞぎそこんでくれて……しかし、いいもんやなぁ。朝起きたら好きな男の人が隣にいるって言うのは」
ミヤビが満足そうに笑う。えっ? これまだ夢の中? ミヤビは確か村正から俺が生み出した……なんかよく分からない生き物。
俺は昨日のことを思い出していた。だが全く思い出せない。なにが起こったんだ。俺は踏み外してしまったと言うのか。
「ほいっ!」
ドサッ!
と言いながらミヤビは俺に背中を預けてきた。俺がミヤビを後ろから抱きしめるような格好になる。そして振り返るとように媚びたような目で俺を見上げた。
「ちょっと寒いなぁ。ほら早く抱きしめて暖めてーや。ちゃんとぎゅーせなあかんえ。ほらぎゅーして」
ミヤビは俺の手をとり抱きしめるようせがむ。俺の手がミヤビの胸に当たる。柔らかい……
ギュッ!
「あっ……」
俺は乞われるがままにミヤビの体を背中から抱きしてた。いや、ホントこれどうなってるんだ。
「ほら。あーさーぁ。うち朝起きたら口の中ねばこいことになってんねん。でも好き同士ならねばこくても口づけ出来るハズやろ。どうやろう。してみーひん? あーさぁー」
と言ったミヤビは振り返りながら俺に口づけをせがんだ。えっ? 俺は本当に昨日なにをやったんだ。俺は……俺は本能的にミヤビに口づけしそうになった。
「先生。なにをやってるんですか?」
とエリスがネグリジェ姿でそこにいた。
「うおおおおおおおおお!!!! エリス!!」
俺が飛び起きる。エリスは俺と同じ部屋の床で寝ていたようだ。ネグリジェ姿でシーツを体に巻いている。
「まさか。浮気じゃないですよね。アーサー先生。違うなら私にキスをしてくだい」
と言ってエリスは俺に手を広げてせがんだ。
「ちょっと途中で終わったらあかんやん! もっと続きしてぇな!」
ミヤビが俺の足を引っ掻いて怒る。
俺は思った。あっそうか。これも夢か。夢落ちか。なんだか現実感がないと思っていた。
と思ったら俺は気が楽になってフラフラとエリスのところに歩いていく。
「先生……」
「エリス……いいかキスするよ」
「アーサー先生。この唇は先生専用ですよ。いつでも好きな時に奪ってください」
エリスが俺を潤んだ瞳で見る。
カチャ。
ドアが開かれる。
「なにをやってるんだ。アーサー。浮気か」
これまたネグリジェ姿のミラーカがドアを開けて現れた。
「うおおおおおおおお!!!」
驚いて飛び退く俺。そしてガコン! と壁に頭をぶつける。
「!」
意識を失いそうになる俺。
まだまだイチャイチャ続きますよ!!
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