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結局、あの後はひっきりなしにお客様が来てくれて独楽ネズミ状態だった
領主である辺境伯様とギルマスが来店した時はちょっとみんな引いてたし。
気にせずならぶ二人と護衛さんはちょっと笑えたわ
戻ってすぐオープンしてるとは思わなかったらしくて数量限定のケーキは残り1つ
喧嘩してたわ(笑)
結局、辺境伯様は食べたことあるだろ!ってギルマスが訴えてギルマスが食べてた
プリンもありますよっておすすめしたら
二人ともプリン注文してくださって
コーヒーと甘いものですっかり
ご満悦だったらしい。
サンドイッチの切り落とした耳で
ラスクも作ったので、護衛の方にお裾分け。
「甘いもの苦手で無ければ皆さんでどうぞ。たいしたものではないので申し訳ないのですが。サクッとして美味しいですよ。」
「?!い、いいのでありますか?」
「ええ、どうぞどうぞ。今度、食べた感想お願いしますね。」
「ありがとうございます!」
そんなやり取りの横で
「儂の分はあるのか?」
「無いですよ。」
「な!」
「護衛の方の分です。使用人の方なら食べていいですけど」
「なぜじゃ!」
「辺境伯様は今食べてるじゃないですか。
このお店、1人なので遅くまで開けられないんです。人手不足でなので使用人の方はお休みじゃない限り来られませんから
それに、メニューにない余りもので作ったスイーツなので。」
「売ってないならますます食べたいじゃろ〜!」
「シェフに言えば作れるはずですよ」
「マジか!」
「ええ、パンの耳のラスクって言えばわかるはずです。わからなかったら聞きにてください。教えますから」
「わかった!」
「なあ、スチュアート食べに行っていいか?」
「なんじゃ、お前も食べたいのか?
沢山できたら、差し入れさせよう」
「やった!サンキュー!」
辺境伯様スチュアートって名前だったんだ
3年も働いたのに知らなかった…。
(どうかしてるっピ〜)
そうよね…。
(落ち込むとは珍しいっピ)
目で会話する1人と1羽だった。
カランコロン
そんな中突然外が騒がしくなった
「いつまで待たせるんだ!私を誰だと思っているんだ!」
キンキラキンの趣味の悪い金髪おかっぱさんがドシドシとお付きの方と共に入ってきた
「あらまあ…」
「うるさいのが来ちゃったよ〜」
「並んでないじゃない」
など小声の不満がボソボソ聞こえてきた
「いらっしゃいませ、お客様
当店は順番にご案内しております。並ばないお客様を先にお通しする訳にはございません。
最後尾にお並び下さい。」
「私を誰だと思っているんだ!直ぐに席に案内しろ!」
「誰だか知りませんし、並ばない方を案内する席もございません。いま、満席ですし。申し訳ございませんがお引き取り願います。」
「わ、私をガルシア子爵と知っての狼藉か!
この私にこの態度!引っ捕らえて牢に放り込め!」
「お帰り下さい」
「おやおや、これはガルシア子爵ではないか。久しぶりじゃの。この辺境へなんの御用かな?」
「お前に話してないわ!このむす…?!
へ、へ、辺境伯様!これは失礼いたしました。
このような店におられるとは思ってもおりませんで。この娘の今の発言お聞きになりましたよね?!この私に向かって平民の女が帰れなどし失礼千万!引っ捕らえる所であります!」
「失礼はどっちじゃ。呆れるわい」
「今、なんと…」
「失礼はどっちじゃ!とい言ったんじゃ!
並びもせんで貴族振りかざして恥ずかしくないのか!ここはお前の領地では無い!お前が威張れるはずないじゃろうが!
貴族だからとキンキラ金ばっかり無駄に使いおって!お祖父様が草葉の陰で泣いて居られるわ!」
「し、失礼しました」
言い終わらないうちに逃げるように帰って行った
ビュンって音が聞こえた気がした
「すまんな、マリアンヌ。」
「いえいえ、かえってありがとうございました。」
「なあに。伊達に辺境伯しておらんわ
困ったら直ぐに知らせろ。
ケーキ1つで引き受けよう」
「毎日食べると病気になっても知りませんよ。体動かしてますか?」
「何、これは病気になるのか?」
「毎日体を動かし汗水流して健康的な生活してればなんともないですが
デスクワークばっかりで動かずに、ケーキばっかり食べると病気になりやすくなったり、病気なったりしますよ。太りますし。
肉ばっかりとか野菜ばっかりとか栄養が偏れば病気になります。ケーキだけが問題ではないのですよ。」
「なら、問題ない。毎日稽古しとる」
「なら1つくらいなら問題ないですね。
今度は体に優しいフルーツたっぷりタルト作ります」
「フルーツたっぷりタルト…おほん。楽しみにしておるぞ」
「はい。できたらお知らせしますから、是非食べに来てくださいね。」
こうして、ギルマスと辺境伯様はお帰りになりましたとさ。
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