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明け方辺境伯様のお屋敷に馬車が到着した。


スチュアート様とすぐに会えることになり、応接室に

子ども達はまだ眠っているということだった。


事の顛末をスチュアート様に説明して

オーディンの今の様子を見せたらスチュアート様は頭を抱えた


「仮にも儂の影だったのに…なんという不甲斐なさ。

しかし、呪いとは…。こちらでも調べてみる…鑑定士がそう言うなら様子を見るのが一番なのじゃろう。

子ども達が起きたら、家に送るから2人で先に帰ったらどうじゃ?」


「オーディンは自分の部屋から家に来ていたんです。荷物とかは?」


「ああ、それ儂の屋敷からじゃよ。

あとで荷物も運ばせるから」


「こう考えると、私オーディンのことあんまり知らないのかも…。」


「マリアンヌ嬢?大丈夫か?」


「お主のせいじゃろが!まぁ、覚えておらんのだから仕方ないか…」


こうして、そこからとぼとぼと2人で歩いて帰った。

ここの道でこんなことがあった、とかここを通ってみんなで帰って来たとか


「じゃーん。ここがうちの店ですよ~」


「閉店中」


「ええ、一時的にね」


「私のせいだろうか…。」


「すぐに帰ってくるって言って1月戻らなかったからね。

店休みにして迎えに行くことにしたの…

迎えに行くの遅くなってごめんね。」


「私がすぐに帰って来ると言ったのだろう…こちらこそ申し訳ない…。」


「さ、中に入ろう」

なんだか、謝られるたびに涙が込み上げてくるのと記憶が戻らないことへの不安で

マリアンヌは今すぐ一人で泣き叫びたい衝動にかられていた

ただ、もう少しで子ども達も戻って来る…


(泣いている場合じゃない!笑顔笑顔!笑うのよ!)


鍵を開けて中に入りお店の説明

裏の畑も見せて思い出話をする。

中に戻り住居スペースへ

そこでも、子供たちとオーディンの話をしてオーディンの様子を見る。

(ダメそうね…)


「そんなにすぐは記憶は戻らないわね。ふふふっ

朝ご飯食べましょう。あーお腹減った。すぐ準備するから」


思い出のあるメニューの方がいいだろうと

サンドイッチを作った


「パンがフワフワだ!」

目を見開き驚くオーディン


「?オーディン…この世界のパンってフワフワじゃないの?」


「スフィア侯爵家の屋敷のパンは固かったぞ。」


「なら、そっちが普通ね…。もしかして食べに来てくれているお客様は

これがパンだとは思ってない…いや、そんなわけないわよね…でも」


マリアンヌは今までの営業内容を思い出す。

ケーキを食べたお客様もびっくりはしていた。

美味しいからだと思っていたんだけど…値段も安すぎるっていっつも言われていたけど。


「オーディン…ケーキ食べてみてくれる?」


「ああ。どうかしたのか?」


「ちょっと、確認したいのよ。」


そう言うとすぐにショートケーキを出してオーディンに出す


「これは美しいな。白い乗ってるやつはやわらかいのだな…」

目が見開く


「これは、フワフワというよりシュワっとなくなるな…凄い。

マドレーヌなどは柔らかいがこれは重さを感じないな

白いのも美味いな…」


「オーディン、こんな食べ物他にないの?この世界」


「うーん。世界中の食べ物を確認したことはないからな…スフィア侯爵領の中には無い。」


「でもスチュアート様の屋敷には生クリーム、この上の白いクリームなんだけどあったのよ」


「こんな形の物があるのか?」


「これはね。トロッとした白いミルクの濃い物で泡だて器でたくさん混ぜた物なの

沢山混ぜて空気が含まれるとこうやって絞り出すとこの形にできるの。

元々生クリームは甘くないし、形は液体だわ。」


「そうか…。砂糖が高いからやはりこれは高貴な食べ物だな。」


「ええと、うちの看板メニューよ。1個500ルピで売ってるわ」


「!! 採算取れないだろう! 砂糖はどれくらい含まれているのだ1つに何グラム」


「ちょっとまって、計算するわ」


生クリームは400gに大匙2程度だから30g

スポンジは1ホールに80g

8カットで1個13,75g


「1個おおよそ14gかな」


「1kg10000ルピもするものをその値段で大丈夫なのか?」


「砂糖ってそんなに高いの?」


「知らなかったのか?」


「ええ。そういえば市場には砂糖売ってなかったわ。」


「市場で砂糖は取り扱えない。塩や砂糖は貴重品だらかな。

ギルドが直接量を加減して販売している。

どこで仕入れているのだ?」


「畑よ。」


「?畑では塩や砂糖は取れないだろう?」


「採れるのよ。」


「いやいやそんなばかな」


「さ、こちらへどうぞ」

オーディンを引き連れてもう一度畑へ連れていく


「ん…ん。」


「オーディン大丈夫?」


頭を押さえて蹲るオーディン


「頭痛いの?」


そのまま肩を貸して、ベッドへ連れて行き少し寝て貰う

そうこうしてると、子供たちが帰って来た


「「ただいまーー!!!」」


「おかえり、ロッタ、キキ」


「オーディン帰って来たんでしょ!」


「オーディンどこ?」


「2人ともよく聞いて。オーディン。記憶が無いの…

私達のこと覚えてないの…。ごめんね。

治して戻って来れなかった…ごめん。」

涙がポロリポロリと零れる、子供たちの前では笑顔でいようって思ったのに…。


「ママ。泣かないで」

とキキ

「オーディン、元気なんでしょ?」

とロッタ


「ええ、元気よ。そこは心配ないわ」


「なら、いいじゃん。記憶は戻るんでしょ?」


「でしょ?」


「鑑定士さんは、私達と一緒にいればいつか戻るって言ってたわ。」


「オーディン。どこ?」


「さっき畑でね、頭痛がして今はベッドで寝てるわ。」


「見てきてもいい?」


「うん。静かにね。」

2人はそろりそろりと階段を上がっていった。

その姿をみて、なんて可愛いのだろうと心が温かくなるのを感じた。


「さて、休んでる暇はないわね!教会に行ってお仕事再開を伝えないと!」


コンコンコンと裏戸がなった

「あ、開いてる!」


「アギー。いらっしゃいちょうど今お仕事再開のお願いをしようと思っていたの」


「ほんとか?やった!いつから?」


「今日の午後からお願いして良い?」


「わかった、今から戻って連れてきて仕事するぜ!」


「今日はみんなでいらっしゃい。帰りにお土産あるからね!」


「よっしゃ!頑張るぞー。あとでなー!」


「気を付けるのよ~!」


走って帰るアギーを見送るのだった。


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