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Vol.1 ーマスターは無口ー
マスターは無口なの??
「こんばんは、どーもどーも!」
扉を開けて、私に挨拶をする。彼はよくここへ来る常連さんである。彼女の名前はMさんにしておこう。本名は1回きり聞いただけで忘れてしまった。
「いつものちょうだい」と言われ、生ビールを渡す。
なぜMさんがここへ来るのかというと、ここはBARだからだ。そして、私はこのBARのオーナーである。名前は伏せておきたい。
「ねぇ、聞いてよ。今日上司がさー」とこの日にあった事を私にゴミ箱へ捨てる様な勢いで愚痴る。しばらくたって「マスターは今日なんかあった?」と聞いてきた。私は答えた。「特にありませんよ」Mさんがそれに反応する「えーつまんな。愚痴をね吐き出さないと体に良くないよ!」私は無言になる。