神作品が紙作品に感じてしまう瞬間
日本語の誤用
とりわけ『おもむろに』という言葉に焦点を当てたいと思います
本文を読む前にまず知っていていただきたいのだが、これは批判ではありません。
ただ、2つの読み方があり少数派が本来は正解ということです。
『おもむろに』という表現、とても便利で昨今よく使われるワードの1つでしょう。
「勇者はおもむろに魔王に切りかかり、反応の遅れた魔王(ry」
実際、このように枕詞のごとく使われることが多いですね。
おそらく、「不意に、唐突に」といった意味で使っているのでしょう。
ここで『おもむろに』の意味を掘り下げてみましょうか。
漢字で書くならば『徐に』となります。
『徐々に』といった使い方があるように「動作が静かでゆっくりしている様子」なのです。
つまり上の文章は「勇者は静かでゆっくりと切りかかった」にもかかわらず「魔王は反応に遅れた」という矛盾が起きるのです。
そんなこと気にするなんて小さいやつだって?
ええ、私自身そう思いますよ。
しかし、『おもむろに』に限らず日本語の誤用は危険な域にあるのです。
先日はとある番組で「彼はおもむろに線路に飛び込み-急なことに誰も止めれなかった」という字幕。
なんでやねーん。
ゆっくり飛び込んでるのに誰も反応できんかったんかーい。
公式放送でさえこうなのです。
いっそ国語辞典はこの誤用を正式なものとしてほしいくらいです。
そうすれば私が大好きな作品を読んでいて「なんで対応できてないねーんw」と雰囲気をぶち壊すこともないですから。