序章
ホムンクルスと呼ばれる生物が世に出回るようになったのは、ここ最近のこと。出回るといっても、その購入には、国を動かせるほどの資金が必要であるため、その所有者は富裕層ばかりだ。それでも、このホムンクルスを望む声は止まない。ホムンクルスはそれほどまでに、人を引き付ける魅力があった。
ホムンクルスとは、人造の人間型生物である。ロボットと異なり血が通い、感情もある。またその容姿は端麗で、知能も身体能力も高い。世界で唯一ホムンクルスの製造、販売をしているホムンクルス協会では、富裕層に対し、愛玩、護衛等、様々な用途で使える麗人として、このホムンクルスを売買している。
しかし、ただ容姿がよく、知能も身体能力も高いだけでは人と同じだ。人身売買を否定しているが、富裕層が多い先進国では道徳的観点からみても、流行りがたいものと最初は見られていた。だがこのホムンクルスは、唯一人とは異なる点があった。それが、不老不死の体。刺されても撃たれても死なず、また老いることのない体のホムンクルスは人ならざる「使用人」として、瞬く間に流行した。
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