オークvsユウキ!
まだ…まだこの物語に伏線すらロクに…
新しい武器を手に入れた俺とゼツさんは
オークの出る近くの森へ入る
ちなみに俺の格好は緑のローブに腰にミスリルソードを横に着けた状態
攻撃力はあっても防御は薄い
一方ゼツさんは
さすが冒険者
装備が確りしている
プラチナプレートの鎧になんの鋼材かわからないロングソードが二本、腰の位置でクロスしている
俺も防具欲しい…
革製ので良いから…
そんなことを暫く考えていると…
「止まって」
前を歩くゼツさんが止める
すると
ガサ…
近くの茂みが動き
「ブオオオオ!」
オークが出てきた
が…
ブンッ!
「ブァオオオ!?」
ゼツさんに袈裟懸けに切られて絶命した
つぇー…ゼツさんつぇー
でも…
「ゼツさん、これじゃぁ俺が戦果上げらんねっす」
「あ…」
忘れてたんかい!
「いやー…ごめん」
謝罪貰ったんで次行きましょう次
◇
◆
◇
ザッザッ…
と最小限の音を立ながら
森の中を歩く
すると
ガサ…
茂みが揺れ動き
「「ブオオオオ!」」
2体のオークが出てきた
「ゼツさん、俺が両方殺ります!」
釘指さないと両方ゼツさんにやられそうなので釘を指す
(さて…まず鑑定だ)
――鑑定!――
オーク(名前なし)
Lv1
HP8
MP0
スキル類なし
オーク(名前なし)
Lv2
HP12
MP2
スキル類なし
(大丈夫、楽勝だ…)
ロングソードを横凪ぎに振るう
「ブォッ!?」
ズバッ!
と手に来る感覚は軽いが
実際はオークを横に両断した
(ずいぶん軽い感覚だな
いや、ミスリルソードだから出来たのか
普通のロングソードならこうはならないだろう)
と考えつつ最後の1体に向きなおる
「ブオオオオ!」
片方がやられてムカついているのか
馬鹿正直にまっすぐ突っ込んでくる
(動きが単調すぎ)
ズバッ!
これまた横凪ぎで両断した
「へぇ…中々やるね」
ゼツさんに褒められた
「そ、そうっすか?」
「うん、これならDランク…いやCランクでもやっていけるかも」
人間、褒められて嬉しくない奴などいない
当然浮かれるユウキである
「じゃあもっと狩りましょう!」
そう高らかに宣言し、森の奥へ入っていく
「あ、コラ!」
そしてそれを駆け足で追いかけるゼツ
◇
◆
◇
「で?何か言い訳はありますか?」
「「ありません」」
ギルドの解体室にて
ユウキとゼツは正座をさせられている
目の前の机には大量の討伐証である鼻と少量の肉、魔石の破片
つまり
「つい取りすぎちまったぜ!てへっ☆」
「てへっ☆っじゃないですよ、てへっ☆じゃ
あれだけ無茶はしないよーにと…」
受付嬢さんの小言が始まったので聞き流す事にする
あのあと10体程のオークを狩った
(ムフフ、この分なら確実にレベルが上がっている筈!)
てなわけで
――――
鈴木勇輝
7才
Lv8(5)
職業(未確定)
HP400/400(250)
MP400/400(250)
アクティブスキル
・剣術Lv1
・万能睡眠LvMAX
・土木4段
パッシブスキル
身体強化Lv1
・伸縮爆弾Lv2
・気砲LvMAX
ナンパ2段
固定スキル
・鑑定Lv1
・喧嘩空手2段
装備
魔術師初級のローブ(6級)
ミスリルソード(3級)
ニューバランス(測定不能級)
――――
「おぉ!かなり上がってる」
「ん?どれだけ上がったんだい?」
ステータスの急上昇に喜んでいると、ゼツさんが話しかけてくる
(ゼツさんには言っても大丈夫かな?)
ユウキはゼツにステータスを教えることにした
「Lv8に上がったんですけど、HPとMPが400になったんです」
「ッ⁉」
ユウキの言葉を聞いてゼツは驚きで目を見開く
「ユウキ…今僕に言ったこと、あまり周りに話さない方が良いかも知れない」
と物凄く真面目な顔でゼツさんにいわれる
「えっと…どうしてですか?」
「普通の冒険者なら…強さは憧れの素になる
でも君はまだ幼い身だ、幼い君が一介の冒険者より低いLvで強くなれるとわかったら…
利用しようと考える奴が出てくる筈だ」
「…」
なるほど、ゼツさんの言うことも最もだな、とユウキは思った
だが
(…いずれ一人立ちするときも来る、バレないようにこそこそしないで堂々と振る舞った方が良いだろ)
密かに一人立ちの為の準備を進める決意をする
そしてその決意はそう遠くない未来で役に立つのである
鈴木勇輝
通称ユウキ
7歳(精神年齢14歳)
異世界にきて二日目の出来事であった
「正式な出番まだお預けだからね?」
神野「えぇっ!?」