表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

おチュンの出来事

作者: 生きる人

スズメが可愛くて、お話を書いてみました。スズメの会話が判ると良いなぁって思ったので。

チュンチュン。!

今日も良い天気!…お腹空いたなぁ…ん?

いつも遊んでる空き地の横に立ってるアパートに住んでる人間…こっち見てる。

ハッ‼︎ま…まさか⁈私を食べる気⁈

…んな訳ないかぁ。あれ?なんか窓が開いてテラスに何か置いた…お米だぁ‼︎

しかも沢山!わぁ〜い!わぁ〜い!お米大好き♪いっただきまーす♪…いや、待てよ?

こうやっておびき寄せといて…パクリって。ちょっと人間を観察しよう…おかしい。

ニコニコして見てる…優しそうな笑顔で。

あれ…?人間って、こんなに優しそうな感じなの?

小さい頃から、人間は恐ろしい生き物だから気を付けなさいって母さんから言われてたけど…あの人間は怖そうじゃないぞ?

ジリジリ近くに寄ってみようかな?

周りの友達は、辞めろって騒いでる…。

ピーチクうるさいっての…私もピーチク言い返してるから同じか。

よし‼︎レッツチャレンジ‼︎

チュンチュン…チチッ!

もう見上げたら大きな人間が‼︎うわ〜…ん?

やっぱりニコニコしてる。何か話し掛けてる…お米、食べてみようかな。

パクッ!

美味しい‼︎…そっと見上げてみた。

いっぱい食べて行けよ〜…って。この人間、優しい⁈

よし‼︎友達を呼んでみようかな。

最初は友達も警戒してピーピー騒いでたけど…お米欲しさに来た。恐る恐る食べてる。

またコソッと見上げてみた。人間も、こちらを驚かさない様にコッソリ見てた。

やっぱりニコニコしてるなぁ…。

人間って…何か不思議。

中には乱暴な人も居るのに…この人達は違うなぁ。

私は人間が好きになった。

ピピッ‼︎チチッ!

それに対して、いつも優しく話し掛けてくれる。

ある日、いつもの様にお米を食べてたら…

背後に猫が‼︎お米に夢中で気づかなかった‼︎

うわ〜‼︎…と、思ったと同時に凄い足音が‼︎

コラー‼︎あっちいけ‼︎

そう言って、ホウキを振り回して猫を追っ払ってくれたのは、お米をくれる優しい人間。え?守ってくれたの⁈

私はその人間を心から信用した。

そして…現在に至る。

娘や息子…孫とひ孫を連れて何年も来てるけど…私の寿命もあと少し。

もうお米を食べる事すらままならない。

優しく人間…名前を覚えた。

ヒロさんと言う名前。相手の女性が呼んでたのを耳にして覚えた名前。

ヒロさんは、お米を噛み砕けない私の為に

炊いた御飯を持って来てくれた。

何処まで優しいんだろう…。私は胸がいっぱいになった。

数日過ぎた頃から私は飛べなくなった。

もう寿命かな…楽しかったなぁ。ヒロさん達と出会って幸せだった。気が遠くなって来たなぁ…フワッ。あれ?身体が空に浮いた?

もう私、死んじゃったのかな?

しっかりしろ‼︎死んじゃダメだ‼︎

……ヒロさんだ‼︎私を大事そうに両手で抱えて部屋に連れて行かれた。小さな箱でベッドを作ってくれて、優しく頭を撫でてくれた。頭を撫でながら、ヒロさんは泣いてた。

え?私の為に?私、ただのスズメなのに?

まさか人間に看取られるなんて。嬉しかった…優しくしてくれて涙が溢れそうで。心が温かくなった。ありがとう…ヒロさん。ありがとう…。今度また生まれ変わっても、また来ます。遠のく意識の中でヒロさんは泣いてた…。ヒロさん…本当にありがとう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ